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ゴンジュー(拱猪/Gong Zhu)

2018/1/6 赤桐

中国でプレイされているハートの系統のゲームです。 中国のトランプゲームとしては比較的古くからプレイされていますが(少なくとも20世紀後半から)、 現在でも人気があるようです。


プレイヤー

4人の個人戦が普通です。5人プレイも可能。4人のときに、向かい合った2人ずつがパートナーになることもあります。

カード

普通の52枚のカードを使います。5人のときだけは、クラブとハートのを抜いた50枚を使います。

スートのカードの強さの順位は、強いものから、 10です。

ディール

誰が配ってもかまいません。各プレイヤーに1枚ずつ全部のカードを配ます。 「ハート」ゲームのようなカード交換はありません。

プレイ

トリックテイキングゲームのプレイを行います。 切札はありません。 反時計回りにプレイは進行します。

最初のディールで最初にリードするのは、 Sを持っているプレイヤーですが、 リードするカードはどのカードでもかまいません。 次回のディールからは、前回のディールでSを取ったプレイヤーが最初にリードします。

プレイの規則は次のようになります。

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのうちの1枚を出します。なければどれでも1枚を出します。
  2. リードされたスートのうち、最も強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを取ります(そのトリックに勝ちます)。
  3. トリックに勝ったプレイヤーが手札から自由に1枚を出して、次のトリックのリードを行います。

ハートのカードと点数のあるカード(C10も含む)は表向きにして取ったプレイヤーの前に置きます。 他のカードは裏向きに捨て札します。

得点

トリックで取ったカードについて、次の点数がつきます。下記以外は0点です。

カード 点数
S(豚) -100点
H -50点
H -40点
H -30点
H -20点
HH10 -10点
HH 0点
D(羊) +100点

C10(変圧器/ダブル)は、特別なカードです。 このカードを取ったプレイヤーは、合計点数が2倍になります(パートナー戦でも個人の点数が2倍になります)。 ただし、点数のあるカードを1枚も取らなかったら、+50点の得点になります。 (HHは0点ですが、ルール上は「点数のあるカード」として扱います。)

1人のプレイヤーがすべてのハートのカードを取った場合、 ハートの全点数-200点が+200点に変わります。 Sも取っていたら、この点数も-100点から+100点に変わります。 C10を取っていた場合は、これらの点数も2倍になります。 (このためには、HHも取らなければなりませんが、 Sを取る必要はありません。 パートナー2人ではなく個人で取らなければなりません。)

オープン(亮牌/売牌/明牌)

プレイが始まる前に、プレイヤーは次のカードを1枚以上表向きに自分の前に出すことができます。

H : すべてのハートの点数(他のプレイヤーの分も)が2倍になります。 したがって、プレイヤーが全ハートを取った時は+400点になります。

S : このカードの点数が-200点になります。 (全ハートを取ったプレイヤーがこれも取れば、+200点になります。)

D : このカードの点数が+200点になります。

C10 : このカードの効果が更に2倍されます。 つまり点数が4倍になるか、点数のカードを取らなかったら+100点の得点になります。

オープンしているカードのスートが最初にリードされたときに、 オープンしているカードをプレイすることはできません。 ただし、そのスートのカードがそれだけであった時を除きます。

また、オープンしているカードのスートがまだリードされたことがなければ、 オープンしているカードをリードすることはできません。

ゲーム

ディールが終わって、誰かの累計の罰点が1000点かそれ以上になれば、ゲーム終了です。


注1

本文のルールは主にPagat.comに従いましたが、 以下のルールは必ずしも一般的でないので、採用しませんでした。

  1. 1人のプレイヤーがすべてのハートのカードを取った場合、 C10も取っていれば、ハートの全点数は200点の2倍でなく300点になる。
  2. 負けたプレイヤーは、豚となって、紙を長く切ったものの端を咥えていなければならない。 次回のゲームで他のプレイヤーが負けたら、それをそのプレイヤーに譲る。 同じプレイヤーが負けたら、もう1枚咥える。 それに加えて、負けたプレイヤーはテーブルのしたに這いつくばる。

注2

標準的なルールというものはないので、本文のルールも一例に過ぎません。 例えば、次のようなルールがあります。(日本語Wikipediaなどを参考にしました)。


2018年1月6日、なかよし村でプレイしました。 カード交換ができないのが厳しく、運の要素が強いようにも思いますが、 オープンなどで戦略的なプレイが可能で、面白く遊べました。