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ゴニンカン

2023/12/3 赤桐

五所川原を中心とする青森県津軽地方のゲームです。 江戸時代に長崎を経て伝わったと伝えられています。 いろいろな要素が入った不思議なゲームです。


プレイヤー

5人〜6人。 6人のときは、ディーラーはプレイに参加しません。

ラウンド

このゲームはゲームの前に決めて置いたラウンド数をプレイします。 1ラウンドは1~3ディールからなります。 つまり1ディールで終わることもありますが、2ディールまたは3ディール行うこともあります。 ラウンドの中でのディールを1戦目、2戦目、3戦目と呼びます。

最後のラウンドが終わって最も点数の高いプレイヤーの勝ちとなります。

カード

通常の52枚のトランプからクラブとダイアモンドとハートのを抜き、ジョーカーを1枚加えた50枚のカードを使います。

カードの強さは、強いものから10です。

各ラウンドの1戦目の切札は次のように決まります。

  1. 最初の切札はクラブになります。
  2. 切札は クラブ、ダイアモンド、ハートの順に交替し、次にクラブに戻ります。
  3. ただし、最後のラウンドの時には、スペードが切札になります。

ディーラー

最初のディーラーはドローして最も弱いカードを引いたプレイヤーがなります。 同ランクの時は、弱いスートのプレイヤーになります。スートの強さは、強いものから、クラブ、ダイアモンド、ハート、スペードです。

ディーラーは左隣のプレイヤーから反時計回りに1枚ずつ全部のカードを配ります。各プレイヤーの手札は10枚になります。

関係

1戦目では、配られたカードに切札またはジョーカーがあったプレイヤーは、「関係」と発声します。 2人が発声したら、この2人のプレイヤーが関係チームとなります。この2人が並んで座っていたときは、右側に座っているプレイヤーがその右隣のプレイヤーと席を交替します (このディールが終わっても戻らないでそのままにします)。 関係チーム以外のプレイヤーは無関係チームとなります。

1人のプレイヤーが両方のカードを持っていたら、そのプレイヤーと、右手2人目つまり右隣の右隣のプレイヤーが関係チームとなります。 両方のカードを持っているプレイヤーはその2枚を裏向きにパートナーに差し出し、パートナーは手札をすべて裏向きに差し出します。 裏向きのまま、この2人のプレイヤーのカードが1枚だけ交換されます。ただし、それを行うのは、その間に座っている敵方のプレイヤーです。

6人ゲームのときはディーラーはプレイに参加しませんが、関係チームと同じ点数がつきます。 なお、上記で席順についての判断を行うときは、ディーラーはいないものとして考えてください。 ディーラーが席を交替することはありません。

プレイ

1戦目では、関係チームの2人のプレーヤーで「こい」「いく」などの最小限の会話を行い、どちらが最初のリードを行うかを決めます。

通常のトリックテイキングゲームのルールに従ってプレイします。 リードされたスートのカードがあれば、そのスートを出します。 なければ、どのカードを出してもかまいません。 プレイは反時計回りです。

例外として、ジョーカーはこの規則には従わず、いつでも出すことができます。 ジョーカーは常に最強のカードとなります。 ジョーカーをリードするときには、どのスートをリードしたことにするかを指定します。 ただし、ジョーカーは最初のトリックと最後のトリックには決して出すことはできません。 そのため9トリック目までジョーカーを持っていたプレイヤーは、このトリックで必ずプレイします。

1戦目の関係チームの目的は、絵札を9枚以上取ることで、無関係チームはそれを阻止しようとします。 絵札とは各スートのです。 取った絵札は取ったグループの1人の前に各カードが見えるように表向きに置きます。 それ以外の取ったカードは1カ所に裏向きに置きます。

2戦目

プレイで関係チームが絵札を9枚以上取ったら、2戦目のディールに入ります。 そうでないときは2戦目3戦目は行わず、次のラウンドの1戦目を行います。

2戦目では、ディーラーおよび関係チームが前ディールと同じになります。 前ディールでジョーカーを持っていたプレイヤーが切札のスートを決めます。 その前に、パートナーは手札から2枚のカードを裏向きに出し、ジョーカーを持っていたプレイヤーがそれを見て返します。 これは切札決定の参考にするためです。

前ディールでジョーカーを持っていたプレイヤーが最初のリードを行い、前記と同じルールでプレイを行います。 関係チームのプレイの目的は、絵札を8枚以上取ることです。

3戦目

2戦目で関係チームが絵札を8枚以上取ったら、3戦目に入ります。 そうでないときは3戦目は行わず、 次のラウンドの1戦目を行います。

3戦目でも、ディーラーおよび関係チームは前ディールと同じです。 始めのディールで切札のを持っていたプレイヤーが、切札のスートを決め、最初のリードを行います(切札決めの前にパートナーが2枚のカードを見せます)。

