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ブーレ(Bourré)

2011/5/7赤桐

 Bouré、Booray, Boo-Rayなどとも綴られます。トリックテイキングゲームですが、ギャンブル性の高いゲームで、ポーカーのプレイヤーに好まれます。米国のルイジアナなどでよくプレイされています。

 ルールはあまり標準化されていません。いろいろな本やWikipediaに書かれていますが、ここではJohn McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)にあるルールを紹介します。


人数

 2人〜8人。7人がベストだということです。

カード

 普通の52枚のトランプを使用します。ジョーカーは使いません。各スートのカードの強さは、次の通りです:

    (強い)10(弱い)

アンティとディール

 最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。ゲームの前に、各プレイヤーにポーカーチップなどを配分します。

 ディールを行う前に、各プレイヤーは1チップずつをポット(テーブル中央)に置きます。これをアンティ(ante)と呼びます。(2ディール目以降はその前のディールの結果により、アンティを出さなくてもよいプレイヤーもいます。)

 ディーラーはシャッフルして右隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、左隣のプレイヤーから時計回りの順に、1枚ずつ5枚のカードを各プレイヤーに裏向きに配ります。

 ただし、自分に配る最後の1枚のカードだけは表向きにします。このカードと同じスートのカードはすべて切札となります。これはディーラーの手札になりますが、プレイ(または捨て札)されるまでは表向きのままテーブルに置かれます。

出降りと交換

 ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、各プレイヤーはプレイする(出る)か、パスをする(降りる)かを宣言していきます。

 パスをした場合は、そのあとのプレイに参加することはできません。チップを獲得することはできませんが、アンティ以外の支払いも発生しません。

 プレイを宣言した場合は、そのときに手札を何枚か裏向きに捨て、その分のカードをディーラーから裏向きにもらうことができます(配り残りのカードからもらいます)。手札の5枚全部をこのようにして交換することもできますが、1枚も交換しなくてもかまいません。

 もし配り残りのカードが足りなくなったら、捨て札のカードをシャッフルして使います。

 表向きに配られたディーラーの手札がA(エース)のときには、ディーラーは必ずプレイしなければなりません。

 プレイするプレイヤーが1人だけの場合は、そのプレイヤーがポットにあるチップをすべて獲得して、このディールは終了します。次のディールに移ります。

  自分の番が来る前に、自分の出降りや交換枚数について、話したり態度を示したりしてはいけません。そういうことがあれば、罰として、次のディーラーの番になってもディーラーにはなれず、その左隣のプレイヤーがディーラになります。

プレイ

 ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。このプレイヤーがパスをしている場合には、そのプレイヤーから時計回りの順に、パスをしていない最初のプレイヤーが行います。

 プレーはトリックテイキングゲームのルールに従います。ただし、フォローの規則は次のようになります:

  1. リードされたスートのカードがあれば、それを出さなければなりません。そのようなカードが何枚かあれば、そのうち1枚を出します。
  2. リードされたスートのカードがなくて、切札があれば、切札を出さなければなりません。切札が何枚かあった場合、そのうち1枚を出します。
  3. リードされたスートのカードも切札もなければ、どのカードでも1枚を出します。
  4. 上記の1〜3の規則を守ったうえで、そのトリックで今までに出たカードすべてに勝てるカードがあれば、それを出さなくてはなりません。そのようなカードが何枚かあった場合には、そのうちどれを出してもかまいません。勝てるカードがないようなら、上記1〜3の規則を守る限り、どのカードを出してもかまいません。

 ただし、最初から3トリックを確実に取りことができるカードを持っているプレイヤー(シンチcinchを持っていると呼ばれます)には、次の制限が加わります。

得点

 最も多くのトリックを取ったプレイヤーがポットのチップを全部もらいます。つまり、3トリックを取るか、2トリックを取って、他の3人のプレイヤーが1トリックずつ取った場合です。

 最も多く取ったプレイヤーが2人以上いる場合、つまり2トリックを取ったプレイヤーが2人と1トリックを取ったプレイヤーがいる場合、または5人のプレイヤーが1トリックずつ取った場合には、引分けとなります。ポットのチップは次のディールに持ち越しとなります。(スプリット・ポットsplit potと呼ばれますが、実際にチップを分け合うわけではありません。)

 1トリックも取ることができなかったプレイヤーはブーレと呼ばれます。ブーレのプレイヤーは、ポットにあったのと同じだけのチップをポットに支払います。ブーレが2人以上いる場合には、プーレの全員がこの額のチップを支払います。引分けでない場合には、この支払は、勝ったプレイヤーがポットのチップをもらったあとに行います。

 そのあと、全員が次回のアンティを支払いますが、次のプレイヤーは例外としてアンティを支払う必要はありません。

リミット

 ポットが大きくなりすぎるのを防ぐため、リミットを設けることがあります。仮にリミットを20とすれば、次のようになります。

罰則

 プレイの規則に違反したプレイヤー(リードしたスートを持っているのに出さない、切札を持っているのに出さない、勝てるのに勝たない、など)は、リニーグ(renege)と呼ばれます。リニーグをしたプレイヤーは、ブーレのプレイヤーと同じように、ポットの額を支払わなければなりません。

 ただし、次のプレイヤーがプレイする前に違反に気が付けば、別のカードを出しなおすこともできます。この場合には、次の罰則になります。


注1

 シンチとなるのは次の3つの場合に限られると思いますが、どうでしょうか。

  1. 切札のA、K、Qを持っている場合
  2. 切札のA、K、Q、J、10のうち4枚を持っている場合。
  3. 切札のA、K、Q、J、10、9、8のうち5枚を持っている場合。

注2

 英語版Wikipediaには、NBAの選手がブーレで1000ドル負けたと他のプレイヤーをからかったのがきっかけで、けんかになり、出場停止になったというような記事も載っています。


バリエーション

ダブル・アンティ(Double Ante)

 ディールの前の支払いとは別に、プレイするプレイヤーは1チップをポットに払います。また、ディールの前の支払いは、例外なしに、全員が行います。

切札表示カード

 ディーラーに配るカードとは別に切札のために次のカードを表向きにすることがあります。

 このカードはプレイには全く使わないというルールと、交換前にディーラーの手札に入れても良いというルールとがあります。

同時宣言

 出るか降りるかを同時に宣言するルールです。プレイするプレイヤーは手にポーカーチップを握り、パスの場合には何も握りません。全員が一斉に手を開きます。

4枚ブーレ


 2011年5月7日に、なかよし村でプレイしました。面白いギャンブルゲームでした。