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メイト(Mate)

1997/4/30 赤桐

 メイトはSid Sackson氏が"A Gamut of Games"という本で紹介しているゲームです。それによれば、1915年にドイツのハノーバーでG.Capellen氏が出版した"Zwei neu Kriegspiele!"という本に載っているゲームだということです。

 2人ゲームで全部のカードを配りきるので、相手のカードの内容もわかっているゲームです。トリックテイキングゲームに似ていますが、すこし違います。

 ゲームで使われる用語は、チェスのプロブレム(詰め将棋)で使われるものが用いられています。たしかに、詰め将棋に似た雰囲気のあるゲームです。


人数

 2人

カード

 各スート10の20枚のカード

ディール

 ディーラーは、5枚ずつ2回カードを配ります。各プレイヤーの手札は10枚になります。

プレイ

 まず、ディーラーが手札の中から1枚のカードを出します。もう1人のプレイヤーは、それと同じスートのカードを持っていれば、そのスートのカードの中から1枚を出します。同じスートのカードがなければ、その場合に限り、同じランクのカードを出します。それもできない場合には、直ちに負けになります。

 次回からは、前回強いカードを出した方のプレイヤーが先にカードを出して、同じようにプレイを続けます。もちろん度出したカードは、もう使えません。

 カードの強さは、強いものから順に、10です。同じランクならば、クラブが最も強く、以下スペード、ハート、ダイアモンドの順になります。

 どちらかのプレイヤーが、先に出されたカードと同じスートかランクのカードを出すことができなくなると、そのプレイヤーの負けでプレイが終わります。この状態をメイトと呼びます。(メイトとはチェスの用語で、将棋で言う「詰み」のことです。)

 もし、全カードをプレイしてもどちらもメイトにならなければ、引き分けになります。

 なお、プレイで出したカードは、自分の前に表向きのまま置きます。

得点

 得点は、何回目のムーブでメイトになったかということと、メイトしたカード(勝ったプレイヤーが最後に出したカード)の点数で決まります。

 ムーブとは、各プレイヤーが1枚ずつ出す1回のプレイの事です(最後のムーブだけは、1人が1枚出して終わります)。ムーブというのは、チェスのプロブレムで両プレイヤーが1手ずつ差すのを1ムーブと呼ぶことからきています。

 カードの点数は次の通りです。

11点
1010点
4点
3点
7点

 得点は、メイトしたムーブ数に、メイトしたカードの点数を掛けたものです。

 例えば、5ムーブ目のプレイでメイトになり、その時に出したカードがならば、5 x 4 = 20点です。

 できるだけ遅いムーブで、高い点数のカードでメイトにするほど、得点が高くなります。

ラウンドとゲーム(マッチ)

 上記のプレイの終了後、ディーラーともう1人のプレイヤーは、それぞれが使ったカードを手札に戻して、その手札を交換します。それから、今度はノンディーラー(ディーラーをしなかったほうのプレイヤー)が最初にカードを出して、もう度プレイを行います。

 このような2度のプレイが1ラウンドとなります。

 2ラウンド行うと、1ゲーム(マッチ)となります。得点の多い方が勝者です。

フォアプレイシングとオーバーメイト

 プレイヤーは、プレイの始まる前に、手札のうちの1枚を裏向きに脇に置き、プレイに使用しないようにすることができます。これを、フォアプレイシングと呼びます。

 フォアプレイシングで勝つと、1ムーブ分の得点が余分にもらえます。例えば、3ムーブ目でメイトすると、4ムーブでメイトしたのと同じ得点がもらえるわけです。

 なお、フォアプレイシングをすると手札は9枚になるので、10ムーブ目には、9ムーブ目に使ったカードを再び使用します。

 フォアプレイシングをして、10ムーブ目で勝つと、得点は倍になります。これをオーバーメイトと呼びます。

 例えば、最後にを出してオーバーメイトすれば、11ムーブ x 11点 = 121点になるわけです(10ムーブ目ですが、フォアプレイシングなので11ムーブで計算します)。


バリエーション

ダブルデッキ・メイト

 2組のカードから、次のカードを抜き出して使用します。

 プレイのときに、同一のカードが出された場合には、先に出した方が強いことになります。

キングの特権

 キングが先に出されたときには、同じスートのカードを持っていても、他のキングを持っていればキングを出さなければならないというルールです。キングがなければ、同じスートのカードを出すことができます。

フリームーブ

 先に出されたカードと同じスートのカードを持っていても、同じランクのカードを出してもよいというルールです。