2023/6/3 赤桐
アフリカ大陸の北西沿岸のカナリア諸島(スペイン領)で盛んにプレイされているトリックテイキングゲームです。 現地の大会などでは8人でプレイされているようです。
トリュックの系統のゲームに似ていますが、フォローの義務があるのが特徴です。
ルールはスペインのFournier社のサイト(https://www.nhfournier.es/en/como-jugar/canarian-envite/) やスペイン語WikiPedia(英語への自動翻訳)などに基づいています。
4人、6人、8人、10人、12人。4人以上の時は、1人おきのプレイヤーが仲間になり2チームの対抗戦になります。
スペインの伝統的なカード40枚を使います。 各スートに8と9のある48枚のものなら、そのカードを抜きます。
普通のトランプを使うときは各スートの8~10のカードを抜きます。
スペインのカードのスートは、エスパーダ(Espada/剣)、バスト(Basto/こん棒)、コパ(Copa/カップ)、オロ(Oro/金貨)です。(エスパーダがスペードに、バストがクラブに、コパがハートに、オロがダイアモンドに相当すると考えることもできます。)
各スートのカードは、レイ(Rey/12/キング)、カバヨ(Caballo/11/馬)、ソータ(Fante/10)、7、6、5、4、3、2、アース(As)です。レイは冠を被った人物。カバヨは馬に乗った人物。ソータは冠も馬もない人物です。普通のトランプを使うときは、カバロ=クイーン、ファンテ=ジャックと考えます。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。 次回からは反時計回りで交代します。
ディーラーは右隣から反時計回りに3枚ずつまとめて全員にカードを配ります。
残ったカードの一番上のカードは表向きにしてテーブルに置きます。 このカードは切札表示カードとなり、このカードのスートが切札になります。
切札表示カードのスートのカードはすべて切札になります(下記ではスートを示していないものが切札スートのカードです)。
下記の他のスートのカードもプレイでは切札のスートとして扱います。 (切札スートと重複するときは強いほうのカードとして扱います)。
切札は“La Vira”、切札のカード(複数)は“de la virado”や“chlasco”と呼ばれます。
2(Mala/マーラ)、レイ(12)、カバヨ(11)、ソータ(10)、アース(1)、7、6、5、4、3
バスト3、バストカバヨ(11)、オロソータ(10)(Perica/ペリカ)、2(Mala/マーラ)、レイ(12)、カバヨ(11)、ソータ(10)、アース(1)、7、6、5、4、3
オロ5、バスト3、バストカバヨ(11)、オロソータ(10)(Perica/ペリカ)、2(Mala/マーラ)、レイ(12)、カバヨ(11)、ソータ(10)、アース(1)、7、6、5、4、3
オロ2、オロ5、バスト3、バストカバヨ(11)、オロソータ(10)(Perica/ペリカ)、2(Mala/マーラ)、レイ(12)、カバヨ(11)、ソータ(10)、アース(1)、7、6、5、4、3
オロアース(1)、オロ2、オロ5、バスト3、バストカバヨ(11)、オロソータ(10)(Perica/ペリカ)、2(Mala/マーラ)、レイ(12)、カバヨ(11)、ソータ(10)、アース(1)、7、6、5、4、3
レイ(12)、カバヨ(11)、ソータ(10)、アース(1)、7、6、5、4、3、2
トリックテイキングゲームのプレイにより点数を獲得します。 点数が12点になったら1チコ(chico=少年)の勝利になります。 先に2チコ獲得したチームがゲームの勝者になります。(4チコとする場合もあります)。
ディーラーの右隣が最初のリードを行います。 3トリックしかありませんが、通常のトリックテイキングゲームのルールに従います。
リードされたスートで出せるカードがあるのに他のカードを出した時は、相手チームが4点獲得します(renage)。
ただし、切札がリードされたときに、切札の最も強いカード(4人ゲームなら2など)だけを持っているプレイヤーは、他のカードを出してもかまいません。
あるチームが2トリック取ればそのディールに勝ったことになり、プレイは終了します。 そのチームは2点を獲得します。
プレイ中いつでも誰でも、「エンビオ」を宣言することができます。これは、ディールの点数を2点でなく4点にしようという提案です。 これに対して、相手チームは誰でも、次のどれかの応答を行うことができます。
引き上げる提案があったときは、最初のチームが上記と同様に応答しますが、降参:4点、受け入れ:7点、引き上げ:9点となります。 9点の引き上げ提案があったときは、降参:7点、受け入れ:9点、引き上げ:チコ(勝ったほうがチコに勝利)となります。
つまり、2点-4点-7点-9点-チコと点数が上がっていきます。
なお、受け入れた場合は、そのチームはそのあといつでも、さらに引き上げる提案をすることができます。
エンビオの宣言や応答のときは、チームで話し合うことができます。 ただし、手札の内容については話してはいけません。
チームの得点が11点になった状態をトゥンボと呼びます。
なお、ディールでの勝ち点を加えて11点を越すときは1点引くことになっていますので、 累計点が12点ちょうどのときは11点になり、トゥンボの状態になります。
トゥンボのチームがあるときは、どちらのチームもエンビオはできません。 もししてしまったら相手チームが4点獲得します(renage) 。
トゥンボの状態では、プレイの勝ち点は3点になります。
Tumboのチームはプレイ開始前に降りることができます。つまりプレイするかどうか決めることができます。 降りた場合は、相手チームが1点得点します。
両チームがトゥンボのときは、必ずプレイしなければなりません。
現地では石や豆などをつかって次のように得点をつけます。
豆1つのときなど、それだけでは何点か判断できませんが、プレイの記憶があるので区別できるのだと思います。
2003年6月3日、大井町ポップコーンズでのなかよし村例会でプレイしました。
5人以上のときは切札を覚えるのが大変ですが、最後は8人でプレイして、盛り上がりました。