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ポラーソ(Porrazo)

2021/9/20 赤桐

アメリカの西南部でプレイされているゲームですが、19世紀末にメキシコから入ってきたものです。 スコパの系統のゲームで、ロンダクアレンタに近いゲームです。

プレイの方法は非常に簡単で、場にあるカードと同じランクのカードを出して取っていくだけです。 しかし、細かいルールはたくさんあります。

ルールはPagat.comによります。


プレイヤー

2人~6人、8人。面白いのは2人~5人程度。2人がベストです。 4人のときは向かい合った2人がパートナーになってもかまいません。 6人、8人のときは、1人おきのプレイヤーがチームになることもできます。

カード

ジョーカーを入れない普通のトランプ。52枚。

カードのランクは下位のものから順に、10です。 が最も下位のランクになっています。

このゲームではスートはプレイにも得点にも全く無関係です。

ディール

最初のディーラー任意の方法で決めます。次回からは、時計回りに交替します。

ディーラーは右隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、左隣のプレイヤーから時計回りに、まとめて3枚ずつ1回配ります。これをディールと呼びます。

全員が3枚のカードをプレイしてしまったら、同じディーラーが、配り残りのカードからまた3枚をディールします。これを、全員に3枚配ることのできるカードがある限り続けます。

ディールのあとに、テーブルに表向きに4枚配ることもできます。 これは、どの配る回の後でもかまいません。 ディーラーが自由に選択できます。 しかし、ディーラーは配る前に自分の手札を見ることはできません。 これをテンディド(tendido=レイアウト)と呼びます。

ただし、これを行うのは1回だけです。 また、必ず1回は行わなければなりません。 つまり、最後のディールまで行っていなければ、最後のディールで行うことになります。

テンディドやプレイでテーブルに表向きに置かれたカードのことを場札と呼びます。 場札が置かれたところを「場」と呼びます。

3人ゲーム、5人ゲームのときは最後のディールのあと3枚のカードが残りますが、 これは最後に配り終えた後に、場札としてテーブルに表向きに置きます。 このときテンディドも行うならば、まずテンディドを行ってから、この3枚を置きます。

ロンダとロンディネ

どの回でも良いので、3枚配られたときにそのうち2枚または3枚が同じランクなら、得点のチャンスがあります。

同ランク2枚をロンダ(ronda)、3枚をロンディネ(rondine)と言い、次の得点になります。

ランク ロンダ ロンディネ
キング 4点 12点
クイーン 3点 9点
ジャック 2点 6点
その他 1点 3点

ただし、最も高位のロンダ/ロンディネを持っているプレイヤー(チーム)しか得点できません。 ロンディネはロンダより高位です。 ロンダどうしまたはロンディネどうしでは、ランクの高いほうが高位となります。 同じランクのロンダを2人が持っているときは、ディーラーの左隣から時計回りに早い順番のプレイヤーのロンダのほうを高位とみなします。

パートナー戦(チーム戦)のときは、チームの誰かが最も高いロンダ/ロンディネを持っていたら、チームの他のメンバーのロンダ/ロンディネも得点できます。

ロンダまたはロンディネを持っているプレイヤーは、プレイが始まる前に「ロンダ」または「ロンディネ」を宣言しなければなりません。 しかし、どのランクかは宣言しません。 3枚のプレイが終わったあとに、最も強いロンダ/ロンディネのプレイヤー(チーム)が得点します。

なお、もしロンダまたはロンディネを持っているプレイヤーがプレイが始まる前に宣言しなかった場合、プレイ後に他のプレイヤーがそれ(他人のロンダ/ロンディネ)を宣言して得点することができます。

プレイ

ディーラーの左隣から時計回りの順にプレイを行います。

プレイヤーは、手札から自由に1枚をテーブルに出します。 出したカードと同じランクのカードが場札の中にあれば、場札を取ることができます。 出したカードで場札を取ることができたら、その場札と出したカードをまとめて、プレイヤーの前に裏向きに置きます。 これが、取ったカードになります。 取ったカードは、もうプレイには使われません。

場札の中に同じランクのカードがなければ、出したカードはそのまま場に置かれて、場札となります。 (これを捨て札をすると呼ぶことにします。)

いずれにしても、手札から1枚プレイすると、そのプレイヤーの番は終わります。

同じランクのカードが何枚か場にあった場合には、そのうち1枚だけを取ることができます。

続き札

プレイで場のカードを取ることができた場合、取ったカードから数上がりの続き札になっているカードも取ることができます。

例えば、プレイでのカードを取った時、場にのカードがあれば取ることができます。 場にのカードがあったら、これらをすべて取ることができます。 つまり、続いていれば何枚でも取ることができます。

ただし、同じランクのものが2枚以上あっても、1枚しか取ることができません。 例えば、を取った時、場にとあっても、 のカードは1枚しか取れないわけです。

の次はに続くので、 例えば、を取った時、とあれば、すべて取ることができます。

義務

プレイしたカードで取ることのできるカードが場にあった場合には、必ず取らなければなりません。 続き札もあれば、必ず取らなければなりません。

手札の中に取れるカードがあれば、必ずそれをプレイしなければならないという意味ではありません。 どのカードをプレイしても自由ですが、プレイしたカードで取ることができれば、取らなければならないということです。

最後

最後の3枚を配り終わってから、全員が3枚のプレイを終えると、プレイは終了します。 最後に残ったカードはすべて、最後にプレイでカードを取得したプレイヤー(チーム)のものになります。

プレイが終了して得点を計算しても終了条件(61点の得点)に達していなければ、 つぎのハンドをプレイします。 このときディーラーは、時計回りの順に交替します。

ポラーソ、カウンター・ポラーソ、サン・ベニート

誰かがプレイで何も取らないで捨て札したとき、その次のプレイヤーがその捨て札と同じランクのカードをプレイすれば、通常のようにそのカードと続き札を取るほかに、ポラーソ(Porrazo)の得点を得ることができます。

