トップに戻る

パーラッケン(Perlaggen)

2018/2/3 赤桐

オーストリアのチロル地方などでプレイされているゲームです。

2016年にユネスコの無形文化遺産にチロル地方の文化が登録されましが、 その構成要素としてこのゲームも登録されています。

ルールはhttp://www.pagat.com/によりました。


人数

4人。向かい合った2人がパートナー。(2人、3人、6人も可能なようですがここでは紹介しません)。

カード

使用するカードは次の通りです。

正式には、ドイツのカードを使用します。

各スートのカードの強さは次のようになります。

  (最強)10、()(最弱)

ワイルドカード(パーラッケン)

次のカードはワイルドカードになり、他のどのカードの代わりにも使うことができます。

  1. マクシ(Maxi): ハートのキング
  2. ベリ(Weli): ダイアモンドの
  3. シェル・シュピッツ : ダイアモンドの
  4. アイヒェル・シュピッツ : クラブの
  5. 切札の(ハートかスペードが切札の時)
  6. 切札の
  7. 切札の

上記1〜4は恒久ワイルドカードと呼ばれます。 上に記したものほど強いカードになります。

ワイルドカードはどのカードの代わりにも使うことができます。 手札や場にあるカードと同スート同ランクのカードとして使ってもかまいません。

ディール

最初のディーラーは任意の方法できめます。 次回からは時計回りの順に交代します。

カードをシャッフルした後、右隣のプレイヤーにカットしてもらいます。

カットするプレイヤーは、カットした上半分のカードの一番下のカードを自分で見ます。 もしこのカードが恒久ワイルドカードであったら、そのカードを全員に見せて自分が取り、手札にします。 そのあと、カードを元の状態位戻して、再びカットを行います。

これを、上半分のカードの一番下のカードが恒久ワイルドカードでなくなるまで繰り返します。 恒久ワイルドカードでない場合は、普通に、カットしたカードが下になるようにしてカットを終了します。

ディーラーは、まず2枚ずつまとめて、次に3枚ずつまとめて、ディーラーの左隣から時計回りの順に各プレイヤーに配ります。 このとき、すでに恒久ワイルドカードを配られているプレイヤーがいたら、そのプレイヤーにはその分だけ枚数を減らして配ります。 (2枚のところから減らします。もっと減らす必要があれば、3枚のところからも減らします。)

ディーラーは配り残りの一番上のカードを表向きにして、配り残りのカードの上に置きます。 このカードのスートが切札になります。これを切札表示カードと呼びます。 (恒久ワイルドカードの場合も、そのマークのスートが切札になります。)

恒久ワイルドカードが切札表示カードになった場合、 ディーラーは札表示カードと手札の恒久ワイルドカードでない切札スートのカードを交換することができます。 ディーラーがそのようなカードを持っていなければ、ディーラーのパートナーが同様に交換することができます。

プレイ

ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードをして、トリックテイキングゲームのプレイを行います。時計回りにプレイは進行します。

リードするときは、どのカードでもかまいません。フォローの規則は次のようになります。

  1. リードされたスートが手札にある場合: リードされたスートまたは切札をプレイします。
  2. リードされたスートが手札にない場合: どのカードをプレイしてもかまいません。

ただし、ワイルドカードは、リードされたスートであるとも、リードされたスートでないとも、 どちらとしても扱うことができます。 つまり、リードされたスートにかかわりなく、プレイしない自由があります。

ワイルドカードをプレイするときは、どのスートのどのランクのカードかを宣言します。 もし宣言がなければ、カードに書かれているスートとランクが適用されます。

ワイルドカードはいつでもプレイできますが、 宣言するスートとランクはフォローの規則によって出せるものでなければなりません。

トリックに切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。 切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。

ワイルドカードによって2枚以上の同スート同ランクのカードがトリックに出ることがありますが、 次の規則に従います。

  1. ワイルドカードのほうが、そうでないカードより強い。
  2. ワイルドカードどうしなら、強いワイルドカードのほうが強い。

プレイの目的は3トリックを取ることなので、どちらかのチームが3トリックを取ったら、プレイ終了となります。 あとに述べますが、ベットによってプレイの途中でも終了することもあります。

プレイされたカードは、集めないで、各プレイヤーの前に左から順に表向きに自分のプレイしたカードを置きます。 配られた手札による得点があるからです。 勝ったカードは負けたカードより少し前に出して置きます。

得点源

このゲームには、トリックテイキングゲームのプレイによるものを含め、次の3つの得点源があります。 どの得点源も最初は1点ですが、ビットによって点数は上がります。

どれについても、ワイルドカードが使えますが、 各ワイルドカードは、最初に宣言されたカードとして扱われます。 例えば、トリックテイキングゲームのときに宣言されていたら、他の得点源でもそれが有効です。 変えることはできません。

最初のうちは記憶するのは難しいので、付箋などをカードに付ける必要があるかも知れません。

グライヒ(Gleich)

2枚以上の同ランクのカードが1人の手札にあるとき、最も強いものを持っているプレイヤーのチームが得点します。 (得点するのはチームですが、手札は個人の手札です。)

強さは次のように決まります。

  1. 枚数の多いほうが強い。
  2. 枚数が同じなら、ランクが強いほうが強い。

ワイルドカードの使用は、強さには関係しません。

どちらも同じなら引き分けで、どのチームも得点しません。

ハンガー(Hanger)

