1997/2/11 赤桐
1900年頃にAngelo Lewis氏(筆名:Professor Hoffman)により作られたゲームです。この人はトランプの本を何冊か書いているそうです。
シンプルで、ちょっと変わったトリックテイキングゲームです。
いろいろな本で紹介されているゲームですが、ルールは主にDavid Parlett氏の"Teach Yourself Card Games",1994に従いました。
4人。向かい合った2人がパートナーになります。
52枚の通常のカードにジョーカー1枚を加えた53枚のカードを使います。
最初のディーラーは任意の方法(抽選)で決めます。各ディール毎にディーラーは時計回りに交代します。
ディーラーは1枚ずつ12枚のカードを各プレイヤーに配ります。
残りの5枚は裏向きのままテーブルの上に置きます。これをカシェット(Cachette)と呼びます。
各プレイヤーが自分のカードを見た後、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に1回だけ、「ダブル」、「リダブル」または「パス」の宣言を行います。
リダブルを宣言できるのは、相手のチームのプレイヤーがダブルを宣言した場合だけです。
ダブルとは取ったトリックの点数を2倍にすることです。リダブルとは取ったトリックの点数を4倍にすることです。
ダブル、リダブルは宣言するだけで両チームに適用されます。全員がパスをすれば、トリックの点数は通常通りになります。
このゲームでは、すべてのカードに一元的な順位があります。
まず、スートの順位があります。ハートが最も強く、ダイアモンド、クラブ、スペードと続きます。
同じスートでは、Aが最も強く、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2と続きます。
スートの順位のほうがランクの順位よりも優先するので、例えばAより2の方が強いカードになります。
ジョーカーは最も弱いカードになります。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行い、トリックテイキングのプレイを行います。
リードされたスートを持っていれば、必ずそのスートのカードを出さなければなりませんが、持っていなければ、どのカードを出してもかまいません。
リードされたスートに関係なく、最も強いカードを出したプレイヤーが、トリックを取り、次のリードを行います。
従って、例えばクラブがリードされた場合、ダイアモンドやハートは切札のような働きをします(ハートの方が強い切札です)。スペードを出せば、単なる捨て札になります。
ジョーカーは、リードされたスートを持っているか否かに関わりなく、いつでも出すことができます。しかし、最も弱いカードなので、トリックに勝つことはできません。
ジョーカーがリードされた場合、その左隣のプレイヤーは、どのカードでも自由に出すことができます。このカードのスートをリードされたスートとして扱います。この場合もジョーカーが最弱のカードであることに変わりありません。
ジョーカー、各スートの5、同じトリックに含まれる同じスートのAと4や2と3(つまり、足して5になるカード)は、クイントと呼ばれます。
トリックでクイントを取ったチームは、プレイ中に、次のような点数を得点します。(ジョーカーや5は単独でクイントの得点になりますが、それ以外は、同じスートのAと4か、同じスートの2と3が同じトリックでプレイされたときだけ、クイントとして得点になります。)
クイントの得点はダブルなどには影響されません。
ジョーカー(ロイヤルクイントと呼ばれます) | 25点 |
5、Aと4、2と3 | 各20点 |
5、Aと4、2と3 | 各15点 |
5、Aと4、2と3 | 各10点 |
5、Aと4、2と3 | 各5点 |
最後のトリックを取ったチームがカシェット(配り残しのカード)を得ます。カシェットは1つのトリックとして扱います。つまりその中に含まれるクイントの得点と、1トリックとしての得点を得ます。
プレイが終わると、トリックの得点を計算します。
各トリックが5点になります。(ダブルだと10点、リダブルだと20点です。)
どちらかのチームが250点に達したら、そのチームの勝ちで、ゲーム終了となります。(プレイの途中でも、クイントによる点数で250点に達したら終了です。)
トリックの得点を計算した結果、両チームが250点以上になったら、点数の高いチームの勝ちになります。同点ならば、もう1ディール行います。
2ゲームを先に勝った方が、ラバーに勝ったことになります。
各チームは今までのゲームの得点を合計しますが、ラバーに勝ったチームは、さらに100点のボーナスを得ます。
ディールのときに、最初にカシェットを配るという説と、最後に残ったのがカシェットになるという説があります。どちらがオリジナルのルールなのかは確認できませんでした(どちらでもよいことですが)。
おそらく、「リダブル」ではなく「クオドダブル(Quaddouble)」がオリジナルの呼び方だと思いますが、リダブルの方が呼びやすく、ブリッジとの共通性もあるので、David Parlett氏に従い、こうしました。
ジョーカーをリードしたときのルールは、オリジナルにはないそうですが、Parlett氏の補足ルールによりました。
250点以上で同点だった時のルールもオリジナルにないそうなので、Parlett氏の補足ルールによりました。