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イスリ(いすり)

2020/8/15 赤桐

花札で遊ばれているゲームですが、トランプで遊べるようにしてみました。 中部地方でプレイされているゲームです。 テンショ札(伊勢)でもプレイされていたようです。

ルールは国会図書館の「司法資料・第121号」によりました。山口泰彦氏の「最後の読みカルタ」も参考にしました。


プレイヤー

2人(3人以上でも可能)

カード

普通のトランプから各スートの10を除き、ハートとダイアモンド以外の6を除きます。46枚になります。

順序は次のようになります。6はランク外です。 (ポルトガル系である日本のカルタでは10が女従者、11が騎士、12が王なので、このようにしています。)

1(A)234578910(Q)11(J)12(K)

ドローして数字の大きいカードを引いたプレイヤーが最初の親となります。 同じランクなら引き直します。 2回目のディールからは、前回勝ったプレイヤー(上がったプレイヤー)が親になります。

ディール

親は、相手にカットをしてもらったあと、 相手から交互に3枚ずつ2回配ります。

残ったカードは床絵(山札)として、テーブル中央に置きます。

プレイ

親から始め、交互にプレイを行います。

各プレイヤーは、場札に続けて出すことのできるカードを1枚ずつ何枚でも出すことができます。 スートは関係ありません。 例えば、場札が7なら、8910などとプレイできます。

ただし、同じランクのカードが3枚以上あれば、3枚以上同時に出すことができます。 例えば、場札が2なら、次に3を3枚出すことができ、そのあと4を続けることもできます。

5のあとは7に続きます。 12のあとは1に続きます。

ただし、1が場札のとき、2があれば1も先に出すことができます。 つまり、場札1に対し、12とプレイすることができます。 これを、一二付け打ちといいます。

出すことができるカードがあっても出さなくてもかまいません。

プレイが終了したときは、そのことを口頭で伝えるようにします。 最後にプレイされたカードが相手にとっての場札になります。

両方のプレイヤーが続けて1枚もカードを出さなかったときは、 最後にカードを出したプレイヤーが床絵(山札)をめくって新たな場札とし、そのプレイヤーがプレイします。

床絵をめくった後に両方がカードを出さなかったときは、 床絵をめくったプレイヤーがまた床絵をめくることになります。

カードを1枚も出さなかった時は、1単位の掛け金をテーブルに出します。 この1単位の掛け金のことを目銭(もくせん)と呼びます。 ただし、最後にカードを出したプレイヤーの相手プレイヤーがカードを出さず、自分も出さなかったときは目銭を払う必要はありません。 そのあと床絵をめくった時にカードを出さなければ目銭を払います。

化札(ばけふだ)

次のカードは、手札から出すときに、他のランクのカードの代わりに使えるカードです。ただし制限があります。

  1. H1D1: 110として。
  2. H2: 211として。
  3. D2: 210として。
  4. H3H6D6H12D12S12: 112として。

また、次のカードは床絵からめくったときだけ、本来のランク以外に次のランクとして使うことができます。

  1. H6H12D12S12: 1の代わり。
  2. C12: 112の代わり。

上がり

手札をすべて出したプレイヤーがいたら、そのプレイヤーの勝ちでプレイは終わります。

勝ったプレイヤーは、最後に出したカードのランクにより、次の額を各プレイヤーからもらい、 プレイできなかったときにテーブルに出されていた掛け金ももらいます。

  1. 普通に上がったときは最後に上がったカードのランクの数字分の目銭(Qは10、Jは11、Kは12)。 ただし、1(A)は10です。
  2. 最後に3枚以上の同ランクのカードを出して上がったときは、上記の代わりに、 上記の額に最後に出した同ランクのカードの枚数を掛けたものをもらいます。 3枚の同ランクのカードで上がることを、「ソロで上がる」といいます。
  3. プレイヤーが手札6枚をすべて同じ番に出して上がったら、 上記の額に加え、目銭10を各プレイヤーからもらいます。

注1

本来は花札またはテンショ札(伊勢)でプレイします。花札のときは次の順序です。

1月:松、2月:柳(雨)、3月:桜、4月:藤、5月:菖蒲、6月:桐、7月:萩、8月:芒(坊主)、9月:菊、10月:紅葉、11月:牡丹、12月:梅

化札は、

床絵からめくった時の化札は、

注2

山口泰彦氏の「最後の読みカルタ」では、プレイ人数は2人以上となっていて、3人以上の同時プレイも可能なように読めます。

注3

渡辺小童氏著の「花札を始めてやる人の本」では、本文と次のようにルールが異なります。

  1. C6D6: 112として。