2001/6/7 赤桐
2009/1/11改訂
現在日本でプレイされているトランプゲームの中では最もポピュラーなものの1つでしょう。面白く遊べるゲームです。
トリックテイキングゲームですが、欧米のもの比べると変わったところがあります。珍しく5人プレイがベストだというゲームです。
プレイするグループによってルールの違いがきわめて多くあります。ここで紹介するものはルールの一例に過ぎませんが、できるだけシンプルなものを紹介します。
4人〜7人位。5人がベスト。
通常の52枚のトランプにジョーカーを1枚加えます。
カードの強さは次のとおりです。
各スートのA、K、Q、J、10を絵札と呼びます。絵札は全部で20枚 あります。絵札を出来るだけたくさん取ることがプレイの目的になります。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。
プレイヤーが4人の場合は、各プレイヤーに1枚ずつ12枚配り、 残り5枚はテーブル中央に裏返しにおきます。これをウィドーと呼びます。
5人の場合は10枚ずつ配りウィドーは3枚、6人の場合は8枚ずつ配りウィドーは5枚、7人の場合は7枚ずつ配りウィドーは4枚となります。
ディールが 終わると、誰が「ナポレオン」になるかを決めるために、ビッドを行います。
各プレイヤーは自分の手札を見て、切札をどのスートにすれば、20枚の絵札(各スートのA,K,Q,J,10) のうち何枚取れるかを予測してビッドします。(自分と自分が指名したパートナーの2人で何枚取れるかという予測です)。
ビッドはディーラーの左隣から時計回りに1人ずつ行います。ビッドは切札のスートと予測した枚数を宣言します。例えば「スペードで12枚」という ようにです。次のプレイヤーからはそれよりも強いビッドしか行えません。強いビッドとは枚数の多いビッドです。あるいは同じ枚数でも強いスートならば言っ てもかまいません。スートの強さは強い順に、スペード、ハート、ダイアモンド、クラブです。
ビッドしたくないときにはパスを宣言します。一度パスをしても再びビッドに参加することもできます。ただし、ビッドしたあとに他のプレイヤー全員 が続けてパスをすると、ビッドは終了します。
最後にビッドしたプレイヤーがナポレオンになります。
なお、誰もビッドしなかった場合には流れとなり、次のディーラー(今のディーラーの左隣のプレイヤー)がディールをやり直します。
ナポレオンはカードを1枚指定して、それをもっているプレイヤーを副官に指定します。例えば「Aを副官に指定します」というように言います。この場合Aを持っているプレイヤーが副官になります。 指定するのはどのカードでもかまいません。
副官に指定されたプレイヤーは、そのカードをプレイするまで、自分が副官であることを公表することは禁じられます。
もし副官指定のカードがナポレオンの手札やウィドーのカードのなかにあったら、ナポレオンは副官なしでプレイすることになります。
ナポレオンはウィドーのカード(配り残りのカード)を手札に加えて、同じ枚数だけのカードを裏向きに捨て札します。
絵札を捨て札することもできますが、捨て札する絵札は表向きにして公表しなくてはなりません。捨て札された絵札は相手チームのものになります。
ナポレオンが最初のリードを行います。プレイは時計回りの順に行います。
基本的には、通常のトリックテイキングゲームのルールに従ってプレイします。つ まり:
なお、Aや裏ジャックは強い カードですが切札のスートに属するわけではありません。本来のマークのスートに属します。
トリックに勝つプレイヤーは次のとおりです:
次のような例外的なルールがあります:
プレイされたカードがすべて同じスートだった場合には2が最も強いカードになります。ただし、A、正ジャック、裏ジャックのいずれかが出ていた場合には、それらの カードには負けます。ジョーカーがプレイされるとセイムツーにはなりません。
最初のトリックだけはセイムツーのルールが適用されません。
フォローの場合(他のプレイヤーがリードしたときに使う場合)、リードしたスートに関係なく、いつでも使うことができます。しかし最も弱いカード となります。
リードの場合は切札請求となります。つまり他のプレイヤーは切札を持っていれば出さなければなりません。この場合ジョーカーが最も強いカードとな ります。ただし、Aを 出したプレイヤーがいたら、そのプレイヤーの勝ちになります(切札請求のときにAを出すことができるのは、スペードが切札のときか切札を持っていないときだけです)。
最初のリードをジョーカーで行うことはできません。
Aと同じトリックでQがプレイされたとき、Qが最も強いカー
ドになるというルールです。これをよろめきと呼びます。最近よく採用されていますが、オプションルールとしておきます。
プレイが終わって、ナポレオンと副官の取った絵札をあわせて、ビッドした枚数かそれ以上の枚数ならばこの2人のプレイヤーは勝ちになり、他のプレ イヤーは負けになります。ビッドした枚数の絵札を取れない場合にはナポレオンと副官の負けになり、他のプレイヤーの勝ちとなります。
何回かディールを行った場合、勝ち数の最も多いプレイヤーがゲームの勝者となります。
よろめきの代わりに、AがAと同じトリックでプレイされたときにAが
最強になるというルールもあります。あるいは同じトリックでAのあとにAがプレイされたときだけ最強になるというルールもあります。
Qが正ジャックと同じトリックでプレイされ たときに、正ジャックに勝つというルールもあります。
セイムツーの強さは、最強の場合や、Aの 次の場合や、正ジャックの次の場合もあります。
ジョーカーが混じっていてもセイムツーになるというルールもあります。
ジョーカーをリードしたときの強さは次のようになることもあります。
ジョーカーをリードしたとき、切札がなければ、絵札を請求するというルールもあります。
3をリードするとジョーカー請求になること があります。あるいはA請求になるこ ともあります。
ビッドできる最低の枚数を決めることがあります。10枚、11枚、12枚、13枚、14枚などいろいろの枚数があります。
第1巡目に、リードでなくてもジョーカーを出すことができないというルールもあります。さらに切札も出すことができないというルールもあります。 逆にジョーカーリードを含めて全く制限のないこともあります。
第1巡目には、A、正ジャッ ク、裏ジャックのうち全部または一部(正ジャック、裏ジャックだけ)が普通のAやJの強さになるというルールもあります。
第1巡目でもセイムツーが有効になることもあります。
裏ジャックはジョーカーと同じようにいつでもプレイできるというルールもあります。
裏ジャックはプレイのとき切札のスートに属するというルールもあります。さらに、Aも切札のスートに属するというルールもあります。
ビッドの時に一度パスをしたら再度ビッドすることはできないというやりかたもあります。
順番に関係なくビッドできるというやりかたもあります。
誰もビッドしなかった場合に、ウィドーを表向きにしてから、ビッドをやりなおすというやりかたもあります。あるいは、前回のナポレオン(別のルー ルでは副官)が全員パスのあとに何かをビッドしなければならないというルールもあります。
ナポレオンがビッドしないで絵札を全部取ったら負けになるルールやボーナス点が出るルールがあります。ビッドのときのスートの強さは、(強)ダイアモンド、スペード、ハート、クラブ(弱)や、(強)スペード、ハート、クラブ、ダイアモンド(弱)な どになることもあります。
ノートランプのビッドがあることがあります。ノートランプとは切札なしでプレイすることです。ビッドの時の強さとしては他のスートより強く(最強 に)なります。(最弱になるというルールもあります)。
単に勝ち負けを決めるだけでなく、副官の有無などの状態に応じて得点を決めることもあります。