2000/10/17 赤桐
19世紀後半から20世紀の初頭まで、米国で大変盛んにプレイされたトリックテイキングゲームです。現在でも米国の代表的なゲームの1つであり、英国の一部地方でも盛んです。
ユーカーは最初にジョーカーを使ったゲームだといわれていますが、現在の米国ではジョーカーなしでプレイされることが普通です。
いろいろな種類があるのですが、ここでは現在の米国で普通と思われるルールを紹介します。
4人。向かいあった2人がパートナーとなります。
各スートのA、K、Q、J、10、9の24枚のカード。
切札のスートでは、強いのから順に、J(ライトバウアー=正ジャック)、切札と同色のスートのJ(レフトバウアー=裏ジャック)、A、K、Q、10、9の順です。レフトバウアーはマークで表示されているスートではなく切札のスートに属します。
切札以外のスートでは、A、K、Q、J、10、9の順です。
切札がダイアモンドの場合は、強いものから順に次のようになります(あくまで、ダイアモンドが切札の場合の例です。)
切札スート(この場合はダイアモンド)
そのほかのスート
最初のディーラーは任意のやり方で決めます。ディーラーはディール毎に左隣のプレイヤーに移ります。
ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、まず3枚ずつ各プレイヤーに配り、次に2枚ずつ配ります。各プレイヤーは5枚ずつの手札を持つことになります。
残りの4枚のカードはテーブル中央に裏向きに置きますが、一番上のカードだけは表向きにして別にテーブルに置きます。このカードを「切札候補カード(turn-up/face-up card)」と呼びます。
ディーラーの左隣から順に時計回りに、切札候補カードのスートを切札にするかどうかをビッドしていきます。誰かが「オーダー(order the card up/order up)」と宣言したら、そのスートが切札に決まり、ビッドが終了します。そうしたくない場合には「パス」とビッドします。
全員がパスをした場合には、切札候補カードは裏向きにされ、ディーラーの左隣から新しいビッドが始まります。
今度は、自由にスートをビッドしてそれを切札にすることができます。例えば、「スペード」というようにです。ただし、最初の切札候補のスートをビッドすることはできません。今回も、誰かが切札スートをビッドしたら、ビッドは終了します。
このビッドでも全員がパスをした場合には、プレイは行われず、配り直しとなります。ディーラーは左隣に交代します。
なお、1巡目のビッドでも2順目のビッドでも、切札を決めたプレイヤーは「メーカー(maker/caller)」と呼ばれます。
メーカーは「1人でプレイする(order it up alone)」と宣言することができます。この場合、メーカーのパートナーは手札を伏せて置いておきます。このプレイヤーとその手札はプレイには参加しません。
メーカーでない側のプレイヤーのどちらかも、1人でプレイすることを宣言することができます。この場合も、そのプレイヤーのパートナーはプレイには参加しません。
切札表示カードが切札に決まった場合には、ディーラー(メーカーではない)は、プレイの前に、切札表示カードを手札に加え、不要なカードを1枚裏向きに捨て札することができます。しなくてもかまいません。
トリックテイキングゲームの通常のルールに従います。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードをします。1人プレイが行われてそのプレイヤーがプレイしない場合にはその左隣が最初のリードをします。
リードされたスートはフォローしなければなりませんが、フォローできない場合にはどのカードを出してもかまいません。
取ったトリックはパートナーごとに裏向きにして、トリック数がよくわかるように置きます。
得点はパートナーごとに付けます。1人プレイがあった場合にも、パートナーの得点となります。
メーカーの側が3トリック以上取った場合には、次のような得点となります。
3トリックか4トリック勝った場合 | 1ポイント |
5トリック全部勝った場合 | 2ポイント |
1人プレイで5トリック全部勝った場合 | 4ポイント |
5トリック全部勝つことをマーチ(march)と呼びます。
なお、1人プレイで3トリックか4トリックしか勝たなかった場合は、1ポイントだけです。
メーカーの側が3トリック以上取ることに失敗した場合には、相手側が2ポイント得点します。(これをユーカーされると言います。)
相手側が1人プレイしてユーカーした場合には、2ポイントではなく4ポイントの得点になります。
何ディールかプレイを行って、片方のチームが決められた点数に達したときそのチームの勝ちになります。
通常、10ポイントがその点数です。
各スートの8と7を含めた32枚のカードを使うこともあります。この場合も配る枚数は各プレイヤー5枚だけです。
米国の古いルールでは、ジョーカーと各スートの8と7を含めた33枚のカードを使用します。また24枚のカードにジョーカーを含めることもあります。
ジョーカーを含んだときのプレイの仕方はユーカーの英国ルールを参照してください。
メーカーが1人でプレイする場合に限り、相手側も1人でプレイすることを宣言することができるというルールもあります。
また、相手側は1人でプレイすることができないルールもあります。
ディーラーが切札表示カードと手札の交換をしない場合、ディーラーのパートナーが交換できるというルールもあります。
1人プレイが行われる場合には、1人プレイをするプレイヤーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行うというルールもあります。
ビッドの2順目でディーラーに回ってきたら、パスをすることはできないというルールもあります。このルールはスティック・ザ・ディーラー(Stick the Dealer)と呼ばれます。