2010/4/3 赤桐
Michael Lugo氏の"How to Better Dominoes"という本で紹介されているドミノゲームです。他のプレイヤーを妨害しながら、できるだけ早く上がることを目的とする「ブロック・ゲーム」の一種です。全部のドミノを配ってしまうので、プレイ中のドローはありません。
著者はプエルトリコ出身ですが、これはスペインや中米やフロリダのラテン系の人々の間で広く行われているルールのようです。インターネットのサイトに はプエルトリコのルールも紹介されていますが、これとは少し違います。なお、このゲームは実際には単にドミノと呼ばれているようですが、本の中では competitive dominoesと呼ばれていましたので、それをゲーム名としておきました。
普通の28枚のダブルシックスのドミノを使います。
4人。向かい合った2人がパー トナーになります。
各ハ ンドで最初にプレイするプレイヤーを親と 呼んでおきます。
まずドミノをすべて裏返して、よくかき混ぜます。これをシャッフルと呼びます。シャフルしたドミノの中から各プレイヤーが1枚ずつ取り、両方の目の合計が1番多いドミノを引いたプレイヤーが最初の親 になります。同数ならば大きい目を含むドミノを引いたプレイヤーが親になります。例えば 4-3と5-2が あれば、5-2のプレイヤーが親になります。ドローしたドミノは元に戻して、再びシャッフルします。
次回からは、前回の親の右隣のプレイヤーが親になります。つまり、親は反時計回りに交代します。
シャッフルを行ったあと、各プレイヤーは裏向きのまま7枚ずつドミノを取ります(このように裏向きのままドミノを取ることをドローと呼びます)。順番は関係なく自由にどのドミノでも取ることができます。ドミノは1枚も余りません。
各プレイヤーが取ったドミノのことを手と 呼ぶことにします。
誰でも、手の中に5枚かそれ以上のダブルのドミノがあれば、全員のドローのやり直しを要求することができます。ダブルとは2つの目が同じ(ぞろ目の)ドミノです。例えば6-6とか2-2とかのドミノです。ダブルでないドミノをシングルと呼びます。この要求があるとシャッフルをやりなおして、再び7枚ずつドローします。親は交替しません。
親の行う最初のプレイをリー ド(lead/リードオフlead off)と呼びます。親は手から自由に1枚のドミノを選び、それをテーブルに出します。
親がリードしたら、反時計回りの順番に、各プレイヤーは自分の手の中から1枚ずつドミノをテーブルに出して、すでにテーブルに並んでい るドミノの列につなげます。
ドミノのつなぎ方は次の通りです。同じ目が2つある(ぞろ目の)ドミノをダブル、そうでないドミノをシンプルと呼びます。
リードがシンプルだった場合や、場に並んでいるドミノの列の1つの端がシンプルだった場合、その端へシンプルをつなぐには、同じ数の 目と目を接続させて、列の伸びる方向に伸ばしてつなぎます。列の端であれば左右のどちらでもかまいません。
なお、ドミノの列が伸びてテーブルの上に置けなくなるときには、シンプルとシンプルを直角につないで列の伸びる向きを変えてもかま いません。例えば、つぎのようにします。
リードや列の端のシンプルに対して、同じ目のダブルをつなぐこともできます。その場合、ダブルはドミノの列の方向に対して直角に(T 字形に)置かなければなりません。
リードされたダブルや、列の端のダブルに対して、同じ目のシンプルをつなぐこともできます。このときには、そのダブルに対してさらに 直角につなぎます。したがって、本来のドミノの列の延長方向に伸ばすことになります。
このように、ドミノは1つのライン上の両端で伸びていきます。決して枝分かれすることはありません。ダブルのドミノを直角に置く事には大きな意味はなく、ダブルが置かれたということが見やすくなるだけです。
自分の番のときに、プレイできるドミノが手の中にないときには、パスを宣言します。パスがあると、プレイの番は次のプレイヤーに移ります。
プレイすることのできるドミノを持っているのにパスをすることは、許されません。
プレイヤーの1人が上がったら、プレイは終了します。上がるとは、手の中のドミノをすべてプレイに使ってしまって、手にドミノがなくなることです 。
上がったプレイヤー以外の3人(上がったプレイヤーのパートナーも含む)は手に残しているドミノの目の数を数えます。この3人の目の数を合計したものが上がったチームの得点となります。
例えば、プレイヤーAが上がり、プレイヤーBが6-3、6-0のドミノを持ち、プレイヤーC(プレイヤーAのパートナー)が2-2のドミノを持ち、プレイヤーDが5-4、4-3のドミノを持っていたら、(6+3+6+0)+(2+2)+(5+4+4+3)=35点をプレイヤーAとプレイヤーCのチームが得点します。
プレイヤー全員が続けてパスをしたとき、ブロックの状態になり、この場合もハンドが終了します。
各チームが自分の側の手に残ったドミノの目の数を合計します。目の数の少ない方のチームが勝ちになります。勝ったチームは両チームの目の数の合計(つまり全プレイヤーの目の数の合計)を得点します。
両チームの目の数の合計が同じだった場合は、引き分けとなります。どちらのチームも得点しません。
次のハンドでは前回の親の右隣が新しい親になります。引き分けだった場合は前回の親がまた親になります。シャッフル、ドローを行って、同じように親からプレイを始めます(親決めは行いません)。
なお正式には、前回負けたプレイヤーの1人がシャッフルを行います。(最初のハンドや親決めのときは誰がシャッフルしてもかまいません。)
ハンドが終了した時点で、得点の累計が200点かそれ以上になったチームがあれば、ゲーム終了となります。もちろん、最高点のチームが勝者となります。同点なら引き分けです。
Miguel Lugo氏の本には3人ゲームは記述されていませんが、同じようなゲームから類推すると、3人ゲームは次のようになります。