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シュパーディ(Spady)

1997/12/5 赤桐

 シュパーディは、チェコのボヘミアのゲームです。イタリア生まれのトラッポラというゲームの一種です。

 現在ではプレイされていないようですが、比較的最近まではプレイされていました。ルールは1969年にプラハで出版された本を基にしたMichael Dummett氏の記述に従いました。

 絶滅してしまったゲームとは思えないほど面白く遊べるゲームです。


プレイヤー

 4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 通常の52枚のカードから、各スートを除いた36枚のカードを使います。

 元来は、今のイタリアパックのカードと同じようなカードが使われました(数札の構成は全く異なりますが)。

 カードの強さは、強いものから順に、10です。

 カードの点数は:

エース6点
キング5点
クイーン4点
ジャック3点
それ以外0点

ディール

 最初のディーラー任意の方法で決めます。次回からは順に時計回りに交替します。

 ディーラーは、配る前にカードをカットして上半分の一番下にあるカードを見せます。このスートがそのディール切札になります。(このあと、シャッフルしなおしてから配ってよいのだと思います。)

 ディーラーは各プレイヤーに3枚ずつ9枚のカードを配ります。

 ディーラーの左隣のプレイヤーは、すぐに最初のリードを行います。しかし、他のプレイヤーがプレイを続ける前に、手役の宣言が行われます。なお、最初のリードは切札ではいけません。

手役の宣言

 ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、手役の宣言を行います。手役は次のものがあります。

手役の名前点数説明
3枚5点が3枚、が3枚、が3枚、が3枚、が3枚のいずれかが手札にあるとき
4枚10点が4枚、が4枚、が4枚、が4枚、が4枚のいずれかが手にあるとき
ブランシュ(Blanche)5点手札にがないとき
ビアンカ(Bianca)10点手札にがないとき

 手役の宣言をしても、手札を見せる必要はありません。ただし、3枚、4枚のときには、どのランクであるかを言わなければなりません。「の4枚」などと宣言するわけです。なお、3枚のときに、どのスートが欠けているかを知らせる必要はありません。

 宣言が終わると、プレイを続けます。

プレイ

 既に述べたように、宣言の前に、ディーラーの左隣がリードを行います。このリードのカードは切札であってはなりません。

 プレイはトリックテイキングゲームのルールに従って行われます。

 フォローの規則は次の通りです:

  1. リードされたスートのカードがあれば、出さなければなりません。リードされたスートがなくて切札がある場合には、切札を出さなければなりません。リードされたスートも切札もない場合には、どのカードを出してもかまいません。
  2. 上記のルールの範囲内で、今までに出たカードに勝てるカードがあれば、出さなければなりません。

得点

 プレイが終わると、各チームは取ったカードの点数の合計を計算します。最後のトリックを取ったプレイヤーは、これに6点を加えます。

 両チームのこの点数の合計は78点になりますが、その過半数つまり40点以上を取ったほうのチームが、10点を得点します。

 カードの点数が直接得点となるわけではない点に注意してください。

 さらに、のランクのカードを出して、そのカードでトリックに勝った場合、次の得点があります。

)最初のトリックを(切札の)で勝った場合20点
)最後のトリックをで勝った場合10点
)最後の2トリック1つのチームが続けてで勝った場合20点
)それ以外のトリックをで勝った場合5点

 ハートが切札だった場合には、手札宣言の得点を除くすべての得点を2倍にします。

 カードの点数(+最後のトリックの6点)がどちらも39点で同点の場合、どちらもそれに対する10点の得点はありませんが、次のディールでは、手札宣言の得点を含めたすべての得点が2倍になります(ハートが切札だった場合には、上記のように、手役宣言の得点を除くすべての得点がさらに2倍になります)。

 なお、手役宣言の得点含めてすべての得点は、片方のチームが得点したときには、相手チームをその分マイナス点にして、両チームの合計点が常に0になるようにします。

ゲーム

 ゲームの終了についての決まったルールはないようです。


3人ゲーム

 3人でプレイするときには、12枚ずつカードを配り、各プレイヤーが1人でプレイします。

 詳しい得点方法は分かっていません。


 Spady の S の上には読み分け記号が、a の上にはスラッシュがつきます。