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スカーニー(Skarney)

2014/6/6 赤桐裕二

 マジシャンでゲームについての著作も多いJohn Scarne氏が1967年ごろに作ったゲームです。ラミーの一種ではありますが、独特なルールです。

 ルールはScarne氏の書著"Skarney"や氏のその他の著書によります。


人数

 4人。向かい合ったプレイヤーがパートナーになります。2人~4人で個人戦をすることもできますが、それは後で説明します。

ゲーム

 7ディールを行ってゲームが終了します。累計得点の大きいチームの勝ちになります。

カード

 通常の52枚のトランプにジョーカー2枚を加えたものを2組使います。全部で108枚になります。

 カードのランクは10Aの順です。

メルド

 プレイの目的は、カードの特定の組み合わせをできるだけ作ってテーブルに出すことです。これをメルドと呼びます。2種類の組み合わせがあります。

1.グループ(Group)

 同じランクのカードの3枚以上の集まりです。例えば、Jを3枚とか、を4枚とか、を3枚とかです。同じスートのものでもかまいません。例えばHJSJSJも認められます。

2.シークエンス(Sequence)

 同じスートの3枚以上の続いたカードです。例えば、C10CCとか、HHHHHとかです。

 の上のカードとして--というように使います。の下のカードとして--というよう使うことはできません。--というようにすることもできません。

 同じカードを別の組み合わせに使うことはできません。DDDC7、Sとあっても、DDDDCSの2つの組み合わせができているわけではありません。

ワイルドカード(Wild Card)

 すべてののカードとジョーカーはワイルドカード(代札)となり、どのカードの代わりにでも使うことができます。例えば、CQHCACQCKCAというシークエンスになります。なお、例えばH10HJにワイルドカードを加えるときは、ワイルドカードはHとしてもHQとしても使えますが、テーブルに置くときには、ワイルドカードをHとして使うときはH10の横に置き、HQとして使うときはHJの横に置くというように、必ずワイルドカードがどのカードの代わりになっているかがはっきり分かるように置かなければなりません。

 ワイルドカードは、もちろんグループを作るときにも使えます。この場合は、ワイルドカードが何のカードの代わりになっているかは、はっきり示しません。単に、同じランクのカードとして扱います。

 ワイルドカードは1つのメルドに1枚までしか使うことができません。SSSというようにを普通に使った場合でも、ワイルドカードとして扱います。

 ワイルドカードだけのグループを作ることもできます。ジョーカーを3枚以上またはを3枚以上です。ジョーカーを混ぜることはできません。

最初のメルド(Contract Meld)

 各ディールで、各チーム(2人のパートナー)が最初のメルドを作るときには、次のどちらかを一度に作って出さなければなりません。

  1. 3組の3枚のグループ
  2. 3組の3枚のシークエンス

 ただし、4ディール目以降からは、次のようになります。

  1. 4組の3枚のグループ
  2. 4組の3枚のシークエンス

 最初のメルドの時には、これ以上の組や枚数のグループ/シークエンスを作ることはできません。なお、1人が最初のメルドを作ったら、そのパートナーも最初のメルドができている事になります。

ディール

 最初のディーラー任意に決めます。次回からは時計回りに交替します。

 ディーラーは、各プレイヤーに時計回りに1枚ずつ11枚のカードを配ります。残りのカードは山札として裏向きにテーブル中央に置きます。

プレイ

 ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順にプレイを行います。自分の番のときには次のプレイを行います。

1.ドロー

  まず、山札の一番上のカードを1枚取り、手札に加えます。これをドローと呼びます。

2.ワイルドカード交換

 相手チームが作ったメルドの中にワイルドカードがあるとき、それが代わりをしているカードが手札にあるときには、その手札のカードとワイルドカードを交換することができます。例えば、DジョーカーDDというメルドが相手チームにあり、Dが手札にあれば、手札とジョーカーを交換することができます。交換したワイルドカーは手札に入り、すぐに使わなくてもかまいません。グループの中のワイルドカードは、そのランクのどのカードとも交換できます。

 ワイルドカードだけのメルドの場合には、交換はできません。また、自分や自分のパートナーが作ったメルドについては、このような交換はできません。

 この交換は、次の「3.メルドとレイオフ」のプレイを行っている時や行った後にも、行うことができます。最初のメルドを作っていなくても、交換できます。

3.メルドとレイオフ

 自分のチームがまだ最初のメルドを行っていなければ、最初のメルドを作ることだけが許されます。

 既に最初のメルドを行っていたら、つぎの1)2)のプレイを、順序は無関係に、何度でも行うことができます。

 1)手札からメルドを作って、テーブルに表向きに出す。

 2)自分または自分のパートナーの作ったメルドに、1枚または2枚のカードを付け加える。これをレイオフ(Layoff)と言います。付け加えることができるのは、付け加えてもメルドの条件を満たすカードだけです。既にワイルドカードが1枚あるメルドに、ワイルドカードをレイオフすることはできません。自分の番のときに1つのメルドに付け加えることができるカードは2枚以内です。相手チームのメルドにレイオフすることはできません。

