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クラバー(Clabber)

2005/10/1 赤桐

 米国のインディアナ州のエバンスビルでプレイレされているゲームです。ヤスの系統のトリックテイキングゲームです。

 ルールはhttp://www.pagat.comによりました。


人数

 4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 トランプの各スート10の24枚を使います。

カードのランクと点数

 各スートのカードの強さの順と点数は次のようになります。強さは左へいくほど強くなります。切札とそうでないスートでは強さの順も点数も違います。

切札の場合 強さの順 10 K Q
点数 20 14 11 10 4 3
切札以外 強さの順 10
点数 11 10 4 3 2 0

 最後のトリックを取ったプレイヤーに10点が与えられるので、点数の合計は162点になります。

メルド(Melds=手役)

 手札の中に次のような組み合わせがあれば、点数になることがあります。これをメルドと呼びます。

ジャック4枚(ミュール=mule)
200点
が4枚
100点
エース4枚
100点
10が4枚
100点
キング4枚
100点
クイーン4枚
100点
5枚のシークエンス
100点
4枚のシークエンス(フィフティー=fifty)
50点
3枚のシークエンス(ダッド=dad)
20点
切札のキングとクイーン(ベル=bell)
20点

 シークエンスとは同じスートの続き札です。例えば、SKSQSS10が手札にあればシークエンスになります。シークエンスを判定するときには、カードのランクは(高)10(低)の順の並びになります。

 メルドとして得点できるのは1人だけで、1つのメルドだけです。

 ただし、ベル(切札のキングとクイーン)は、他のメルドとは別に得点できます。例えば、切札のKQJ10を4枚のシークエンスとして得点した場合でも、さらにベルとしても得点できます。

 上記の表中で、上にあるものほど強いメルドになります。ベル(切札のキングとクイーン)は別扱いです。

ディール

 誰かがカードをシャッフルして時計回りに各プレイヤーに1枚ずつ表向きにカードを配っていきます。最初にジャックを配られたプレイヤーが最初のディーラーになります。次にジャックを配られたプレイヤーが最初のディーラーのパートナーになります。パートナーどうしが向かい合わせになるように席を替えます。

 ディーラーはディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。

 ディーラーはシャッフルして右隣のプレイヤーがカットします。カットするプレイヤーは2つに分けた部分それぞれに少なくとも4枚のカードがあるようにカットしなければなりません。

 ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、1枚ずつ各プレイヤーにカードを6枚配ります。最後のカードはディーラーに配ることになりますが、表向きにします。これが切札候補カードになります。

ビッド

 ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、 ビッドを行います。

 各プレイヤーは「プレイ("I Play")」とビッドをするか、パスをします。プレイとは、切札候補カードのスートを切札にして、プレイの点数とメルドの点数の合計で、相手チームよりも多くの点を取るという宣言です。誰かがプレイと宣言すると、ビットは直ちに終了して、プレイに入ります。

 全員がパスをした場合には、やはりディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、2度目のビッドを行います。

 今回も「プレイ」またはパスをビッドしていきますが。プレイを宣言するプレイヤーは、切札候補カード以外の任意のスートを切札にすることができます。やはり、プレイの点数とメルドの点数の合計で、相手チームよりも多くの点を取るという宣言になります。誰かかがプレイと宣言すると、ビットは直ちに終了します。

 2回目のビッドでも全員がパスをした場合には、このディールは流れて、次のディーラーが次のディールを行います。

 「プレイ」をビッドするためには、切札にするスートのカードが少なくとも1枚手札の中になければなりません。

プレイ

 2回目のビッドを行った場合は、「プレイ」をビッドしたプレイヤーが切札を決めます。

 ディーラーの左隣のプレイヤーが最初の リード を行って、 トリックテイキングゲーム のプレイを行います。プレイの順序は時計回りです。

 プレイは、通常通り、切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ち、プレイされたカードを取ります。切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。どのカードをリードしてもかまいません。

 切札がリードされたときのフォローの規則は次の通りです。

  1. 切札を持っていれば、切札を出します。
  2. そのトリックで今までに出た最強の切札よりも強い切札があればそれを出さなければなりません。強い切札が2枚以上あった場合には、そのうちどれを出してもかまいません。(パートナーが最強の切札を出していてもそれより強い切札を出さなければなりません。)
  3. 強い切札がなくても、切札があればそれを出さなければなりません。2枚以上あれば、どれをだしてもかまいません。
  4. 切札を持っていない場合、どのカードを出してもかまいません。

