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ミル(Mille)

2010/8/7 赤桐裕二

 2人用のラミーゲームです。カナダのゲームで、モントリオールで生まれて199年代にトロントで盛んになったということです。

 ルールはPagat.comおよび英文Wikipediaによります。


人数

 2人

カード

 通常の52枚のトランプを2組混ぜて使います。ジョーカーは使いません。

ディール

 最初のディーラー任意のやり方で決めます。次回からは、ディーラーは毎回交代します。

 ディーラーは1枚ずつ15枚のカードを各プレイヤーに配ります。残りのカードは山札(Draw Pile)となります。ただし、その一番上のカードだけは、表にして山札の横に置きます。これが最初の捨て札(Discard)となります。

 捨て札をするときには、この捨て札の上にどんどん重ねていきます。これを捨て札の山(Discard Pile)といいます。捨て札の山では、一番上以外のカードは見えないように重ねなければなりません。一番上より下の捨て札をプレイ中に見ることは禁止されます。

プレイ

 ディーラーでないプレイヤーから交替にプレイを行います。各プレイヤーは、自分の番の時に、次のようなプレイを行います。

 .山札の一番上のカード1枚を取ります(ドロー)。または捨て札の山の全部を手に取ります(これには後述する条件があります)。

 .レイ・ダウンやレイ・ダウンへの付け加えを行います。これはしなくてもかまいません。

 .手札から1枚のカードを、捨て札の山の上に表向きに捨てます。

レイ・ダウン

 手札に同じランクのカードが3枚以上あればセット(Set)になり、それをテーブルの前に表向きに出すことができます。例えば--とか、-Q-Q-Qとかです。これをレイ・ダウン(Laying Down, Melding)と呼びます。同じスートのカード(同ランク同スートのカード)を2枚以上含めてもかまいません。

 はワイルドカードなので、他のどのカードの代わりにでも使うことができます。例えば、--K----などというセットを作ることができます。

 はワイルドカードとしてではなく、のランクとしてレイ・ダウンすることもできます。--というようなセットが可能です。

 自分がレイ・ダウンしたカードに、カードを付け加えること(付け札、レイ・オフ)もできます。もちろん、同じランクのカードかワイルドカードしか付け加えることはできません。相手がレイ・ダウンしたカードには付け加えることはできません。

 2のランクとしてレイ・ダウンしているときに、それに他のランクのカードを付け加えて、をワイルドカードとして使うようにすることはできません(注参照)。

 レイ・ダウンしたカードを、手札に戻したり、他のセットに移すことはできません。

捨て札の山を取る

 捨て札の一番上のカードと同じランクのカード(ワイルドカードでないもの)を2枚以上手札に持っていた場合だけ、捨て札の山を取ることができます。捨て札の山の一番上のカードだけでなく、必ず、捨て札の山全部を取らなければなりません。

 この場合、捨て札の一番上のカードと手札の同ランクのカードを使って、少なくとも3枚のセットを作り、レイ・ダウンしなければなりません。

 捨て札の一番上のカードがだった場合には、手札にが2枚以上あれば、をワイルドカードとしないセットを作るようにすれば、捨て札の山を取ることができます。

 捨て札を取るために、既に作ってあるレイ・ダウンと同じランクのレイ・ダウンを作ることは可能ですが、作った直後に1つのレイ・ダウンとしてまとめなくてはなりません。

 例外として、最初の捨て札(最初にディーラーが置いた捨て札)がであったら、最初のプレイヤーはこれを無条件で取ることができます。このとき、山札から1枚取ったのと同じようにプレイします。レイ・ダウンする必要はありません。

プレイの終わり(上がり)

 どちらかのプレイヤーの手札が全部なくなったら、プレイ終了になります。レイ・ダウンやレイ・ダウンへの付け加えによってなくなっても、捨て札によってなくなっても、どちらでもかまいません。

 もし最後の山札を取ったプレイヤーの番でもプレイが終わらなければ、次のプレイヤーのプレイの前に、一番上のカードを除く捨て札の山全部をシャッフルして、山札とします。

得点

カードの点数

 それぞれのカードは次の点数を持ちます

SQ(スペードのクイーン)100点
DJ(ダイアモンドのジャック)50点
(ワイルドカードとして使ったときも、そうでないときも)各20点
A各15点
上記以外の10JQK 各10点
それ以外(各5点

基本得点

 プレイが終わったら、各プレイヤーは、レイ・ダウンしたカードの点数をすべて合計し、手札にあるカードの点数も合計します。

 レイ・ダウンしたカードの合計点数から、手札のカードの合計点数を引いたものが、そのディールの得点となります。

 ただし、ワイルドカードを1枚も使わないセットで、枚数が8枚のものがあれば、それはナチュラル(Natural)になり、それに含まれているカードの点数は2倍として計算されます。をワイルドでなく使った場合、つまりが8枚のセットも、ナチュラルになります。ゲーム点の算出のときに使用するために、ナチュラルなセット1つにつき1つのアスタリスク(*)を得点の前につけます。

 また、を1枚もワイルドカードとして使用しないで、上がって(手札を残さなないで)プレイを終えた場合も、ナチュラルと呼ばれます。この場合は、上記で求めた得点をすべて2倍とします。この場合も、アスタリスクを得点の前に付け加えます。

 得点がマイナスになった場合、シャッポ(Chapeau帽子)またはシャンプー(Shampoo)と呼ばれます。ゲーム点算出のときに使用するために、得点を丸で囲みます。

ゲーム 

 得点の累計が1200点に達したプレイヤーがいたら、ゲーム終了です。大きい点数のプレイヤーが勝者になります。同点の場合は、同点でなくなるまでゲームを続けます(注参照)。次のようにゲーム点を計算します:

  1. 勝者に3ゲーム点が与えられます。
  2. 各プレイヤーは得点を10の位を四捨五入します。たとえば、561点なら、600点。1249点なら1200点というようにです。この2人の点数を引き算して、それを100で割ったものが、勝者にゲーム点として与えられます。
  3. 敗者の四捨五入前の点数が0点以上600点未満だった場合は、2のゲーム点(点数の差によるゲーム点)は2倍にされます。敗者の四捨五入前の点数がマイナスだった場合は、このゲーム点は3倍にされます。
  4. さらに、勝者の持っているアスタリスク1つにつき3ゲーム点が勝者に与えられます。また、敗者の持っているシャッポ(丸で囲ったマイナスの得点)1つにつき3ゲーム点が勝者に与えられます。

 勝者のシャッポや敗者のアスタリスクはゲーム点の対象にはなりません。


  2のランクとしてレイ・ダウンしているときに、それに他のランクのカードを付け加えて、をワイルドカードとして使うようにすることができるかどうかについては、参照したルールには何も書かれていませんでした。本文の記述は筆者の推測です。

 累計得点が1200点に達した時に、両プレイヤーが同点だった時のルールも記述されていなかったので、推測で記述しています。