4.捨て札

 プレイの最後に、プレイヤーは手札から1枚のカードをテーブルに表向きに出して、左隣のプレイヤーに見せます。左隣のプレイヤーは、そのカードが欲しければ、それを取って手札に入れて終わりとなります。欲しくないと言ったときは、その左隣のプレイヤーから時計回りの順に、カードが欲しいかどうか聞いていき、欲しいプレイヤーが取って手札に入れて終わります。誰も取らなかった時は、カードを出したプレイヤーがそれを手札に戻して終了します。(ここで述べたプレイを捨て札と呼んでおきます。)

 ただし、出したカードがAまたはワイルドカードであった時は、左隣のプレイヤーだけに欲しいかどうか聞き、欲しくなければ手札に戻して終了します。左隣のプレイヤーがそのカードを取ったら、そのあとすぐに行われる左隣のプレイヤーの番のとき、山札からカードをドローすることはできなくなります(Aまたはワイルドカードを取った時以外では、カードを取っても山札からドローできます)。

 なお、捨て札を取得したプレイヤーは、そのカード(またはそのカードと同スート同ランクのカード)を、次の自分の番で捨て札することはできません。

 手札が1枚しかないときには、上記のプレイ(捨て札)は行いません。手札が1枚だけであるということを宣言して、自分のプレイを終了します。

スカーニー(Skarney/Rummy/上がり)

 メルドまたはレイオフを行って手札が1枚もなくなったら、そのディールのプレイは終了します。これをスカーニー(上がり)と言います。なお、スカーニーにする前に、自分のパートナーに、スカーニーにしても良いかどうかを聞くことができます。パートナーは、これに対して、「はい」または「いいえ」でのみ答えなければなりません。聞いたプレイヤーは、その答えに従わなければなりません。

 山札の最後のカードを取って、そのプレイヤーもスカーニーにならなかった時は、捨て札のプレイを行わないで、そのディールのプレイ終了とします。

得点

 得点は、スカーニーの点数、メルドしたカードの点数、手札のカードの点数(マイナス点)の合計です。

スカーニーの点数(Hand Bonus)

 スカーニーを行なったチームには、ハンド・ボーナスとして次の点数がつきます。何ディール目のプレイかにより点数が変わります

第1ディール~第3ディール100点
第4ディール200点
第5ディール300点
第6ディール400点
第7ディール500点

 どのチームもスカーニーにならなかったときは、メルドしたカードの点数(後述)の多い方が、上記のハンド・ボーナスを得ます。もし、同点なら、このディールは無効となり、同じディーラーが配り直して、ディールをやり直します(例えば、第3ディールでこれが起きると、第3ディールをやり直します)。

シャットダウン・ボーナス(Shutdown Bonus)

 次の条件を満たしてスカーニーを行なったら、シャットダウン・ボーナスとして200点を得ます。

  1. 第4ディール以降である。
  2. 相手チームが最初のメルドを行っていない。
  3. 自分のチームの最初のメルドでスカーニーになる。

メルドの点数

  両チームは、自分のメルドしたカードの合計点数を得点します。各カードの1枚の点数は次の通りです。

ジョーカー(ジョーカーだけのグループのとき)100点
ジョーカー(上記以外)50点
(2だけのグループのとき)50点
(上記以外)25点
A15点
KQJ10 10点
5点

手札の点数

 スカーニーにならなかったチームは、手札のカードの点数がマイナス点となります。(スカーニーになったプレイヤーのパートナーは、これを数えません。)

ジョーカー100点
50点
A15点
KQJ10 10点
5点

個人戦(Scarney Single)

 2人~4人の個人戦をすることもできます。本文のルールとの違いは次の通りです。

  1. ワイルドカードの交換は、自分以外の誰のメルドともすることができます。
  2. レイオフできるのは自分のメルドだけです。
  3. シャットダウンボーナスがもらえるのは、自分以外の誰もスカーニーしていないときだけです。

CardsAnddominoes.com(http://cardsanddominoes.com/)にもルールが載っていますが、本文のものと次のような違いがあります。

  1. Aのシークエンスも可能です。
  2. 捨て札を取得したプレイヤーが、そのカードを次の自分の番で捨て札することはできないとういうルールはありません。
  3. スカーニーにする前にパートナーにスカーニーにして良いかどうか聞いてもよいというルールはありません。
  4. どちらもスカーニーにならないでメルドも同点のとき、そのディールは同点として点数を記入し、次の回のディールに移ります。
  5. シャットダウンボーナスは、相手が最初のメルドをしていないときにスカーニーにすれば、かならず貰えます。

 なかよし村で、2015年6月6日にプレイしました。かなり考えさせるゲームで、とても面白くプレイできました。捨て札を普通に行わないことや、相手のメルドのワイルドカードを取ることができることが主な特徴のラミーゲームですが、捨て札をして上がることができないということが、意外に重要なルールでした。