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リッケン(Rikken)

2001/3/22 赤桐

 ソロホイストなどと同じ仲間のトリックテイキングゲームです。オランダ南部でプレイされているようです。

 ルールはhttp://www.pagat.com/によります。


プレイヤー

 4人。パートナー戦ではありません。

カード

 通常の52枚のカード。順位は強いものから順に、10

ディール

 最初のディーラー任意の方法で選び、時計回りに交代します。

 カードはシャッフルしません。ディーラーの右隣のプレイヤーがカットします。

 ディーラーは各プレイヤーに2枚ずつまとめて6回配り、最後に1枚ずつ1回配って、各プレイヤーの手札が13枚になるようにして、カードを全部配ってしまいます。(3枚ずつ4回と1枚ずつ1回配るやりかたもあります)。

 次のディールからはディーラーは順番に左隣に移ります。

ビッドの種類

 ディールが終わるとビッドを行ないます。

 ビッドの種類は低いものから順に次の通りです。

1)リック(Rik)

 他のプレイヤーと臨時のパートナーになり、共同で8トリック以上取るという宣言です。

 パートナーは自分の持っていないエースを指定することによって行われます(例えば「スペードの」と言うわけです)。そのカードを持っているプレイヤーがパートナーになります。詳しくは後述します。

 切札はビッダーが決めますが、指定したエーススートを切札にすることはできません。また切札なしにすることもできません。

2)リック・ベター(Rik beter)

 リックと同じですが、切札は必ずハートになります。(パートナー指定でHを指定することはできません)。

3)ソロ(8 alleen)

 1人で8トリック以上取るという宣言です。切札はビッダーが決めます。切札なしにすることはできません。

4)ミゼール(Misere)

 1人でプレイして、全トリック負けるという宣言です。切札はありません。

5)ピーク(Piek)

 1人でプレイして、ちょうど1トリックだけ勝つという宣言です。切札はありません。

6)ソロ(9 alleen)

 1人で9トリック以上取るという宣言です。切札はビッダーが決めます。切札なしにすることはできません。

7)ソロ10(10 alleen)

 1人で10トリック以上取るという宣言です。切札はビッダーが決めます。切札なしにすることはできません。

8)ソロ11(11 alleen)

 1人で11トリック以上取るという宣言です。切札はビッダーが決めます。切札なしにすることはできません。

9)ソロ12(12 alleen)

 1人で12トリック以上取るという宣言です。切札はビッダーが決めます。切札なしにすることはできません。

10)オープン・ミゼール(Open Misere)

 1人でプレイして、全トリック負けるという宣言です。切札はありません。

 1トリック目のプレイが終わったあと、ビッダーは手札をテーブル上で公開してプレイします。

11)オープン・ピーク(Open piek)

 1人でプレイして、ちょうど1トリックだけ勝つという宣言です。切札はありません。

 1トリック目のプレイが終わったあと、ビッダーは手札をテーブル上で公開してプレイします。

12)トロエラ(Troela)

 エースを3枚配られたプレイヤーだけがビッドできます。

 他のプレイヤーと臨時のパートナーになり、共同で8トリック以上取るという宣言です。残りの1枚のエースを持っているプレイヤーが臨時のパートナーになります。

 切札のスートエースを1枚だけ持っているプレイヤーが指定します。

13)オープンミゼール相談つき(Open misere met een praatje)

 1人でプレイして、全トリック負けるという宣言です。切札はありません。

 1トリック目のプレイが終わったあと、全員が手札をテーブル上で公開してプレイします。ビッダー以外の3人は話し合いながらプレイしてかまいません。

14)オープン・ピーク相談つき(Open piek met een praatje)

 1人でプレイして、ちょうど1トリックだけ勝つという宣言です。切札はありません。

 1トリック目のプレイが終わったあと、全員が手札をテーブル上で公開してプレイします。ビッダー以外の3人は話し合いながらプレイしてかまいません。

15)ソロ13(13 alleen)

 1人で13トリック全部取るという宣言です。切札はビッダーが決めます。切札なしにはできません。

16)オープンソロ13(Open 13 alleen)

 1人で13トリック全部取るという宣言です。切札はビッダーが決めます。切札なしにはできません。

 1トリック目のプレイが終わったあと、ビッダーは手札をテーブル上で公開してプレイします。

ビッド

 ビッドはディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に行います。ビッドは何巡でも行われますが、誰かがビッドを始めた後は、今までのビッドより高位のビッドしかできません。