ただし、その次のプレイヤー(2人ゲームなら最初に捨て札したプレイヤーと同じプレイヤー)が同じランクのカードを出すと、ポラーソの得点は得られず、取ったカードはすべて戻さなければなりません。このプレイヤーはプレイされた同じランクのカード全部(3枚)と続き札を取り、カウンター・ポラーソ(Counter Porrazo)の得点を得ます。

さらに例外として、4人目のプレイヤー(すでにプレイしているプレイヤーと同じでも良い)が同じランクのカードを出すと、サン・ベニート(San Benit)となり、このゲームの勝者となります。プレイはそこで終了します。

これらは、配りなおしを挟まないで、連続してプレイされた時だけ有効です。

ボラーソとカウンター・ポラーソの得点はロンダとロンディネの得点と同じで、次のようになります。

ランク ポラーソ カウンター・ポラーソ サン・ベニート
キング 4点 12点 ゲームに勝利
クイーン 3点 9点 ゲームに勝利
ジャック 2点 6点 ゲームに勝利
その他 1点 3点 ゲームに勝利

エン・ス・ルガール

のどれかをプレイして、カードを取らず、プレイ後の場のカードの枚数がプレイしたカードの数字と同じになったら、その数字分の点数をもらえます。 これをエン・ス・ルガール(en su lugar/in Place)と呼びます。 の数字は1と考えます。

例えば、場にカードがないときにをプレイすると、プレイ後の枚数は1枚になり、カードの数字と同じになるので、1点を得点します。 場にカードが3枚あるときにをプレイして何も取らなかったときは、プレイ後の枚数は4枚になるので、 の数字と場の枚数4が同じになり、4点を得点します。 もちろん、場のカードを取ってカードの数字と枚数が同じになっても、得点にはなりません。

ランク 条件 得点
1枚 1点
2枚 2点
3枚 3点
4枚 4点

エン・ス・ルガールの得点を得ることができるときに限り、カードを取ることができるのに取らないでプレイすることができます。 例えば場にのカードだけがあるとき、をプレイしても取らないで2点を得ることができます。 (取った場合には、場のカードをすべて取ることになるので、あとで述べるリンピアの得点が得られますが。) もちろん、取らないときは、続き札も取りません。

リンピア

プレイで場の全部のカードを取ることができたときには、リンピア(limpia)の得点を得ることができます。

場に1枚しかないときにそれを取った時や、2枚以上が続き札になっていてその最もランクの低いカードを取った時です。

点数は、取ったカードのうち最も高位のカードが何かによって変わります。ロンダの得点と同様になら4点、なら3点、なら2点、それ以外は1点です。

ランク リンピアの得点
キング 4点
クイーン 3点
ジャック 2点
その他 1点

プレイ終了時に場に残ったカードは、最後に場のカードを取ったプレイヤーが全部取りますが、このときはリンピアの得点はありません。また、最後のプレイヤーが実際に場のカードを全部取った場合でも、リンピアの点数はつきません。

テンディド

テンディドが配られたときは、ディーラー(のチーム)に得点のチャンスがあります。

テンディドのカードを順に並べたとき、右からでも左からでもかまわないので、1枚目にがあれば1点、2枚目にがあれば2点、3枚目にがあれば3点、4枚目にがあれば4点を得点します。

このとき、配った順番にカードを並べたあと、1枚目と2枚目を交換することや、3枚目と4枚目を交換することができます。 配ったカードを順にA, B, C, Dとすると、ABCD、BACD、ABDC、BADCの順番にすることができるわけです。

得点するのは何枚でもかまいませんが、並べ方や数える方向を変えて得点することはできません。

例えば、とあれば、と並べ替えて、 左から2番目と3番目で2点+3点=5点を得点できます。 同じものを右から数えて4番目ので4点得点することもできますが、5点+4点=9点得点することはできません。

ランク 条件 得点
1枚目 1点
2枚目 2点
3枚目 3点
4枚目 4点

また、この点数とは別に、今までに場にあったカードとテンディドのカードを合わせて、同じランクのカードがあった場合にも得点します。下記の表のように、同ランク2枚のときはロンダの点数、3枚のときはロンディネの点数、4枚のときはその2倍の点数となります。

ランク 同ランク2枚 同ランク3枚 同ランク4枚
キング 4点 12点 24点
クイーン 3点 9点 18点
ジャック 2点 6点 12点
その他 1点 3点 6点

得点とゲーム

プレイで得られる点数(ロンダ、ロンディネ以外の点数)は、プレイしたときに得点します。 ロンダ、ロンディネの点数は、3枚配られたカードを全員がプレイした後に得点します。 テンディドの点数は、配った時に得点します。

プレイが終わった時、最も多くの枚数を取ったプレイヤー(チーム)は、 2番目に多くの枚数を取ったプレイヤー(チーム)との枚数の差の分の点数を得点します。

先に61点に達したプレイヤー(チーム)の勝ちになります。 プレイの途中でも61点に達したほうが勝ちになり、ゲーム終了となります。 サン・ベニートがあったときも、点数にかかわりなく、ゲーム終了となります。

細かく点数をつける必要があるため、クリベッジボードがお勧めです。


2021年9月20日 プレイしました。

プレイできる選択肢が少なく、運の要素が強いゲームですが、楽しくプレイできました。

ルールはたくさんありますが、基本的には簡単なゲームです。 技術も必要とされますが、手札が3枚だけなので、あまり思うようにはできません。

2人で楽しく遊ぶという点では、推薦できるゲームです。