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オープンフェイス・チャイニーズ・ポーカー(Open-face Chinese Poker/OFC)

2016/7/2 赤桐

中国と東南アジアの中国系の人々によってプレイされていたシーサンチャン(チャイニーズポーカー)は、 現在では欧米でも盛んにプレイされていますが、このゲームはこれを基に作られました。

Pagat.comによると、このゲームはロシアとフィンランドで21世紀初頭に作られ、 2012年の初めのパリのAviation Clubでのポーカートーナメントにロシアのプレイヤーが持ち込み、 広まったということです。

以下のルールは主に英語版Wikipediaによります。


プレイヤー

2人~4人

カードとポーカーチップ

普通の52枚のトランプ使います。各プレイヤーには同額のポーカーチップを分配します(カジノではポーカーチップを購入します)。

プレイの目的

このゲームでは、配られたカードから、できるだけ強力な3つのポーカーハンドを作りあげることがプレイの目的となります。

各プレイヤーは配られるカードを次の3つのポーカーハンドに分けます。

  1. フロント(front/top): 3枚
  2. ミドル(middle): 5枚
  3. バック(back/bottom): 5枚

例えば、次のようにハンドを作ります。

[SJ] [HJ] [S8]

[CA] [C8] [C5] [C3] [C2]

[DQ] [SQ] [HQ] [S2] [D2]

この3種類それぞれについて、他のプレイヤーとポーカーハンドとして比較します。フロントは3枚なので、4枚以上を必要とするハンドはできません。 ストレートやフラッシュやストレートフラッシュも認められません。

ミドルはヘッドと同じかもっと強いポーカーハンドでなくてはなりません。バックはミドルと同じかもっと強いポーカーハンドでなくてはなりません。つまり、フロント≦ミドル≦バックとなります。

ディールとプレイ

最初のディーラーは任意の方法で決めます。 ディーラーはディールごとに時計回りに交代します。

カジノなどでは、実際にカードを配るのは従業員になりますが、ディーラーにあたるプレイヤーのところにディーラー・ボタン(buck/dealer button)を置きます。 ディールやプレイの順序において、ディーラー・ボタンの置かれたプレイヤーはディーラーとして扱われます。 ディーラー・ボタンはディールごとに時計回りにプレイヤーの間で移動します。

まず、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに1枚ずつ裏向きに5枚のカードを全員に
配り

ます。 そのあと、ディーラーの左隣のプレイヤーから順に、プレイを行います。

プレイヤーは、配られた5枚のカードを表向きにして、各カードを自由にフロント・ミドル・バックのどれかの場所に置きます。

こうして各プレイヤーが1回ずつプレイを行ったら、次回からは全プレイヤーに1枚ずつ裏向きに配ったあと、 ディーラーの左隣のプレイヤーから順に、プレイを行います。 つまり、配られたカードをフロント・ミドル・バックのどれかの場所に表向きに置きます。

なお、一度置かれたカードを、別のハンドに移すことはできません。

これを、各プレイヤーに合計13枚のカードが配られ、プレイするまで繰り返し、プレイ終了となります。

得点

プレイが終わると、各プレイヤーが他の各プレイヤーと1対1で点数のやりとりを行います。 プレイヤーA、B、C、Dがいた場合には、AとB、AとC、AとD、BとC、BとD、CとDが、それぞれ別々の点数のやりとりを行います。

プレイヤー2人は、フロント・ミドル・バックのそれぞれのハンドを比べて、各ハンドについて弱いポーカーハンドのプレイヤーが1点のポーカーチップを相手に渡します。 全く同じ強さのポーカーハンドなら点数のやりとりはありません。 フロント・ミドル・バックのすべてで勝てば、さらに3点がもらえます。 差し引き計算を行うので、2勝1敗なら1点を、3勝なら6点をもらうことになります。

ただし、ファウルのとき、つまり「ミドルはヘッドと同じかもっと強いポーカーハンドで、バックはミドルと同じかもっと強いポーカーハンドでなくてはならない」というルールに違反しているときには、すべてのハンドで負けになります。 つまり6点の負けになります。 両方のプレイヤーがファウルの時は点数のやりとりはありません。

ロイヤリティー(Royalty)

自分のハンドが以下のようであれば、特別点を他の各プレイヤーからもらうことができます。 これをロイヤリティーと呼びます。 複数に当てはまれば、合計点をもらえます。 ファウルの時にはロリイヤリティーは発生しません。

点数をやり取りする時に、両方のプレイヤーにロイヤリティーがあれば、オープンフェース・チャイニーズ・ポーカーでは、 差し引き(相殺)した点数をやりとりすることになります。

フロントのロイヤリティー

ハンド 点数
のワンペア 1
のワンペア 2
のワンペア 3
のワンペア 4
10のワンペア 5
のワンペア 6
のワンペア 7
のワンペア 8
のワンペア 9
のスリーカード 10
のスリーカード 11
のスリーカード 12
のスリーカード 13
のスリーカード 14
のスリーカード 15
のスリーカード 16
のスリーカード 17
10のスリーカード 18
のスリーカード 19
のスリーカード 20
のスリーカード 21
のスリーカード 22

ミドルのロイヤリティー

ハンド 点数
スリーカード 2
ストレート 4
フラッシュ 8
フルハウス 12
フォーカード 20
ストレートフラッシュ 30
ロイヤルフラッシュ 50

バックのロイヤリティー

ハンド 点数
ストレート 2
フラッシュ 4
フルハウス 6
フォーカード 10
ストレートフラッシュ 15
ロイヤルフラッシュ 25

ファンタジーランド(Fantasyland)

