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テレフンケン(Telefunken)

2011/1/8 赤桐

南アメリカの諸国、とくにベネズエラ、エクアドル、ペルー、ボリビア、コロンビアでプレイされているゲームです。コントラクト・ラミーの仲間のゲームです。

ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)のものに従いました。


プレイヤー

通常4人でプレイします(3人や5人でもプレイできそうです)。

カード

52枚のトランプを2組と、4枚のジョーカーを使います。つまり、108枚のカードを使います。

カードのランクは(低)10(高)の順です。は最も下のカードとしても最も上のカードとしても使えるわけです。

カードの点数は次の通りです。この点数はプレイの最後にこれらのカードが手札に残っていたときの罰点です。

カード 点数
ジョーカー 15点
11点
Q 10点
10 その数字の点数

ポーカーチップ

ゲームの初めに、各プレイヤーは7個のポーカーチップを持ちます。

メルド

特定の組み合わせの1組のカードのことです。ただし、このゲームでは表向きにテーブルに出さないとメルドとは認められません。

このゲームの目的は、手札からメルドを作っていくことです。

メルドには次の2種類があります。

[セット(set、またはグループGroup)]

3枚以上の同じランクのカードです。例えば、HSCの3枚はセットになっています。同じスートのカードがあってもかまいません。

[ラン(run、またはシークエンス Sequence)]

同じスートの3枚かそれ以上の続き札のことです。例えば、SS10Sの3枚はランになっています。

エース)はの下のカードとして、--というようにつながります。また、の上のカードとして--というようにもつながります。しかし、--というようにはつながりません。

ジョーカー

ジョーカーワイルドカード(代札)です。メルドにおいて、どのカードの代わりにでも使うことができます。

ジョーカーを使うときにはどのカードの代わりにするかがはっきり分かるようにしなければなりません。ただしセットのときにはどのスートのカードの代わりにするかを言う必要はありません。(つまり、セットはランクを指定すればよく、ランはスートとランクを指定します)。

ジョーカーの使用制限はありません。

ディール

最初のディーラー任意に決めます。次回からは反時計回りに交替します。

配る前に、ディーラーの左隣のプレイヤーはカードをカットします。半分にされた山のうち、もともと上半分であったカードの最も下の3枚のカードを、カットしたプレイヤーはこっそり見ることができます。この3枚のなかにジョーカーが含まれていたらそれを全員に見せて自分の手札にすることができます。2枚以上ジョーカーがあったら、それを全部手札にすることができます。ジョーカー以外のカードは元に戻します。

そのあと、ディーラーは下半分のカードを手に取って、各プレイヤーに1枚ずつ11枚のカードを配ります。左隣のプレイヤーがジョーカーを取っていたら、そのプレイヤーにはその分少なく配ります。そのあと、1枚のカードを表にして最初の捨て札としてテーブル中央に置きます。その横に上半分だったカードの束を裏向きのまま置き、その上に配り残りのカードを裏向きに置きます。これが山札になります。

配る途中にカードがなくなったら、上半分のカードの一番上から配り続けます。もし、テーブル中央に最初の捨て札となるカードを配った時に、ちょうど下半分のカードがなくなったら、カットしたプレイヤー(ディーラーの左隣のプレイヤー)は、ポーカーチップを1つもらうことができます。

プレイ

プレイは反時計回りに行われます。最初にプレイするのはディーラーの右隣のプレイヤーです。

各プレイヤーのプレイは次のように行います。

)まず、山札の一番上のカード1枚取って手札に加えます。これをドロー(Draw)といいます。

例外として、ディール後の最初のプレイつまりディーラーの右隣のプレイヤーの最初のプレイに限り、山札の一番上のカードを取らないで、捨て札のカードを取ることができます。

)次に、可能ならば、メルドを作ったり、レイオフというプレイをすることができます。可能な場合でも、しなくてもかまいません。レイオフとは自分または他のプレイヤーのメルドにカードを付け加えることです。もちろん、付け加えてもメルドの条件を満たしていることが条件です。後で詳しく説明します。

)最後に、手札から1枚のカードを捨て札します。捨てるカードは捨て札の山の上に表向きに置きます。

メルドの作り方

手札でセットやランの組み合わせになっているカードをテーブルに表向きに置けば、メルドとなります。

このゲームでは各プレイヤーが最初にメルドを作るためにはコントラクトの内容通りのメルドを1度に出さなければなりません。次の表のように何ディール目かでコントラクトの内容は変わります。

