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ナポレタニッシュ(Napoletanisch)

2015/12/5 赤桐

由緒は不明ですが、タロットカードを使用するカシノ系のゲーム(フィッシングゲーム)です。

Michael Dummett氏とJohn McLeod氏による"A History of Games Played with the Tarot Pack"によります。著者の1人が1980年にウィーンで教わったゲームだということです。


プレイヤー

2人~4人。個人でプレイします(パートナーにはなりません)。

カード

54枚のオーストリアパックのカードを使用します。78枚のタロットカードから54枚だけを使用することもできます。 スペード、クラブ、ダイヤモント、ハートの4つのスートがあり、 各スートには8枚のカードがあります。 それ以外にタロックと呼ばれる切札のスートが22枚あります。

黒のスート(スペードとクラブ)のカードは次の通りです(のカードは使用しません)。

  キングクイーンカバロジャック10987

赤のスート(ハート、ダイアモント)のカードは次の通りです(10のカードは使用しません):

  キングクイーンカバロジャック1234

残りの22枚のカードをタロックと呼びます。 何も数字の書いていない(または0が書かれている)のがスキュース(Sküs=愚者)で、 それ以外は1から21までのローマ数字(またはアラビア数字)が書かれています。

 

 

カードを取るときの点数

 プレイでカードを取るときには、次の点数を使用します。この点数は、得点とは別のものです。

 キング 5
 クイーン 4
 カバロ 3
 ジャック 2
 黒のスートの10 その数字の点数(7~10)
 赤のスートの その数字の点数(1~4)
 タロックの21 その数字の点数(1~21)
 スキュース(愚者) 22

ディール

最初のディーラー任意の方法で決めます。次回からは、反時計回りの順番に交代します。

ディーラーはまずテーブル中央に6枚のカードを表向きに配ります。これが場札となります。場札の置かれているところを、と呼ぶことにします。

次に各プレイヤーに6枚ずつのカードを配ります。これが手札となります。残りのカードは裏向きにテーブルに置かれ、山札となります。。

プレイ

プレイは、ディーラーの右隣のプレイヤーから反時計回りに1人ずつ行います。

プレイは、手札から1枚のカードを場に置くことで行われます。

うまくプレイできれば、場札を取ることができます。この場合、プレイしたカードと取った場札をまとめて、プレイヤーの近くに裏向けに置きます。これらを取ったカードと呼ぶことにします。取ったカードはこれ以降プレイには使用しません。

プレイしても場札を取ることができない場合には、プレイしたカードはそのまま場に置かれて場札になります。これを捨て札(する)と呼ぶことにします。

場札の取るときには、前記のカードを取るときの点数を使います。カードは次の場合に取ることができます。

取ることができるカードが幾通りもあるときは、1つの組み合わせ(または1枚)のカードだけを取ることができます。

ただし、取るときには、次の制限があります。

  1. タロックでない数字のカード(スペード・クラブの10とハート・ダイアモンドの)は、タロックでない数字のカード1枚か、すべてタロックでない数字のカードの組み合わせしか取ることができません。
  2. 絵札(スペード・クラブ・ハート・ダイアモンドのキング、クイーン、カバロ、ジャック)は、タロックでないカード(絵札やタロックでない数字のカード)1枚か、すべてタロックでないのカードの組み合わせしか取ることができません。
  3. タロックは、点数があっていれば、どのカードでも取ることができます。

各プレイヤーは、プレイの後にすぐ、山札の最も上から1枚のカードを取り、手札に加えます。ただし、山札がなくなれば、これは行いません。全員の手札がなくなったらプレイ終了です。残った場札は、最後に場札を取ったプレイヤーのものになります。

得点

各カードには、得点のための次の点数があります。プレイが終わったら、各プレイヤーは自分の取ったカードの得点用の点数を合計します。

 スキュース(愚者)

4⅓点

 タロック21(モント)

4⅓点

 タロック1(パガット)

4⅓点

 各キング

4⅓点

 各クイーン

3⅓点

 各カバロ

2⅓点

 各ジャック

1⅓点

 上記以外のカード

⅓点

合計後1点未満の端数は切り捨てます。


2015年12月5日に、なかよし村でプレイしました。カードの点数が普通のフィッシングゲームとはかけ離れていて奇妙ですが、作戦をいろいろ考えさせられる面白いゲームです。