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シュミア(Schmier)

2007/7/7赤桐

 シュミア(Schmier)またはスミア(Smear)と呼ばれます。ピッチなどの仲間のトリックテイキングゲームです。米国のミネソタ州やウィンスコンシン州、カナダのオンタリオ州などでプレイされているようです。ここではミネソタ州セントポール市で行われているルールを紹介します。

 ルールはJohn McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によります。


人数

 6人。1人おきに座った3人のプレイヤーがチームを組みます。5人ゲームもありますが、あとで説明します。

カード

 普通の52枚のトランプにジョーカー1枚を混ぜて使用します。

 切札以外のカードの強さは、次の通りです:

  (強い)10(弱い)

 切札のスートのカードの強さは次のようになります。

  (強い)正J10ジョーカー(弱い)

 「正J」と書いたのはその切札のスートのジャックで、ライト・バウアー(Right Bower 正ジャック)と呼ばれます。

 このゲームでは、切札のスートと同じ色のスートのジャックも切札になります。上記の「裏J」となっているのがそれですが、レフト・バウアー(Left Bower 裏ジャック)と呼ばれます。例えば、ハートが切り札ならば同じ色のスートつまりダイアモンドのジャックがレフト・バウアーです。

 ジョーカーは切札のスートに属し、最も弱い切札となります。

ディール

 最初のディーラー任意のやり方で決めます。ディーラーは ディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。

最初のカード配り

 まず、ディーラーは、各プレイヤーに、手札が6枚になるように配ります。

ビッド

 手札に6枚カードが配られたら、ディーラーの左隣の人から時計回りの順に、各プレイヤーが1度だけビッドまたはパスを行います。

 ビッドは自分のチームが取れると思う点数に基づいて、3から6までの数を宣言します。ただし、自分より前になされたビッドより大きい数でなければなりません。

 ビッドしたくなければパスといいます。

 最も大きな点数をビッドしたプレイヤーが、ビッダーとなり、どのスートを切札にするかを宣言します。

 全員がパスをした場合には、同じディーラーによる配り直しとなります。

2回目のカード配り

 ディーラー以外の各プレイヤーは3枚までのカードを裏向きに捨て札することができます。ただし、切札を捨て札することはできません。ディーラーは、左隣から時計回りの順に、捨て札された枚数と同じ枚数のカードを各プレイヤーに配ります。

 そのあと、ディーラーは配り残りのカードをすべて自分の手札に加えます。それから、自分の手札が6枚になるように裏向きに捨て札します。このとき切札を 捨て札してはいけません。もし7枚以上の切札があれば、最小限度の切札を捨て札することができますが、得点に関連する切札(正J裏Jジョーカー)を捨て札することはできません。

プレイ

  最も大きな点数をビッドしたプレイヤーが最初のリードを行います。

 プレイのルールは通常のトリックテイキングゲームのルールに従います。つ まり:

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのスートのカードを出します。
  2. リードされたスートのカードがなければ、どのカードを出してもかまいません。
  3. 切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます(トリックを取ります)。  
  4. 切札が出ている場合には、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。
  5. 勝ったプレイヤーが次のリードを行います。

 (ピッチのルールとは違いますのでご注意ください)

プレイによる点数

 プレイによって、次のような点数を得ることができます。

ハイ・トランプ(Highest Trump)

 切札のを取ったプレイヤーに1点。

ロー・トランプ(Lowest Trump)

 切札のをプレイした(手札にあった)プレイヤーに1点。

ライト・バウアー(Right Bower)

 切札のライト・バウアー(正ジャック)を取ったプレイヤーに1点。

レフト・バウアー(Left Bower)

 切札のレフト・バウアー(裏ジャック)を取ったプレイヤーに1点。

ジョーカー(Joker)

 ジョーカーを取ったプレイヤーに1点。

ゲーム(Game)

 取ったカードの価値の合計が一番高かったチームに1点。

 カードの価値は次の通りです:

4ポイント
3ポイント
2ポイント
1ポイント
1010ポイント
ジョーカー1ポイント

 ゲームのポイントが同点だったときは、ゲームの得点はありません。

得点

 ビッダー(最も大きな点数をビッドしたプレイヤー)のチームは、ビッドした点数以上の得点を取ったときには、取った点数が得点になります。そうでなければ、ビッドした点数がマイナス点となります。

 相手チームは取った点数がそのまま得点となります。

ゲーム

 得点を累計して、21点を先に取ったチームが勝ちます。

 両チームが21点以上を取ったら、累計点の多いチームが勝者になります。それも同じならば、最後のディールでビッダーになったプレイヤーのいるチームの勝ちです。


5人ゲーム

 各スートののカードを取り除きジョーカーを加えた45枚のカードを使います。ロー・トランプの得点は、切札ののカードをプレイした(持っていた)プレイヤーが得ます。

 1回目のカード配りとビッドは6人ゲームと同じようにします。切札指定と2回目のカード配りのあと、最も大きな点数をビッドしたプレイヤーは、特定のカード を指定(スートとランクを宣言)して、そのカードを持っているプレイヤーをパートナーにします。指名されたプレイヤーは、そのカードをプレイするまでは、 パートナーであることを黙っていなければなりません。

 指定されたカードが誰の手札にもない場合には、最も大きな点数をビッドしたプレイヤーは1人で4人相手にプレイすることになります。また、カードを指定しないで、1人でプレイすることを宣言することもできます。自分の持っているカードを指定することはできません。

 各プレイヤーは、チームで取った得点を自分の得点欄に記入します。

 得点を累計して、21点を先に取ったプレイヤーが勝ちます。


 2007年7月7日、なかよし村でプレイしました。

 オールフォーやピッチの系統のゲームはどれも面白いですが、このゲームもなかなか良かったです。数少ない6人用ゲームの1つとして貴重です。