 ビッドの種類の説明の所で後ろのほうに記述していたビッドのほうが高位のビッドになります。

 ビッドをしたくなければパスをしますが、一度パスをすればそれ以後はビッドに参加できません。

 1人を除く3人のプレイヤーがパスをすると、パスをしていないプレイヤーがビッダーになります。最後にビッドした種類のビッドをプレイします。

 ただし、ミゼールとピークは同等の強さのビッドであり、どちらかをビッドしたあともう1つをビッドすることもできます。つまり、ミゼールのあとに別のプレイヤーがピークをビッドすることも、ピークのあとにミゼールをビッドすることもできます。そのあと他の2人がパスをしたら、この2つのビッドはどちらも有効になります。

 オープンミゼールとオープンピーク、およびオープンミゼール相談付きとオープンピーク相談付きもおなじように同等のビッドとなります。

 なお、最初から4人全員がパスをしたばあいには、プレイは行われず、次のディーラーが新しいディールを始めます。

リックやリック・ベターのパートナー決め

 すでに述べたように、リックやリック・ベターのビッドでは、ビッダーは自分の持っていないエースを指定することによってパートナーを決めます。

 このとき、可能であるならば、ビッダーは指定するのスートのカードを少なくとも1枚手札に持っていなければなりません(そのスートのカードがない、つまりボイドのスートのエースを指定してはいけません)。しかし、持っているスートのが全部手札にある場合(ボイド以外のスートのを全部持っている場合)は、「ブラインド(blind)」と宣言して、を指定します。

 指定されたを持っているプレイヤーは、プレイで明らかになるまで、自分がパートナーであることを公開してはいけません。

 パートナー決めと同時にビッダーは切札を決めますが、前述の通り、指定したのスートを切札にすることはできません。

 エース4枚を全部持っていた場合はキングを指定します。いままでエースに対して述べてきたことは、この場合のキングにもあてはまります。

トロエラ

 エースを3枚持っている場合には、トロエラよりも低位のビッドをすることはできません。

 ビッダーは持っていないAが何であるかを宣言します。それを持っているプレイヤーは名乗りをあげ、このプレイヤーが切札を決めます。切札をそのA(ビッダーが持っていないA)のスートにすることはできません。

プレイ

 ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行い、トリックテイキングゲームを行います。

 プレイの仕方はブリッジなどとまったく同じです。つまり:

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのスートを出す。
  2. なければ、どのカードを出してもよい。
  3. 切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝つ(トリックを取る)。
  4. 切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝つ。
  5. 勝ったプレイヤーが次のリードを行なう。

 リックやリックベターの場合、指定されたのスートがリードされた場合には、切札がプレイされていて必ず負けるような場合でも、を出さなければなりません。ただし、指定されたを持っているプレイヤーがリードするときには、そののスートをリードするときでも、をリードする必要はありません。

 ブラインドの宣言のあった場合には、指定されたがまだプレイされていないときに限り、ビッダーがリードする場合、手札から何でも1枚のカードを裏向きにリード出すことができます。ほかのプレイヤーは、指定されたのスートがリードされたものとしてプレイします。指定されたを持っているプレイヤーは必ず出さなければなりません。通常どおり、最も強い切札を出したプレイヤーか、切札が出ていなければ指定されたのスートで最も強いカード(つまり指定された)が勝ちます。

得点

 得点はポーカーチップでやりとりします。

 パートナーでプレイするときには、ビッドが成功すれば、その点数に応じたチップ数をビッダーが相手プレイヤーの1人からもらい、ビッダーのパートナーがもう1人の相手プレイヤーから同じだけのチップ数をもらうことになります。ビッドが失敗するとその逆になります。

 ビッダー1人でプレイしたときには、プレイが成功すれが、その点数に応じたチップ数を、他のプレイヤーそれぞれからもらいます。したがって、数字の3倍の収入があることになります。失敗したときには、逆に他プレイヤーそれぞれに失敗の点数に応じたチップ数を支払います。

 ビッドに成功したときには、成功点に加えてオーバートリック点を得ます。オーバートリック点とは、ビッド成功に必要なトリック数より1トリック多く取るごとにもらえる点数です。

 ビッドに失倍したときには、失敗点にアンダートリック点が加わります。アンダートリック点とは、ビッド成功に必要なトリック数より1トリック少なく取るごとの点数です。

 ちょうどビッドに成功したときには成功点しかもらえませんが、1トリック少なくてビッドに失敗したときには、失敗点に加えてアンダートリック点もつくことにご注意ください。

 成功点 オーバー
トリック点
 失敗点 アンダー
トリック点
リック1111
リック・ベター1111
ミゼール5-5-
ピーク5-5-
ソロ91111
ソロ101111
ソロ111111
ソロ121111
オープンミゼール15-15-
オープンピーク15-15-
オープンミゼール相談付き15-15-
オープンピーク相談付き15-15-
オープンソロ1320-20-

 また、ソロ13以外の、トリックを多く取ることが目的のビッドでは、全トリック取れば1点プラスされます。