1998/3/17 赤桐
(2000/6/21 修正)
スニップ・スナップ・スノーラムは英国や米国でプレイされている簡単なカードゲームです。少なくとも18世紀にさかのぼる古いゲームです。同様のゲームでEarl of Coventryというのもあります。
同じ名前のゲームを紹介したこともありましたが、関連はあるようですが別のゲームです。調べ直したところ、そのゲームはジグ(Jig)という名前のほう一般的なようですなので、それは今後ジグと呼んで紹介することにして、今回紹介するゲームをスニップ・スナップ・スノーラムと呼ぶことにします。
本文のルールは、ほぼJohn Scarne氏の"Scarne's Encyclopedia of Card Games"に基づいています。
3人〜8人。
普通の52枚のトランプ。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは時計回りに交替します。
ディーラーは各プレイヤーに1枚ずつカードを配り、全部のカードを配ってしまいます。各プレイヤーの手札の数は、1枚多い人と少ない人ができるかもしれませんが、かまいません。
まず、ディーラーの左隣のプレイヤーが、手札の中から任意の1枚を出します。
次に、その左隣のプレイヤーは、そのカードと同じのランクのカードを持っているれば、それを出してスニップ(Snip)と発声します。例えば、最初のプレイヤーが6を出したら、左隣のプレイヤーは6を持っていたら、それを出して、スニップと言うわけです。同じランクのカードを持っていない場合にはパスをします。
同じランクのカードを持っているときには、パスをすることは許されず、必ず出さなければなりません。2枚以上同じランクのカードを持っている場合は、どれか1枚を出します。持っていなければパスをします。
パスの場合は、その左隣のプレイヤーが同様のプレイを行います。その場合でも、出すカードが2枚目ならば、スニッフと言います。
2枚目のカードが出たら、同じように、次のプレイヤーから時計回りの巡に、同じランクの3枚目と4枚目のカードが出るまでプレイを続けます。ただし、3枚目のカードを出すときには、スナップ(Snap)と言います。4枚目のカードを出すときには、スノーラム(Snorem)と発声します。
4枚目のカードを出したプレイヤーは、手札から任意に1枚のカードを出し、上記と同じようにプレイを続けます。
自分の手札を全部出してしまったプレイヤーが出ると、その時点でプレイは終了となります。そのプレイヤーが勝者です。
最初にプレイヤー全員が、同じ数のチップを持っておきます。
プレイのとき、最初のカードを出したプレイヤーの左隣のプレイヤーがパスをしないで2枚目のカードを出した場合、最初のカードをだしたプレイヤーは、「スニップされた」ことになり、1チップをポットに出します(ポットというのはチップを集めておくためのテーブルの中の決められた場所のことです)。
同じように、2枚目のカードを出したプレイヤーの左隣が直ちに3枚目を出した場合には、2枚目を出したプレイヤーは「スナップされた」ことになり、2チップをポットに出します。
3枚目のカードを出したプレイヤーの左隣が直ちに4枚目を出した場合には、3枚目を出したプレイヤーは「スノーラムされた」ことになり、3チップをポットに出します。
自分の手札を最初に全部出したプレイヤーは、ポットのチップを全部もらうことができます。それに加えて、各プレイヤーの残っている手札1枚につき1チップを、各プレイヤーからもらいます。
何ディールか行う場合には、終わったときに最も多くのチップを持っているプレイヤーの勝ちとなります。何ディールで終わりにするかは特に決められてはいません。
子供のゲームとしてプレイするときには、チップを使わず、単に最初に手札を全部出したプレイヤーの勝ちとすることが多いようです。また、「スニップされた」などでチップを出すことはなく、残った手札によるチップのやりとりだけがあることもあります。
Phip Wiswell氏の"Kid's Games"ではチップを使わないやりかたを主に紹介していますが、オプショナルルールとして、パスをするたびにポットに1チップずつ入れていくやりかたが紹介されています。勝ったプレイヤーがポットのチップをもらいます。それ以外のチップのやりとりはありません。
「スニップされた」などでチップを出すやりかたは、最近はあまり行われていないかもしれないのですが、面白そうなので本文で採用しました。
David Parlett氏の"A Dictionary of Card Games"では、本文のやり方に加えて、パスをするたびに、その前にカードを出したプレイヤーに1チップを渡すというルールになっています。
"Scarne's Encyclopedia of Card Games"によれば、スニップ、スナップ、スノーラムなどと声をだすのは、古い伝統的なやり方であり、そうしない人も多いということです。
Andrew Pennycook氏の "The Puffin Book of Indoor Games"によれば、同じランクのカードを2枚以上持っている場合、次の2つのルールが存在するとのことです(本文のように必ず1枚を出すというルールは書かれていませんでした)。
Walter B.Gibson氏の"Hoyle's Modern Encyclopedia of Card Games"には、Earl of Coventryの紹介があります。スニップ・スナップ・スノーラムと同様のゲームですが、本文のルールと次の点が違います。
このゲームの名前は Snip-Snap-Snorum とも綴ります。