ディール順 コントラクト
1 3枚の「純粋なセット」を1組 (*1)
2 3枚のセットを2組
3 4枚のセットを1組
4 4枚のセットを2組
5 5枚のセットを1組
6 5枚のセットを2組。プレイの前に交換を行う(*2)
7 3枚のセットを1組と7枚かそれ以上の長さのランを1組。

例えば、2回目のディールでは「3枚のセットを2組」となっていますので、3枚のカードからなるセット2組を一度に出さなければなりません。

コントラクトのためのメルドは、枚数が上記内容よりも多くても少なくてもいけません。「4枚のセット」となっていたら、3枚ではダメなのはもちろんですが、5枚や6枚になっていてもいけません(ただし「以上」となっているものは枚数が多くてもかまいません)。メルドにジョーカーが入っていてもかまいません。

ただし、最初のメルドと同時に、コントラクトとは無関係な別のメルドを作ることは可能です。また、他のプレイヤーのメルドにレイオフを行ってもかまいません。

最初のメルドの次の番からは、自由にメルドを作ることができます。最初のメルドに対してレイオフすることもできます。

(*1)1ディール目の「純粋なセット」とは、ジョーカーを含まない、全部別のスートの3枚のカードです。あとで、このセットにレイオフを行う時には、3枚とは別のスートのカードを1枚だけレイオフすることができます。ジョーカーをレイオフしたり、5枚以上のセットにすることはできません。なお、純粋なセットとは1ディール目のコントラクトのためだけに必要です。

(*2)6ディール目のプレイを行う時には、ディールの後に、各プレイヤーは不要のカードをすべて捨て札することができます。ディーラーは捨て札されたカードをすべて集めてシャッフルし、各プレイヤーの手札が再び11枚になるように配ります。

(*3)7ディール目では、手札の1枚を除く全部のカードをメルドして、最後の1枚を捨て札しなければなりません。あるいは、全部のカードをメルドしてもかまいません。つまり、コントラクト達成と同時に手札をすべてメルドか捨て札して、プレイを終わらせなければなりません。

 レイオフ(laying off)

レイオフとは自分または他のプレイヤーのメルドにカードを付け加えることです。もちろん、付け加えてもメルドの条件を満たしていることが条件です。

例えばHSSのセットがあるならば、手札にDを持っていれば、それをレイオフすることができます。また、CC10CCQのランに対して、CKCをレイオフすることができます。

ジョーカーをレイオフすることも自由にできます。

ジョーカーの交換

特別なレイオフとして、ジョーカーを含んだ自分または他のプレイヤーの作ったセットについて、ジョーカーの代わりに2枚の同じランクのカードを置き、ジョーカーを手札に入れることができます。

また、ランについては、ジョーカーがランの端のカードだった場合に限り、そこに置くことができるカードを置き、ジョーカーをそのランの別の場所に移すことができます(手札に入れることはできません)。ジョーカーを移す場所がなければ、これを行うことはできません。

バイ(buy買う)

他のプレイヤーが捨て札をしたとき、誰でも「バイ」と宣言してそのカードを取ることができます。そのためにはポーカーチップを1枚使わなければなりません(使ったポーカーチップは相手に渡すのではなく、捨てられます)。さらに、1枚のカードを山札の一番上から取らなければなりません。

2人以上がバイを宣言した時は、ディーラーの右隣のプレイヤーが最も優先権があり、そこから反時計回りの順に優先度が下がります。

バイは通常のプレイの番とは無関係に行います。バイのあとは、通常通り、捨て札を行ったプレイヤーの右隣がプレイを行います。

自分のメルドを作っているプレイヤーは、バイを行うことはできません。 もちろん、ポーカーチップを持っていないプレイヤーもバイを行うことはできません。

プレイの終了

誰かがメルドやレイオフや捨て札によって手札がなくなると、プレイが終了します。つまり、捨て札をしないで手札がなくなっても、捨て札をすることにより手札がなくなってもかまいません。

山札がなくなった場合

プレイヤーが山札を取ろうとしたときに山札が一枚もなかった場合には、ディーラーが捨て札をすべて取り、シャッフルして山札とします。

得点

手札がなくなったプレイヤーを除いて、各プレイヤーはメルドしていない自分の手札の点数を合計して、罰点として記入します。手札の中でセットやランになっていても罰点を減らしたりはしません。

ゲーム

7ディール終わって、罰点の合計の最も少ないプレイヤーが勝ちになります。残ったポーカーチップは勝敗には関係しません。


2011年1月8日、なかよし村でプレイしました。

他のコントラクトラミー系統のゲームと同じように、とても楽しめるゲームでした。