プレイのルールは変わりませんが、関係チームのプレイの目的は、絵札を9枚以上取ることになります。

次のラウンド

次のラウンドを行うときは、ディーラーが右隣に交替して、1戦目から行います。 なお、ディーラーが交替するとき、席順が変わっているためにディーラーの交替が公平にならないことがありますが、かまわず右隣に交替します。

得点

各ディールで、関係チームが絵札の数の獲得に成功した時は、その各プレイヤーがプラス1点となり、無関係チームの各プレイヤーはマイナス1点となります。 失敗した場合は、関係チームがマイナス1点、無関係チームがプラス1点となります。

3戦目で関係チームが成功した時は、関係チームの各プレイヤーはさらにプラス1点のボーナス点となります。 無関係チームのプレイヤーはマイナス1点が追加されます。

このように、片方のグループのプレイヤーにプラス点が付けば、相手グループの各プレイヤーに同じだけのマイナス点がつきます。 以降はプラス点だけを記述しますが、マイナス点も相手グループにつけます。

スコンク

関係チームが、無関係チームに1枚も絵札を取らさないで絵札の必要枚数に達した場合、1点のボーナス点となります。

逆スコンク

逆スコンクとは、無関係チームが、関係チームに1枚も絵札を取らさないで、絵札が関係チームを失敗させる必要枚数に達した場合です。

1戦目でこれを行なったら、無関係チームは10点のボーナス点となります。

2、3戦目でこれを行なったら、1、2戦目の得点はすべて無効となり、そのディールの成功・失敗の点数もなく、無関係チームが3点となります。

じゅうろく(16)

2、3戦目で、関係チームのスコンクが成立したとき、このときトリックに勝ったプレイヤーはじゅうろくを宣言して、プレイを続けることができます。 (じゅうろくを宣言しなければ、プレイは終了します。じゅうろくを宣言するかどうか、パートナーと相談することはできません。)

絵札を全部得ることができるとじゅうろくに成功しますが、そうでなければ、じゅうろくに失敗するだけでなくプレイに失敗したことになります。

成功した時は8点のボーナスとなり、失敗時には無関係チームに16点のボーナスとなります。 プレイの成功・失敗の点数はそれとは別につきますが、スコンクの点数はつきません。

逆じゅうろく(逆16)

2、3戦目で、無関係チームが行うじゅうろくです。

成功した時は、1、2戦目の得点はすべて無効となり、そのディールの成功・失敗の点数もなく、無関係チームが16点となります。

失敗時には関係チームに32点のボーナスとなります。プレイの成功・失敗の点数はそれとは別につきますが、スコンクの点数はつきません。

別ルール

ヨニンカン

ダマリカンとも呼ばれます。 4人ゲームです。 各スートのとスペードののカードを抜きジョーカーを入れた40枚のカードを使用します。

1戦目では、ジョーカーと切札のを持っているプレイヤーが関係チームになりますが、それを宣言してはいけません。 誰が関係チームかわからない状態でプレイを行います。

ジョーカーはどのトリックでも使えますが、1トリック目で使用するときは必ず次に述べる「宣言」を行わなければなりません。 最後のトリックで使用するときは最も弱いカードになります。 ジョーカーをリードして、指定したスートのカードも切札も出なかったときだけ勝つことができます。

宣言

1トリック目には関係チームのプレイヤーは誰でもスコンクかじゅうろくの宣言を行うことができます。 同様に無関係チームのプレイヤーは逆スコンクや逆じゅうろくの宣言が行えます。 宣言があると、成功した時は2倍のボーナス点が得られますが、失敗した時のマイナス点は宣言で成功したときの2倍になります。

用語

ポー、ピン:A、グラフ:クラブ、スッペ:スペード、ババ:ジョーカー、配り役/まき役:ディーラー、カン:関係、ムカン:無関係、役:切札スート、紋章:スート、打ち出し:リード、権利:トリックに勝って次のリードができること、踊る:ジョーカーを出すこと、踊り番:ジョーカーを出さなければならない9トリック目のこと、定場:1戦目、2重関:ジョーカーと切札Aを持っていること、じゅうろくはずし:じゅうろくが失敗すること。


なかよし村ルール

ゲームサークル「なかよし村」では、1戦目は関係チームが絵札8枚取れば成功としています。 ただし、スコンクとなるのは、無関係チームに1枚も絵札を取らさないで絵札を9枚取った場合です。