2001/6/7 赤桐
楽しく遊べる軽いギャンブリングゲームです。ストップ系のゲームとしては英米で最も盛んなゲームです。ルールはとても簡単です。
ニューマーケットというのは英国での呼び名ですが、米国ではミシガン(Michigan)と呼ばれます。他に、Stops、Boodle、Chicago、Salatogaなどと呼ばれることもあります。
細かい点は色々なルールがあるのですが、まず、私が好きなルールを紹介します。英国の本に載っているもののなかで標準的なルールだと思います。
3人〜8人(4人、5人が最適か)。
通常の52枚のカードを使います。
カードのランクは、
(低)2、3、4、5、6、7、8、9、J、Q、K、A(高) です。
この52枚のカードとは別のカードの組から、異なったスートのA、K、Q、Jを抜き出して、テーブルに表向きに置きます。これを「表示カード」と呼ぶことにします(英語ではLuxuries, Boodle, Money Cardsなどと呼ばれます)。
一例です:
表示カードが用意できないときには、紙などにこの4枚のカードを描いてもかまいません。
ゲームの前に、各プレイヤーに同数のポーカーチップ(またはその代わりになるもの、例えばマッチの棒)を配っておきます。
各ディールが始まる前に、各プレイヤーはそれぞれの表示カードの上にチップを1枚ずつ置きます。
プレイの目的は、自分の手札を早くなくすことです。
また、表示カードと同じカードをプレイすると、そこに載っているチップがもらえます。
最初のディーラーは任意に決めます。次からは、時計回りに交代します。
ディーラーは、左隣のプレイヤーから時計回りに1枚ずつカードを配り、すべてのカードを配ってしまいます。
ただし、配るときに、ディーラーとその左隣のプレイヤーの間に、もう1人のプレイヤーがいるように考えて、そこにもカードを配ります。(ここに配られたカードを「ダミーハンド」と呼ぶことにします。)
なお、プレイヤーの手札の枚数が同じにならないこともありますが、かまいません。
まず、ディーラーの左隣のプレイヤーが手札から1枚をテーブルに出します。
このとき、どのスートを選んでもかまわないのですが、選んだスートの最もランクの低いカードしか出すことができません。
例えば、手札が2、J、Q、6、A、4だとすると、出せるカードは、2か6か4です。
次にプレイするプレイヤーは、席順とは関係ありません。出されているカードと同じスートで、それよりも1つランクの高いカードを持っているプレイヤーが、そのカードをテーブルに出します。
例えば、最初に6がプレイされたとすると、7を持っているプレイヤーが次にそれを出すことになります。
同様にして、同じスートで1つ上のランクのカードを順にプレイしていきます。同じプレイヤーが続けてプレイしてもかまいません。また、出せるカードがあれば、必ず出さなければいけません。
Aを誰かがプレイするか、誰も同じスートで1つ上のランクのカードを持っていないときに、プレイは中断します。これを「ストップ」の状態と呼びます。
このあと、最後にプレイしたプレイヤーが手札から1枚のカードを出して、プレイが再開されます。出すことのできるカードは、一番最初のときと同じように、どのスートでもかまいませんが、選んだスートの最もランクの低いカードだけです。
なお、プレイの時に出されたカードは1つの山にしておきます。下になっているカードは見ることができません。
プレイで出したカードが表示カードの1枚と同じカード(同スートで同ランク)であった場合、そのカードに置かれているチップをもらうことができます。
プレイしていくうちに誰かが手札を全部出してしまったら、そのプレイヤーの上がり(勝利)でプレイ終了となります。
上がったプレイヤーは、他の各プレイヤーから、そのプレイヤーの手札の枚数と同じ枚数のチップを受け取ります。
表示カードに置いたチップが残っている場合がありますが、これは次回のディールに持ち越されます。(次回もここに参加料を置くので、そのカードのチップは多くなります。)
いつゲームが終了するかは、あまり決まった規則はありません。いつどのように終わるかは始める前に相談して決めてください。
