2001/3/21 赤桐
オランダの南部Maastrichtという都市でプレイされているヤス系統のゲームです。
ルールはhttp://www.pagat.com/によります。
普通の52枚のトランプから各スートの2〜6を除いた32枚のカードを使います。
切札のスートの強さの順位と点数は次の通りです。
カード(強い順) | J | 9 | A | K | Q | 10 | 8 | 7 |
点数 | 20 | 14 | 11 | 3 | 2 | 10 | 0 | 0 |
切札以外のスートの強さの順位と点数は次の通りです。
カード(強い順) | A | K | Q | J | 10 | 9 | 8 | 7 |
点数 | 11 | 3 | 2 | 1 | 10 | 0 | 0 | 0 |
カードの点数の合計は141点になりますが、最後のトリックには5点がプラスされるため、プレイでの点数の合計は146点となります。
4人または5人。5人の時にはディーラーは自分にはカードを配らず、プレイに参加しません。
誰かが時計回りに各プレイヤーにカードを配っていき、最初にジャックを配られたプレイヤーが最初のディーラーになります。ディーラーは次回からは時計回りに交代します。
ディーラーはシャッフルのあと右隣のプレイヤーにカットしてもらいます。それから、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに、各プレイヤーに3枚ずつまとめて裏向きに配ります。その後テーブルの中央に4枚裏向きに配ります。これをストックと呼びます。最後に各プレイヤーに4枚ずつまとめて裏向きに配ります。各プレイヤーは7枚の手札を配られることになります。
ディールが終わるとビッドが始まります。ビッドは3以上の数を宣言することによって行います。3のビッドはプレイで自分が130点以上取るということを意味します。4なら140点以上、5なら150点以上というようになります。(後で述べる手役の点数を加えることができます)。
ビッドのルールは次の通りです。
1)ディーラーの左隣のプレイヤーのもう1つ左隣のプレイヤーから、時計回りの順にビッドを行います。
2)ビッドの順になったプレイヤーはは数字をビッドするかパスを宣言します。
3)一度パスをしたプレイヤーは、もうビッドに参加できません。
4)パスをしない限り、時計回りの順に何度でもビッドに参加できます。
5)最初に数字のビッドするプレイヤーは、3のビッドをしなければなりません。
6)それ以降のプレイヤーは、パスをしたくないならば、今までの最高のビッドより1つだけ大きい数字をビッドしなければなりません。
7)3人のプレイヤーがパスをしたら、ビッドが終了します。残った1人のプレイヤーのことをデクレアラーと呼ぶことにします。
8)最初のビッドの順の3人がパスをした場合、最後のプレイヤー(ディーラーの左隣のプレイヤー)は1をビッドしなくてはなりません。つまり110点以上取るというビッドです。このプレイヤーはその代わりすぐに(つまり後で述べるようにストックから手札に入れる前に)降伏して10ゲームポイントのマイナス点にすることもできます。
9)最初の数字のビッドをする場合に、3のビッドでなく2のビッドをすることもできます。これを行うためには、配られてから手札を見ないでビッドしなければなりません。これをブラインド2のビッドと呼びます。
10)ビッドを行うときに「1度だけ」と言って数字をビッドしてもかまいません。この場合、ほかのプレイヤーがそれより大きい数字をビッドした場合には、パスをしなければなりません。(あまり利点はないように思われます)。
デクレアラーは,4枚のストックを手札に加えて、その中から4枚を裏向きに捨てます。捨てるカードはどのカードでもかまいません。捨てたカードはプレイが終わった後、取ったカードと同じようにデクレアラーの点数になります。
手札の交換をしないこともできます。この場合、プレイが成功しても失敗しても、ゲームポイントは2倍になります。この場合も、ストックはデクレアラーの点数になります。
デクレアラーは手札に次のようなものがあれば、手役の点数を得ることができます。
Jのフォーカード(Jが4枚) | 200点 |
9のフォーカード(9が4枚) | 140点 |
Aのフォーカード(Aが4枚) | 100点 |
Kのフォーカード(Kが4枚) | 100点 |
Qのフォーカード(Qが4枚) | 100点 |
10のフォーカード(10が4枚) | 100点 |
5枚以上のシークエンス | 100点 |
4枚シークエンス | 50点 |
3枚シークエンス | 20点 |
切札のKとQ |
20点 |