2枚以上の同スートの続き札が1人の手札にあるとき、最も強いものを持っているプレイヤーのチームが得点します。 (K-Aは続きますが、A-7などは続きません)。

強さは次のように決まります。

  1. 枚数の多いほうが強い。
  2. 枚数が同じなら、ランクが強いほうが強い。

ワイルドカードの使用は、強さには関係しません。

どちらも同じなら引き分けで、どのチームも得点しません。

シュピール(Spiel)

プレイで3トリック取ったチームが得点します。

ベット

カードが配られたら、どのプレイヤーでも、前記の得点源のそれぞれについて、ベットを行うことができます。 トリックのプレイ中でもかまいません。

ベットは、その得点源の点数を1点上げるという提案です。

それに対して、相手チームは誰でも、次のどれかを答えなければなりません。

  1. グッド(gut): その得点源での負けを認めます。上げる前の点数が相手につきます。
  2. ホールド(halten/anschauen/heben): 提案を受け入れ、1点上げます。
  3. レイズ: 提案を受け入れたうえで、さらに1点上げることを提案します。

レイズがあったときには、その相手チームは、やはり上記の1〜3のうちのどれかを行います。 レイズを行っているあいだは、ベットは終了しません。

ある得点源が7点に達している場合、その上のベットはシュピール・アウス(Spiel aus)となります。 シュピール・アウスでは、勝ったほうが1ゲームの勝ちになります。 (普通は累計点が18点に達したら1ゲームの勝ちです)。 シュピール・アウスより上のベットはありません。 シュピール・アウスに対して負けを認めたら7点の負けになります。

ベットを開始することができるのは、各得点源について、まだベットが行われていないか、 自分のチームが前回ホールドしている時だけです。

また、グライヒやハンガーのときは、ベッドを開始するためには、 自分の手札に少なくとも1組のグライヒやハンガーになるようなカードが必要です。

5トリック目のリードが行われたときは、リードされたスートまたはワイルドカードを持っているプレイヤーだけが、 シュピールのベットを開始することができます。

ただし、各得点源元について、いつでも自分のチームの負けを認めることはできます。 (手札を見せないために、戦略的に行うことができます)。

勝敗決め

プレイ(シュピール)の勝敗が決まったら、トリックのプレイの途中でも、プレイは終了します。

そのあと、プレイに勝ったチームが、グライヒとハンガーの勝敗を決めるため、 グライヒとハンガーの両方について、次のどれかのアクションをおこないます。

  1. 負けを認める。
  2. 手札から1枚以上のカードを出し、見せているカードが、相手の見えているカードと少なくとも同じ強さのグライヒやハンガーになるようにする。 (少なくとも2枚のグライヒやハンガーになるカードが必要です)。
  3. ベットを行う(相手チームのホールド状態のときは行えません)。

ベットがあった場合は、通常通りに応答を行います。 ただし、相手がグライヒとハンガーの両方のアクションをしてからでかまいません。

ベットの結果ががホールドであったときは、 ベットを始めたチームは、 ホールドになったすべての得点源について、また1〜3のどれかを行わなければなりません (相手チームのホールド状態のときは3は行えません)。 既に2のアクションを行っている得点源については、それ以上のアクションは行えません。

これを繰り返し、残った得点源がすべて2の状態になったら、 相手チームが、上記1〜3のどれかを行うことになります。

このようにチームごとに繰り返して、 すべての得点源について、どちらかが負けを認めるか、すべての手札が公開されるまで続けます。

これが終わったら、グライヒに勝ったチームは、 グライヒとなる最低条件の2枚の同位カードをまだ公開していなければ、公開します。 もし公開できなければ、そのチームはマイナス2点の得点となり、他の得点源の点数も得ることができません。 相手チームは、そのチームがグライヒで得るはずだった点数を得点します。

ハンガーについても同様です(2枚の同スートの続き札を公開しなければなりません)。

ゲーム

累計点が18点に達したチームの勝ちです。

同じディールで18点に達するときは、次の順序で得点を行い、先に18点に達したチームの勝ちになります。

  1. 相手が負けを認めた得点源の点数。この中では、負けを認めた順序になります。
  2. ベットが行われたことのある得点源の点数。この中では、ベットが早く開始された得点源順です。
  3. ベットが全く行われなかった得点源の点数。この中では、グライヒ、ハンガー、シュピールの順です。

ゲシュトリッヒェン(Geshtrichen)

累計点が17点に達したチームはゲシュトリッヒェンの状態になります。 プレイ中でも、相手が負けを認めた点数で17点に達したら、そうなります。

ゲシュトリッヒェンのチームは、ベットを始めることはできません。

両チームがゲシュトリッヒェンの状態で、グライヒとハンガーがどちらも負けを認めていなければ、 3枚以上のグライヒまたはハンガーを持っているチームが勝ちます。 (どちらも持っていたら、グライヒでもハンガーでも、枚数の多いほうが勝ちます。 同じなら、どちらもグライヒまたはどちらもハンガーなら強いカードが勝ちます。 片方がグライヒで片方がハンガーなら、グライヒが勝ちます)。

会話

プレイ中の会話は自由です。ただし相手チームにも聞こえるように話さなければなりません。

しぐさなどにシグナルを決めて使用することもできます。

パートナーと手札を見せ合うことはできません。


2018年2月3日、なかよし村でプレイしました。

なかなかスムーズにプレイを行うことができませんでしたが、 とても面白いゲームだということが分かりました。 世の中にまだこんな素晴らしいゲームがあったのかという思いでした。 またプレイしたいと思っています。

ルールについても、もっと分かりやすくしたり、4人用以外などのルールも書きたいのですが、 とりあえずこれで載せておきます。