ゲームが終わったときに表示カードに残っているチップは、プレイヤー全員で分けます。
表示カードは、例えば、A、K、Q、Jなどと、決められたカードのように書かれている本もありますが、実際には、異なったスートのA、K、Q、Jであれば良いようです。
表示カードに置くチップの数が、ディーラーだけは2枚ずつだというルールもあります。
また、各表示カードに1枚ずつ置くのではなく、4枚(その他決められた枚数)のチップを、どの表示カードに何枚ずつ置いてもよいというルールもあります。
カードをディールするとき、本文ではダミーハンドは1巡の最後に配ることになりますが、米国では、最初にダミーハンドから配るようです。
カードのディールのとき、各プレイヤーのカードの枚数が同じになるように配るやりかたもあります。余ったカードはダミーハンドのものになります。
米国の本によく書かれているルールですが、ディーラーは、配られた手札を見た後で、自分の手札とダミーハンドを交換することができるというルールもあります。交換しない場合には、最も高い値段をつけたプレイヤーにダミーハンドを売ることができます(もちろんポーカーチップでです)。
プレイがストップの状態になったあとに出すカードは、どのスートでもよいのではなくて、直前にプレイされていたスート以外のスートのカードでなければならないというルールもよく採用されます。
そのプレイヤーが、直前にプレイされていたスートのカードしか持っていない場合には、次の2つのルールがあります。
上がったときに、各プレイヤーから手札の枚数だけのチップをもらうのではなく、プレイヤー1人につき1枚ずつチップをもらうやりかたもあるようです。
David Parlett氏が記述しているルールも紹介します。ロンドンの南部で1990年代に実際に行われているルールだということです。
かなり異なった点のあるルールなので、1回目に紹介したルールとの違いではなく、最初から記述しておきます。
3人〜8人(4人が最適)。
プレイでは、通常の52枚のカードから各スートのキングを抜き出した48枚のカードを使用します。
4枚のキングは、別々に表向きにテーブルに置かれます。
カードのランクは、
(低)A、2、3、4、5、6、7、8、9、J、Q(高) です。
ゲームの前に、各プレイヤーに同数のポーカーチップ(またはその代わりになるもの、例えば、マッチの棒)を配っておきます。
各ディールが始まる前に、各プレイヤーは、それぞれのキングの上に、チップを決められた枚数ずつ(例えば1枚ずつ)置きます。
それとは別に、決められた枚数(例えば1枚)のチップを、別の場所に置きます。これを、プールと呼ぶことにします。
プレイの目的は、自分の手札を早くなくすことです。
また、クイーンををプレイすると、同じスートのキングに載っているチップがもらえます。
最初のディーラーは任意に決めます。次からは、時計回りに交代します。
ディーラーは、左隣のプレイヤーから時計回りに1枚ずつカードを配り、すべてのカードを配ってしまいます。
ただし、配るときに、ディーラーとその左隣のプレイヤーの間に、もう1人のプレイヤーがいるように考えて、そこにもカードを配ります。(ここに配られたカードを「デッドカード」と呼ぶことにします。)
なお、プレイヤーの手札の枚数が同じにならないこともありますが、かまいません。
ディーラーは、配られた手札を見た後で、自分の手札とデッドカードを交換することができます。
ディーラーが交換したくなけれれば、交換する権利は左隣に移っていきます。誰かが交換を行えば、他のプレイヤーは交換できません。
ディーラー以外が交換を行った場合は、そのプレイヤーは、プレイ前にプールに支払う参加料と同じだけのチップを、さらにプールに支払わなければなりません。
ダイアモンドの最もランクの低いカードを持っているプレイヤーが、最初のプレイを行います。Aを持っているプレイヤーがいれば、そのプレイヤーが最初のプレイをするわけですが、いなければ、2を持っているプレイヤーなどというようになるわけです。
プレイは、手札から1枚のカードを出すことです。
このとき、どのスートを選んでもかまわないのですが、選んだスートの最もランクの低いカードしか出すことができません。