シークエンスとは同じスートの続きカードのことです。7-8-9-10-J-Q-K-Aと続くと考えます。
同じカードを複数の手役に使うことは可能です。たとえばJのフォーカードに使ったジャックをシークエンスに使うこともできます。また、シークエンスとマリッジが重なってもかまいません。ただし、同じカードを複数のシークエンスに使うことはできません(つまり部分的に重なるようなシークエンスを作ることはできません)。
デクレアラーは手札の交換のあとプレイの前に、手札に手役があればほかのプレイヤーに見せて点数を得ることができます。そのあと手札に戻してかまいません。
しかし、マリッジだけは切札のクイーンを出すときに宣言して点数を得ます。ただし、マリッジの2枚のカードがどちらも他に宣言している手役に含まれている場合には、そのときに同時に宣言して点数を得ます。
捨て札やストックにあるカードは手役にはなりません。
手役があるのにわざと宣言しない(点数ももらわない)こともできます。
プレイの前にデクレアラーは切札をどのスートにするかを宣言します。
その後、手札から自由に1枚を選んで場にだします。これをリードと呼びます。
プレイはトリックテイキングゲームです。時計回りの順にプレイします。
リードされたスートのカードが手札にある場合には、そのスートのカードを出してもよいし、切札を出してもかまいません。それ以外のスートのカードを出すことはできません。
例外として、切札がリードされて手札に切札のJしかない場合は、切札のJを出す必要はなく、どのカードを出してもかまいません。
リードされたスートのカードが手札にない場合には、どのカードを出してもかまいません。
一巡して、切札がプレイされていれば、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。切札がプレイされていないときには、リードされたスートの一番強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。勝ったプレイヤーはその一巡に出たカードを取り(手札には入れない)、手札から自由に次のリードを行います。
プレイされていない最も強い切札を持っているプレイヤーは、いつでも、テーブルを1回たたくことにより、それを持っていることをみんなに知らせることができます。最も強い2枚の切札を持っている場合にはテーブルを2回たたいて知らせることができます。
プレイが終わると次のようにゲームポイントを計算します。
a)デクレアラーがトリックで取った点数と捨て札の点数(ストックを取らなかった場合はストックの点数)と、最後のトリックを取ったならばその5点を合計して、10の位に四捨五入します(例えば134点ならば130点に、135点ならば140点に四捨五入するわけです)。
b)確認のため残りのプレイヤーの点数も合計し、これを1捨2入します(121点なら120点に、122点なら130点になるわけです)。これにa)の点数を加えて150点ならば確認成功です。
c)デクレアラーの点数を10で割ります。
d)デクレアラーが7トリック全部取った場合には10点加えます。点数の合計は25点になるはずです。
a)ビッドの点数に10を加えます。例えばビッドが3ならば13になります。
b)それから手役の点数を10で割ったものを引きます。(マイナス点になるような場合には0として計算するものと思われます)
a)同じならば得失点はありません。
b)得た点数の方が多ければ、得られた点数と必要な点数の差がデクレアラーのプラスのゲームポイントとなります。
c)得た点数の方が少なければ、必要な点数と得られた点数の差がを2倍して、それに10を加えたものが、デクレアラーのマイナスのゲームポイントとなります。
d)例外的な点数です。
ビッドのとき、最初の3人がパスをして次のプレイヤーが1のビッドをする代わりに降伏したときにはマイナス10点のゲームポイントです。
「Jが4枚」の手役の時にはプレイを行いません。プレイで取った点数を100点とみなし、J4枚の手役代も加えて、得た点数を30とみなします。この場合必要な点数からはJ4枚の手役代は引かないことになります。
デクレアラーが1トリックも取れなかった場合には、上記の計算は行わないで、マイナス50ゲームポイントとなります。
e)手札の交換を行わなかったときは、上記のゲームポイントががすべて2倍になります(プラスのときもマイナスのときも)。
ゲームは通常、誰か1人でも終わらせたいと宣言することによって終わらせることができます。ただし、各プレイヤーがもう1度ディーラーになってプレイを行ってから終わることになります。
賭けている場合には、各プレイヤーが他のそれぞれのプレイヤーとのゲームポイントの累計点の差を計算してその分をやりとりします。