2005/9/3 赤桐
フランスの古くからのゲームですが、現在でも大西洋岸の地方でプレイされています。
ルールは David Parlett氏の"Oxford A-Z of Card Games"という本に基づきました。
4人。向かい合った2人がパートナーになります。
普通のトランプから各スートの10のカードを取り除いた48枚のカードを使います。
当地では専用のカードを使っています。スペイン風のスート(貨幣、聖杯、棍棒、剣)のトランプですが、一部の絵柄が特殊です。
カードの強さは次の順になります:
1.3(貨幣の3) ムッシュ (Monseur)
2.3(聖杯の2) マダム(Madame)
3.2(貨幣の3) ボルニュ(Le Borgne=片目の男)
4.2(聖杯の2) バッシュ(Le Vash=牝牛)
5.9(聖杯の9) グラン・ノフ(Grand Neuf=大きい9)
6.9(貨幣の8) プティ・ノフ(Petit Neuf=小さい9)
7.2(棍棒の2) デュ・ド・シェン(Deux de Chêne=柏の2)
8.2(剣の2) デュ・デクリ(Deux d'écit=書き物の2)
9.4枚のエース
10.4枚のキング
11.4枚のクイーン(専用カードではカバリエ=Cavalier)
12.4枚のジャック(専用カードではバレ=Valet)
13.9と9
14.4枚の8
15.4枚の7
16.4枚の6
17.4枚の5
18.4枚の4
19.3と3
上記で例えば「4枚のエース」となっているのはエース4枚がすべて同じ強さということです。
ディーラーは左隣のプレイヤーから配り始め、各プレイヤーに3枚ずつ3回配ります。各プレイヤーの手札は9枚になります。
次のディールからは、ディーラーは時計回りに交代します。
トリックテイキングゲームの1種ですが、フォローの義務はありません。
ディーラーの左のプレイヤーが最初のリードを行います。各プレイヤーはどのカードを出してもかまいません。出されたカードの中で、スートは無関係に、最も強いカードを出したプレイヤーがトリックに勝ちます。
最も強いカードが同じ強さだった場合には引き分け(pourrie)になります。次のトリックは前回リードしたプレイヤーがまたリードします。例えばA、4、A、8などど出た場合です。パートナーどうしで同じ強さを出した場合にも引き分けになります。
こうして、9トリックを行います。
プレイヤーは、自分が強い8枚のカードのうち何を持っているのかを示すために、次のシグナルを行うことができます。
3 ムッシュ | 上を見る |
3 マダム | 手を心臓に当てる |
2 ボルニュ | 目を1つ閉じる |
2 バッシュ | 口を尖らす |
9 グラン・ノフ | 親指を立てる |
9 プティ・ノフ | 小指を立てる |
2 デュ・ド・シェン | 人差し指を立てる |
2 デュ・デクリ | 書くまねをする |
これ以外のシグナルは認められていません。
相手チームのプレイヤーが見ていない隙にシグナルを発することは反則ではありません。
プレイで最も多くのトリックを取ったプレイヤーのいるチームが1ポイントを得点します。トリックの数には引き分けは含まれません。
同じトリック数だった場合には、先にそのトリック数を取っていたプレイヤーのチームが得点します。
勝ったプレイヤーが、取った全部のトリックを連続して取っていて、最後のトリックも取っている場合、1ポイントではなく2ポイントを得点します。これをモルディエン(Mordienne)と呼びます。例えば、最初の4トリックを負けたあと、後の5トリックをすべて勝った場合などです。
何ディールか行って、先に5ポイントを取ったチームの勝ちになります。
2005年9月3日になかよし村でプレイしました。私のグループは専用カードでプレイしましたが、なかなかプレイしにくかったです(笑)。しかしデザインはとてもきれいで、面白い絵柄もあります。
このゲームのような体を使ったシグナルというのは、イタリアのゲームなどにもあって決して珍しいものではないのですが、慣れないので大変です。
ゲーム自体はかなり楽しめました。勝ち負けは配られた手札によることが大きいのですが、相手やパートナーのカードの推理とプレイのテクニックによって少しは結果が変わってくるようです。モルディエンを狙うかどうかと言う楽しみもあります。