あるディールでフロントのハンドがのワンペアかそれ以上のプレイヤーがいたら、 そのプレイヤーは次のディールではファンタジーランドの状態になります(もちろんファウルではだめです)。 一種のボーナスステージです。

ファンタジーランドのプレイヤーがいたら、他のプレイヤーはゲームから抜けることはできません。 また、普通、ディーラーは交替しません。

ファンタジーランドのプレイヤーは、他のプレイヤーより先に、13枚のカードを裏向きに配られます。 この13枚を自由に裏向きにフロント・ミドル・バックのどれかに振り分けます。 そのあと、他のプレイヤーは、通常通りプレイを行います。

他のプレイヤーのプレイが終了したら、ファンタジーランドのプレイヤーのハンドは表向きにされます。 得点計算は、通常通り行われます。ロイヤリティーも通常通り発生します。

ファンタジーランドのプレイヤーが次のハンドのどれかを作ることができたら、 次のディールでもファンタジーランドの状態が継続されます。 それ以外の場合は、次のディールは通常状態となります。

場所 ハンド
フロント スリーカード
ミドル フルハウスまたはそれ以上
バック フォーカードまたはそれ以上

ウィン・キャップ(Win Cap)とオール・イン(All-In)のルール

トーナメントやカジノなどでは、次のようなルールを採用することがあります。 プレイヤーは手持ちのポーカーチップ以上に負けることはありませんが、勝つ枚数にも制限が設けられます。

  1. 点数のやり取り(精算)はディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに1人ずつ行います。
  2. 各プレイヤーは、自分の左隣のプレイヤーから時計回りの順に、まだ精算していないプレイヤーと精算を行います。
  3. 精算の時点で、自分の手持ちのチップ以上の支払いはありません。
  4. 支払いを受ける場合、最高額はその時点の自分の手持ちのチップの額です。それ以上の得点差があっても、その分の支払いを受けることはできません。
  5. 従って、精算の時点で手持ちチップが0のプレイヤーは、支払も受け取りもありません。
  6. 手持ちチップが0のプレイヤーは次回からのディールをプレイすることはできません(ファンタジーランドの状態のプレイヤーがいた場合でも)。 ただし、ポーカーチップを買えば、プレイを続けることはできます。

バリエーション

以下のようなバリエーションがあります。

OFCパイナップル(OFC Pineapple/Pineapple Open-face Chinese Poker)

非常に人気のあるバリエーションです。

OFCターボ・パイナップル(OFC Pineapple/Pineapple Open-face Chinese Poker)

OFCパイナップルと同様にプレイしますが、ファンタジーランドの時に配られるカードの枚数はフロントのハンドの強さによって変わります。

フロントのハンド 枚数
のワンペア 14枚
のワンペア 15枚
のワンペア 16枚
スリーカード 17枚

ファンタジーランドを継続した場合には、必ず14枚配られます。

OFCパイナップル2-7(OFC Pineapple 2-7/Pineapple Open-face Chinese Poker 2-7)

ローボールを含んだOFCパイナップルのバリエーションです。

OFCターボ(OFC Turbo)

プレイをスピードアップします。


ウィン・キャップとオール・イン、OFCターボ・パイナップル、OFCパイナップル2-7、OFCターボのルールはTonyBet Poker(https://tonybetpoker.com/)によります。

Pagat.comのルールでは以下の点が本文と違いました。

  1. フロントのスリーカードのロイヤリティーはすべて20点です。
  2. ミドルのスリーカードのロイヤリティーはありません。
  3. ファンタジーランドはバリエーション扱いになっています。 ファンタジーランドの継続は、さらにそのバリエーションとなっています。

Pagat.comは別ルールとして次のようなものを挙げています。

  1. ロイアリティー
  2. ファンタジーランド
  3. 最後の3枚のカードは一度に裏向きに配られる。

カードの配り方について

1枚ずつ配るときは、裏向きでなく表向きに配ることもあるようです。この場合は、プレイしてから次のプレイヤーに配ることになります。 配るのではなく、配る残りを山札として1枚ずつドローしていくやりかたもあります。

他の人のプレイについて話しながらプレイするのが好きならば、 5枚または1枚配るときに表向きに配り(5枚ならまとめて配り)、 そのプレイヤーがプレイしてから次のプレイヤーに配るようにしたほうが面白いかもしれません。 自分が次にプレイするカードが何か分からないので、隠しごとなしに自由に話せるからです。 (もちろん、他人のプレイに口出しするのは良いマナーではないのですが)。

OFCパイナップルのときは、YouTubeで見ることのできるTonyBetのトーナメントでは、次のように配っていました。

  1. 最初の5枚は、1枚ずつ全員に5枚のカードを配る。
  2. その後の3枚は、ディーラーの左隣のプレイヤーに3枚のカードをまとめて配り、そのプレイヤーがプレイしてから、次のプレイヤーに同じように配る。
  3. ただし、最後の3枚だけは、3枚ずつまとめて、全員に配ってしまってからプレイを行う。

なかよし村で7月2日にプレイしました。 前にもプレイしたことがあったのですが、そのときはこのようなロイヤリティーのルールやファンタジーランドのルールがネット上にありませんでした (まだ作られていなかったのか、インターネットで知られていなかっただけなのかはわかりませんが)。

今回やってみると、これらのルールがゲームを非常に面白くしていて、大変楽しめました。今年プレイした中でのベストゲームの1つです。