 切札以外がリードされた場合は次のようになります。

  1. リードされたスートを持っている場合、リードされたスートのカードを出さなければなりません。リードされたスートのカードが2枚以上あれば、そのうちどれを出してもかまいません(強いカードを出す必要はありません)。
  2. リードされたスートがなくて切札を持っている場合は、切札を出さなければなりません。
  3. そのトリックで今までに切札が出ている場合で、リードされたスートがなくて切札を出すときには、今までに出た最強の切札よりも強い切札があればそれを出さなければなりません。強い切札が2枚以上あった場合には、そのうちどれを出してもかまいません。(パートナーが最強の切札を出していてもそれより強い切札を出さなければなりません。)
  4. そのトリックで今までに切札が出ている場合で、リードされたスートがなくて、今までに出た最強の切札よりも強い切札を持っていない場合でも、切札を持っていれば出さなければなりません。2枚以上あれば、そのうちどれをだしてもかまいません。
  5. リードされたスートも切札も持っていない場合には、どのカードを出してもかまいません。

 最後のトリックを取ったプレイヤーには10点が与えられます。

メルドの宣言

 各プレイヤーは、最初のトリックのプレイで自分の番のとき、手札にメルドがあれば、どの種類のメルドがあるかを宣言することができます。(厳密にルールを適用すれば、プレイするカードをテーブルに置く前に宣言しなければなりません)。メルドがあっても、宣言しなくてもかまいません。

 最も強いメルドを宣言したチームだけが、宣言したメルドの点数だけを得ることができます。メルドの強さは、前記の表の上にあるものほど強くなります。手の中に2つ以上のメルドがあっても、宣言や得点することができるのは1つだけです。

 同じ強さのメルド(シークエンス)であった場合には、1トリックが終わった後に、最も上のカードのランクを言い合って、ランクが上の方が強いメルドになります。それも同じならば、切札のシークエンスのほうが強くなります。どちらも切札でなければ、誰も得点しません。(もちろん、同じチームの2人が同じ強さのメルドの場合には、どちらかに譲ってかまいません。)

 最も強いメルドのプレイヤーは、そのメルドのカードをすべて他のプレイヤーに見せたあと、手札に戻します。そのチームはそのメルドの点数を得ます。

 例外として、ベル(切札のキングとクイーン)は他のメルドとは別に、必ず得点することができます。そのためには、プレイ中、ベルのキングとクイーンの2枚目のカードをプレイするときに、ベルであったことを宣言しなければなりません。

 ただし、シークエンスのメルドを宣言してそれが最も強かった場合で、そのシークエンスの中にベルの2枚が含まれている場合には、メルドのカードを見せたときにベルを宣言します。

得点

 各チームは自分のチームのプレイの点数(取ったカードの点数+最後のトリックの10点)とメルドの点数を合計します。

 「プレイ」をビッドしたチームは、自チームの点数が相手チームの点数よりも多かった場合、得た点数をスコアシートに書き入れます。同点や相手チームより少なかった場合には0点になり、スコアシートには「XX」と書き入れます。これはセット(Set)、ヒックト(Hicked)、ターキートラックス(Turkey Tracks)などと呼ばれますが、0点と言う以外に特別の意味はありません。

 「プレイ」をビッドしなかったほうのチームは、どのような場合でも、得た点数をそのままスコアシートに書き入れることができます。なお、得た点数が0点の場合には、「~」あるいは「−」のような記号をスコアシートに書き入れますが、0点と言う以外に特別の意味はありません。

ゲーム

 何ディールか行って、どちらかの累計点が500点以上になったときにゲームは終了します。累計点の多いチームが勝ちになります。同点ならば引き分けです。


バリエーション

 2回目のビッドも全員パスをした場合、同じディーラーが配りなおすというルールもあります。

 カードを配るとき、2枚または3枚ずつまとめて配ることもあります。

 賭けてプレイしている場合、「プレイ」をビッドしたチームの点数が相手チームの点数以下だったときに0点になるだけでなく、別の支払いをしなければならないというルールもあります。

3人ゲーム

 パートナー戦にはなりません。各プレイヤーに8枚ずつ配ります。「プレイ」をビッドしたプレイヤーは、ほかのどのプレイヤーよりも多くの得点を得なければ0点となります。

2人ゲーム

 各プレイヤーに6枚ずつ配ったあと、3枚ずつ配ります。あとの3枚のカードも手札になりますが、ビッドが終わってからしか見ることができません。その他は4人ゲームと同様です。

6人ゲーム

 1人おきの3人ずつ2チームの対戦となります。各プレイヤーに4枚ずつ配ります。その他は4人ゲームと同様です。


 10月1日になかよし村でプレイしました。それほど目立った特長はありませんが、わりあい気軽にプレイできて十分楽しめるゲームです。