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マドラッソ(Madrasso)

1998/8/1 赤桐

 マドラッソはイタリアのベニスやその周辺でポピュラーなカードゲームです。

 シンプルなゲームですが運よりも技術が重要なゲームだということです。John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)で紹介されています。


プレイヤー

 4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 普通のトランプから各スート10を除いた40枚のカードを使用します。

 正式にはイタリアのカードを使います。コイン(ori/danari)、ソード(spade)、バトン(bastoni)、コップ(coppe)の4つのスートからなり、キングの代りに(re)、クイーンの代りにカバロ(cavalo)、ジャックの代りにファンテ(fante)があります。のことをアッソ(asso)、のことをトレ(tre)と呼びます。

カード

 このゲームは点数のあるカードを取ることを目的とするトリックテイキングゲームです。各スートのカードの強さのランクと点数は次のとおりです。

ランク
点数111043200000

ディール

 最初のディーラー任意の方法で選びます。次回からは反時計回りに交代します。

 ディーラーは反時計回りに、まず3枚ずつまとめて配り、次に2枚ずつ配ります。次のカードは表向きにして切札表示カードとします。

 次にまた3枚ずつまとめて配りますが、ディーラーには2枚しか配りません。最後に2枚ずつまとめて配って終わりになります。

 切札表示カードはディーラーの手札となりますが、プレイが始まるまではそのままテーブルに表向きに置いておきます。

プレイ

 ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードをして、トリックテイキングゲームを行います。プレイは反時計回りに行います。

 切札は切札表示カードのスートです。フォローの規則の規則はブリッジやホイストと同じで、次のようになります:

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのスートを出さなければなりません。
  2. なければ、どのカードを出してもかまいません。
  3. 切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ち、トリックを取ります。
  4. 切札が出ているた場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。
  5. 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。

 取ったトリックに含まれるカードの点数の合計がそのチームの得点になります。さらに、最後のトリックを取ると10点もらえます。

 1ディールの両チームの得点の合計は130点となります。

 ブリスコラなどと異なり、パートナーどうしのシグナルを身振りなどで行うことは禁止されています。

ゲーム

 10ディール行って、累計得点が777点に達していたチームがあれば、そのチームの勝利でゲームは終わります。

 どちらも777点未満の場合には、プレイを続けます。ディールの途中でも、トリックに勝ったときに、勝ったプレイヤーは777点に達していると思ったらそう宣言することができます。

 その宣言が正しければそのチームの勝ちです。数えてみて777点に達していなければ、相手チームの勝ちになります。

カポット(Cappotto)

 1つのチームが1つのディールの10トリック全部を取ることをカポットと呼びます。

 カポットがあるとそのチームの勝利で直ちにゲームが終わります。


作戦

 Axxxやxxで最初のリードにを出すことがある。パートナーはxxならばを出す(2順目でラフされる可能性が高いから)。xならば2順目も取ることを狙ってxを出す。

 パートナーが切札狩のあとをリードしてきたとき、パートナーは、Cxかxのならば、xを出してパートナーがこのスートを出すように促す。このような場合、高いカードを出すことはノンカモンシグナル、低いカードを出すことがカモンシグナルになる。

[スカルト・ディ・キアマタ(Scarto di Chiamata=勇気づける捨札=捨札によるカモンシグナル)]

 最初下のランクの数札を捨札し、次に同じスートのそれより上を捨札すると、そのスートをリードしてほしいというシグナルになる。

[スカルト・ディ・リフィウタ(Scarto di Rifiuta=勇気をくじく捨札=捨札によるノンカモンシグナル)]

 絵札()かをまず捨札し、次に同じスートのもっと下のカードを出すと、そのスートをリードしてほしくないというシグナルになる

[アラ・フルラナ(alla furlana=シングルトンリード)]

 強いハンドではなく、3-3-3-1か4-3-2-1のディストリビューションならば、シングルトンをリードして、後でそのスートをラフすることを狙う。

[スラム狙い]

 カポットを狙えるような強い手の場合は、次のようにする。
  1. 切札狩りをする
  2. 切札を狩りあげても最後まで切札を出し続け、パートナーのシグナルを見る。
  3. 勝てるカードをキャッシュしたあと、パートナーのシグナルどおりのスートをリードする。

[ボイド、、弱い切札のある平均的な手]

 まずを出して、次に同じスートの弱いカードを出す。あとでラフすることを狙う。

 3Kxや3Qxからでは、をリード。

 A3A3xを持っていて2番目か3番目にプレイする場合、を出して、パートナーにも持っていることを知らせる。しかし、A3xxの場合は、2順目にラフされる可能性が高いのでを出す。

[フィネス]

 低いカードのリードで、Cまたはxを持っていて、3番目か4番目の位置ならば、3をフィネスして、Cまたはxをプレイ。

 xを持っていて、2番目にプレイするなら、xをプレイする。3番目ならば4番目のプレイヤーがを持っていないことを期待してをプレイすることもできる。

 3Kを持っていて、そのスートがリードされた場合、必ずを出す。

問題

 スペードが切札として、次の手札で、最初のリードにどのカードを出しますか。(xは以外の数札)

  1. SQJx  Hxx  Dx   C:xx
  2. SKJx  H:xxx  D    Cxx
  3. SAKxx Hx   DAJx  C:x
  4. Sx   HA3x  D3Qx  C
  5. S:xx   Hx   Dxxx C
  6. S:xx   H:xx   DQJx  C3K
  7. S:xxxx H    Dx   C3Q
  8. SA3Qx H    Dxx  CAK

答え

  1. Hをリード。次にHxを出す。
  2. D(アラ・フルラナ=シングルトンリード)
  3. S。次にS
  4. H。次にH
  5. D。次にDx。
  6. C。次にDD
  7. H
  8. S。次にS。次にS。パートナーのシグナルを見る。