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シットヘッド(Shithead)

1998/7/29 赤桐

 シットヘッドはヨーロッパの各地でプレイされているゲームです。フィンランドでは同種のゲームをPaskahousuという名前でプレイしているそうです。

 トリックテイキングゲームにも大貧民にも似たところのあるゲームですが、ゲームの目的は手札をなくすことにあり、うまくカードが出せないと、出ているカードを全部取らなければなりません。(この種のゲームをJohn McLeod氏はビーティングゲームと呼んでいます。伝統的なルールブックにはあまり紹介されていませんが、ヨーロッパ各地でいろんな種類のものが盛んにプレイされています。)

 いろいろ考えてやってみても、結局は運と誰かの不注意で勝負が決まるようなゲームですが、それなりには楽しめると思います。


プレイヤー

 2人〜6人。3人以上が望ましい。

カード

 普通の52枚のトランプを使います。6人プレイのときは2枚のジョーカーも加えます。

 カードのランクは高いものから順に、10です。は後で述べるように最も高くも最も低くもなります。

ディール

 最初のディーラー任意の方法でランダムに決めます。ディーラーはディールごとに時計回りに交替します。

 ディーラーは次のようにカードを配ります:

 )まず、各プレイヤーの前に3枚ずつまとめて裏向きにカードを配ります。

 )次に、そのカードの上に3枚ずつ表向きのカードを配ります。この3枚はすべてのプレイヤーが見ることができるようにしておきます。

 今まで配られた6枚のカードをテーブルカードと呼ぶことにします。テーブルカードのうち裏向きのものはプレイヤーも見ることはできません。

 )最後に、これらのカードとは別に、各プレイヤーに3枚ずつまとめてカードを配ります。これは手札となるので、各プレイヤーはこれを手にとって見ながらプレイします。

 )配り残りのカードは、テーブル中央に裏向きに置きます。これが山札となります。

 プレイが始まる前に、各プレイヤーは表向きのテーブルカードと手札を何枚でも交換することができます。

プレイ

 最初にプレイするプレイヤーは、最初にのカードを表向きに配られたプレイヤーです。が表向きのカードの中にないときには、自分の手札にがあると最初に言ったプレイヤーが、最初にプレイします。もしが手札になければ、のカードについて同様の手続きを取ります(つまりまず表向きに配られたカードを調べ、なければ手札を調べます)。もなければ、...と調べていきます。

 最初のプレイヤーは、1枚のカードか同じランクの何枚かのカードをテーブルに置きます。プレイが終わったら、手札を3枚に戻すために山札から何枚か取ります。

 プレイは時計回りに行われます。各プレイヤーは最初に出された枚数と同じ枚数のカードを手札から出します。出すカードは、直前にプレイされたカードのランクと同じか、それより上のランクのカードでなければなりません。2枚以上出す場合には、全部同じランクのカードでなければなりません。プレイして手札が3枚より少なくなったら、3枚になるように山札から補充します。

 上記のように出せるカードがない場合や、出したくない場合には、今までにプレイされたカード(これを捨て札の山と呼ぶことにします)を全部取って手札に加えなければなりません。そのあとは、次のプレイヤー(左隣のプレイヤー)が自由に1枚のカードか同ランクの何枚かのカードを出し、同様にプレイを続けます。

 プレイが終わって手札が3枚より少ない場合には、必ず山札から補充しますが、十分な山札がない場合には、あるだけ補充するだけです。全く山札がなくなってもプレイは続きますが、補充は行えなくなります。

 自分の番のときに、手札が1枚もない場合には、表向きのテーブルカードからプレイします(手札に加えるわけでなく、直接プレイを行います)。テーブルカードから出せるカードがない場合(や出したくない場合)には、捨て札の山を全部取って手札にしなければなりません。ただしこの場合、捨て札の山を取る前に、表向きのテーブルカードを1枚、捨て札の山に加えることができます(つまりテーブルカードが手札に移ることになります)。手札が再び全部なくなるまで、テーブルカードを出すことはできません。

 自分の番のときに、手札も表向きのテーブルカードもない場合には、裏向きのテーブルカードの一番上のカードを必要な枚数表にしてプレイします。これが正しいプレイである場合(直前のカードより強いカードまたは強い同位カードの場合)には、そのままプレイが続けられます。そうでない場合には、捨て札の山を全部取って手札にしなければなりません。ただし、プレイしたテーブルカードは戻されません(手札に入ることになります)。

 最初に、手札もテーブルカードもなくなったプレイヤーの勝ちです。ただし、最後にテーブルカードをプレイして、それが正しいプレイでなかった場合には、捨て札の山が手札になるので、プレイは続行されます。

特殊カード

 のカード: のカードはいつでもプレイできます。のカードのあとには、どのカードでもプレイすることができます。ただし何枚かの同位カードがプレイされている場合には、同じ枚数のを出す必要があります。

 10のカード: 通常通りプレイします。プレイされたら、捨て札の山は全部取り除かれて、プレイで使われなくなります。そのあと、10を出したプレイヤーが、もう1度、自由にプレイを行うことができます。

 4枚のセット: 同じランクの4枚のセットを一度にプレイしたり、前にプレイしたカードと合わせて、捨て札の山の上部に同じランクの4枚のセットができた場合、10のカードを出したときと同じように、捨て札の山は取り除かれ、4枚のセットを作ったプレイヤーがもう一度自由にプレイします。

 ジョーカー: ジョーカーは6人プレイのときだけ使われます。ジョーカーはいつでもプレイできます(ただし何枚かの同位カードがプレイされている場合には、同じ枚数のジョーカーを出す必要があります)。ジョーカーをプレイするとプレイの順序が変ります(時計回り→反時計回り、反時計回り→時計回り)。次のプレイヤーは、ジョーカーの前に出されたカード(つまり自分の出したカード)と同じかそれ以上のランクのカードを出さなければなりません。最初にジョーカーがプレイされると、逆回りになり、次のプレイヤーはどのランクのカードでも出すことができます。


バリエーション

ディール

 最初に3枚ずつのテーブルカードを配り、次に6枚ずつ手札を配り、その中から3枚を選んで表向きのテーブルカードとするやりかたも一般的です。

シットヘッド

 手札とテーブルカードがなくなったプレイヤーはプレイを抜けていき、最後の1人が残るまでプレイが続くというやりかたもあります。

 最後の残ったプレイヤーはシットヘッドと呼ばれます。つぎのプレイのディーラーをするだけでなく、お茶をいれたりとかいう役割をさせられたりします。

Ciaran Gultniecks氏のルール