例えば、手札が2、J、Q、A、6、4だとすると、出せるカードは、2かAか4です。
次にプレイするプレイヤーは、席順とは関係ありません。出されているカードと同じスートで、それよりも1つランクの高いカードを持っているプレイヤーが、そのカードをテーブルに出します。
例えば、最初にAがプレイされたとすると、2を持っているプレイヤーが次にそれを出すことになります。
同様にして、同じスートで1つ上のランクのカードを順にプレイしていきます。同じプレイヤーが続けてプレイしてもかまいません。また、出せるカードがあれば、必ず出さなければいけません。
クイーンを誰かがプレイするか、誰も同じスートで1つ上のランクのカードを持っていないときに、プレイは中断します。これを「ストップ」の状態と呼びます。
このあと、最後にプレイしたプレイヤーが手札から1枚のカードを出して、プレイが再開されます。
このとき、出すことのできるカードは、直前にプレイされていたカードと違った色のスートのカードだけです。また、そのスートの最もランクの低いカードでなければなりません。
例えば、クイーンがプレイされてストップの状態になったら、そのカードをプレイしたプレイヤーが、次に、スペードまたはクラブで、最もランクの低いカードをプレイすることになります。
もし、違った色のスートを持っていなければ、左隣のプレイヤーが同じ制約のもとでプレイを行います。もし、そのプレイヤーも違った色のスートを持っていなければ、またその左隣にプレイの権利が移っていきます。
誰も違った色のスートを持っていなくて、プレイできなければ、プレイ終了をなります。
なお、プレイの時に出されたカードは、1つの山にしておきます。下になっているカードは見ることができません。
プレイでクイーンを出した場合、同じスートのキングのところに置かれているチップを全部もらうことができます。
そのキングは裏返しにされます。
プレイしていくうちに誰かが手札を全部出してしまったら、そのプレイヤーの上がり(勝利)でプレイ終了となります。
上がったプレイヤーは、プールにあるチップを全部もらうことができます。
また、ストップの状態のあと、誰も違った色のカードを出すことができない場合も、プレイの終了となりますが、この場合、プールのチップは次回に持ち越しとなります。
次のディールの参加料は、裏返しになっていないキングと、プールに支払います。
表向きのキングの上のチップは、前回のものが持ち越された上に、さらに新しい参加料が払われることになります。また、プールのチップが持ち越されている場合も、それに追加して新しい参加料が払われます。
裏返しになっているキングはずっとそのままです。
プレイでクイーンをプレイしても、そのスートのキングが裏返しになっていれば、チップをもらうことはありません。
プレイの開始前に表向きのキングが1枚しか残っていない場合には、通常の交換のルールは適用されず、次のルールが適用されます:
表向きのキングと同じスートのクイーンを持っているプレイヤーは、他のプレイヤーに対して「ジャックを埋めてください」と宣言しなければなりません。そうすると、同じスートのジャックを持っているプレイヤーは、自分の手札とデッドカードを交換しなくてはなりません。
もし、クイーンを持っているプレイヤーが、ジャックも同時に持っていれば、ジャックを埋める代わりに、「10を埋める」と宣言しなければなりません。もしも、10も同じプレイヤーが持っていれば、「9を埋める」というようになります。
たとえば、表向きのキングと同じスートの、Q、J、10、9を持っていて、8を持っていなければ、「8を埋める」と言うことになるわけです。このスートの8を持っているプレイヤーは、手札とデッドカードを交換します。
埋めると宣言されたジャック(やその他のカード)を誰も持っていなければ、交換は行われません。
また、表向きのキングと同じスートのクイーンを誰も持っていないときには、何も行われません。
プレイ中に、最後の表向きのキングに載っているチップを誰かが取ったら、そのディールのプレイが終了するでけでなく、ゲームが終了します。
そのプレイヤーは、プールのチップももらうことができます。