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アビナス(Avinas)

2003/10/4 赤桐

 リトアニアでプレイされているトリックテ イキングゲームです。ルールはhttp://www.pagat.comに よりました。


プレイヤー

 4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 通常の52枚のカードから、各スートを 除いた、32枚のカードを使います。

 切札のスートのカードとその強さの順位は、(強)CQSQHQDQCSHD10(弱) です。

 切札以外の各スートのカードと強さの順位は、(強)10(弱) です。

例としてダイアモンドが切札の場合を下に示します。

 切札(ダイアモンド)のスートのカードを強い順に並べると:

[cq][d7][sq][hq][dq][cj][sj][hj][dj][da][d10][dk][d9][d8]

 ハートのカードを強い順に並べると:

[ha][h10][hk][h9][h8][h7]

 スペードのカードを強い順に並べると:

[sa][s10][sk][s9][s8][s7]

 クラブのカードを強い順に並べると:

[ca][c10][ck][c9][c8][c7]

 各カードには次のような点数があります。

11点
10 10点
4点
3点
2点

 これ以外のカードは0点です。

 全部のカードの点数の合計は120点になります。

ディール

 最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。

 ディーラーは各プレイヤーに4枚ずつまとめて2回配りま す。配るときに、各プレイヤーの4枚目のカードと8枚目のカードは表向きにします。ただし、自分とパートナーのカードについては、表向きにする前にその カードを見て、のランクのカードでなければ表向きにはしません。

7のカードが表向きになった場合

 ディール中にのランクのカードが表向きになったら、最後に表向きになったのスートが切札になります。最後のを配られたプレイヤーがデクレアラーになります。

 プレイの目的は、デクレアラー側は61点以上を取ることで、相手側はそれを阻止することです。

 次のようにプレイが進行します。

宣言

 プレイの前に、デクレアラーかそのパートナーは全トリックを取ることを宣言することができます。この宣言はテーブルをたたくことで行います。これがある と得失点が倍になります。これに対して相手側の1人もテーブルをたたいて得失点をさらに倍にすることもできます(ダブルをかけるわけです)。

 全トリックを取る宣言があった場合、1トリックでも相手側が取ったら、その時点でプレイ終了になります。

プレイ

 デクレアラーが最初のリードを行い、トリックテイキングゲーム のルールに従ってプレイを行います。プレイは時計回りです。

 ただし、最初のトリックと2回目のトリックに対するリードは、必ず切札でなくてはなりません。

 最初のリードはデクレアラーが行うので必ず切札をリードすることができますが、2回目のトリックのリードを行うプレイヤーは切札をもう持っていな いかもしれません。そのような場合には、どのカードを リードしてもかまいませが、切札のリードと同じように扱われて、他のプレイヤーは切札をフォローしなければなりません。最も強い切札を出したプレイヤーが このトリックに勝ちます。この場合、リードするプレイヤーはカードを表向きに出しても裏向きに出してもかまいません。裏向きに出した場合には、トリックの プレイの後に表向きにします。なお、裏向きに出すときには、パートナーに対して、顔の表情によるシグナルで、価値のあるカードを出したかどうかを知らせる ことができます。

 3トリック目からは、どのスートのどのカードをリードしてもかまいません。

 フォローの規則は、コントラクト・ブリッジと同じように、リードされたスートを持っていたらそのスートのカードを出さなければなりませんが、持っ ていない場合にはどのカードを出してもかまいません。

得点

 プレイが終わったら、カードの点数を計算して、プレイに失敗したほうのチームの得点欄に丸印(これをラム=Ramsと言います)をつけていきま す。

 ラムの数は、ディールの時に表になったの枚数です。デクレアラー側が61点以上を取ったときには、この数のラムを相手側につけます。相手側が60点以上取った場合には、デクレアラー側にこの数の2倍のラムをつけます。

 デクレアラー側が全トリックを取ると宣言していた場合、デクレアラー側が全トリックを取った場合には、表になったの枚数の2倍の数のラムを相手側につけます。全トリック取れなかった場合には、デクレアラー側に表になったの枚数の4倍のラムをつけます。

 全トリックを取るという宣言に対して、デクレアラーの相手側が倍にすると宣言していた場合には、上記のラムの数はさらに2倍になります。

 なお、相手側にラムをつけようとする場合に自分の側にラムがあれば、相手にラムをつける代わりに、まず自分のラムを×印で消していきます。自分の ラムを消し終わって始めて、相手側にラムをつけることができます。

7のカードが表向きにならなかった場合

 ディール中にのランクのカードが表向きにならないことも約 29%の確率であります。この場合は次のようにビッドとプレイを行います。

ビッド

 ディーラーの左隣から時計回りの順に、どれかのスートを自分で選択して、そのスートを切札にしたときの手札の中の切札の枚数をビッドしていきます (一番切札が多くなるスートを選択する必要はありません)。ただし、ビッドしたくないときや、それまでビッドされた枚数よりも多い枚数をビッドすることが できない場合にはパスをします。ビッドは1巡だけ行います。なおこのときにはスートは宣言しません。

 最も多い枚数を宣言したプレイヤーがデクレアラーになります。(デクレアラーが宣言した枚数の切札を持っていないことが分かったら、デクレアラーチームはゲームの負けになります。)

 誰も宣言しない場合には、このディールのプレイは行われません。次のディーラーが新しくディールを行います。

 全トリックを取るという宣言はありません。

プレイ

 デクレアラーが最初のリードを行います。デクレアラーがリードしたスートが切札になります(切札は必ずビッドした枚数に適合するスートでなくては なりません)。クイーンやジャックをリードした場合には、次にプレイ するプレイヤーは、どのスートが切札かをデクレアラーに聞かなければなりません。

 プレイの規則はが表向きになった場合と全く同じです(2ト リック目のリードはやはり切札でなくてはなりません)。

 デクレアラーかそのパートナーは、いつでもプレイを終了させて点数の計算を始めることができます。プレイされなかったカードの点数は計算されませ ん。このような場合でも、デクレアラーチームは61点以上取らなかったら、たとえ相手チームよりたくさん点数を取っていたとしても、プレイ失敗になりま す。

得点

 が表向きにならなかった場合では、プレイに負けたほうのチームにはラムではなく数字(ピップ=Pips)を付けていきます。

 デクレアラー側が61点以上を取り、相手側が31点以上を取った場合には、相手側に1ピップ書き込みます。相手側が2点以上31点未満ならば、2 ピップを書き込みます。相手側が0点ならば3ピップを書き込みます。

 デクレアラー側が31点以上61点未満だった場合には、デクレアラー側に2ピップ書き込みます。2点以上31点未満ならば、4ピップを書き込みま す。0点ならば6ピップを書き込みます。 

 ピップの点数は累計されます。

ゲームの終了

 ディールが終わってピップの累計が12点以上になったチームがあれば、ゲームは終了します。

 もしもう1つのチームのピップのピップが0点だったら、12点になったほうは負けになりますが、これは非常に恥ずかしい負け方と考えられていま す。

 それ以外の場合、ピップの数字は無視され、ラムがついているほうが負けになります。どちらもラムがない場合に限り、ピップの数字の小さい方が勝ちになります。

 賭けている場合には、1ゲームに対していくらと決める場合と、ラムの数1つについていくらと決める場合があります。

 勝ち負けの決め方から明らかなように、7のカードが表向きにならなかった場合には、負けようとしてプレイすることもあります。