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トゥテ・ガナ・ピエルテ(Tute Gana-Pierde)

2007/1/6 赤桐

 スペインでプレイされているトリックテイキングゲームです。トゥテの一種ですが、プレイの目的が違います。4〜5人でプレイする場合と、3人プレイではルールがかなり違うので別々に説明します。

 ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によります。


4-5人ゲーム

人数

 4人または5人。

カード

 普通のトランプから各スートの10のカードを取り除いた40枚のカードを使います。正式にはスパニッシュパックのカードを使用します。

 各スートのカードの強さは:

 (強)(弱) の順です。

[HA][H3][HK][HQ]HJ][H7][H6][H5][H4][H2]

点数

 各スートの以下のカードをトリックで取ると、次の点数がつきます。その他のカードには点数がありません。

エース
11点
10点
キング
4点
クイーン
3点
ジャック
2点
最後のトリック
10点プラス

 全点数は130点になります。

ディール

 最初の ディーラー任意のやり方 で決めます。 ディーラーは反時計回りに交代します。

 通常、ディーラーの右隣のプレイヤーがシャッフルし、左隣のプレイヤーがカットします。ディーラーは右隣のプレイヤーから配り始め、各プレイヤーに1枚ずつ全部のカードを反時計回りに配ります

 ディーラーが自分に最後に配るカードは表向きにします。そのカードのスートが切札になります。全員がそのカードを見終わったら、ディーラーはそれを自分の手札に入れます。

プレイ

 ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードを行い、トリックテイキングゲームのルールに従ってプレイします。ただし、プレイは反時計回りです。

 切札がプレイされている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーがトリックに勝ちます。切札が1枚も出ていない場合には、リードされたスートで最も強いカードを出したプレイヤーがトリックに勝ちます。

 フォローの規則は次のようになります:

  1. リードされたスートのカードを持っていれば、そのスートのカードのどれかを出さなければなりません。持っていなければ、それ以外のスートのカードを出すことができます。
  2. 上記1の規則を守った上で、そのトリックで今までにプレイされているどのカードにも勝てるカードが出せる場合には、それを出さなければなりません(そのようなカードを何枚か持っていたら、そのうちどれを出してもかまいません)。勝てるカードが出せない場合には、1の規則の範囲内で、どのカードを出してもかまいません。

 あるトリックに同じスートのキングとクイーンが出た場合には、このトリックを取ったプレイヤーは20点を追加でもらいます。切札のキングとクイーンだった場合には40点になります。

ロス・カンティコス(los canticos)

 同じスートのキングとクイーンを手札に持っているプレイヤーはこれを宣言して20点を得ることができます。例えば、スペードのキングとクイーンをを持っていれば、「スペードの20」と宣言してカードを見せます。切札のキングとクイーンを持っているプレイヤーは40点を得ることができます。この場合は単に「40」と宣言してカードを見せます。

 このような宣言はそのプレイヤーがトリックに勝った後で、次のリードを行う前にしかできません。一度に宣言できるのは1組のキングとクイーンだけです。切札のキングとクイーンの組とそれ以外のキングとクイーンの組の両方を持っている場合、切札以外のキングとクイーンを先に宣言してしまうと、後で切札のキングとクイーンを宣言することはできなくなります。

 ロス・カンティコスの宣言は行わなくてもかまいません。

点数計算

 プレイが終わったら各プレイヤーは次の点数を合計します。

 101点以上取ったプレイヤーがいたら、そのプレイヤーが勝ちとなり、他のプレイヤーはすべて負けとなります。 

 101点以上取ったプレイヤーがいない場合、最も点数をたくさん取ったプレイヤーが負けとなります。同点の場合は、同点のプレイヤーの中に最後のトリックをとったプレイヤーがいたら、そのプレイヤーが負けとなります。いない場合には、最後のトリックを取ったプレイヤーから反時計回りの順で近いプレイヤーが負けとなります。

ゲーム

 ディール終了後、決められた回数(6回など)負けたプレイヤーが出たら、そのプレイヤーが敗者となってゲームは終了します。


3人ゲーム

人数

 3人。

カード

 普通のトゥテ用のカード(普通のトランプから各スートの10のカードを取り除いた40枚のカード)からさらに各スートのを除いた36枚のカードを使います。

 カードの強さや点数は4〜5人用ゲームと同じです。

ディール

 4〜5人用ゲームと同様に配りますが、最後のカードを表向きにはしません。各プレイヤーの手札は12枚になります。

プレイ

 プレイの規則は4〜5人用ゲームと同様です。ただし、プレイの最初は切札なしでプレイします。

 1つのトリックに同じスートのキングとクイーンがプレイされた場合、そのトリックを取ったプレイヤーは40点を追加で得ます。さらに、そのキングとクイーンのスートが次のトリックから最後まで切札になります。

 この後、あるトリックに同じスートのキングとクイーンが出た場合には、このトリックを取ったプレイヤーは20点を追加でもらいます。

ロス・カンティコス(los canticos)

 このゲームではロス・カンティコスの宣言や得点はありません。

点数計算

 プレイが終わったら各プレイヤーは次の点数を合計します。

 3人の中で真ん中の点数のプレイヤーの負けとなります。

 2人が同点の場合には点数の高いプレイヤーが負けになります。つまり、同点の2人がもう1人よりも点数が低かった場合には、同点でないプレイヤーが負けとなります。同点の2人がもう1人よりも点数が高かった場合には、同点のプレイヤー2人が敗けになります。 

ゲーム

 4〜5人用ゲームと同様、ディール終了後、で決められた回数(6回など)負けたプレイヤーが出たら、そのプレイヤーが敗者となってゲームは終了します。


 2006年12月2日なかよし村でプレイしました。同じトリックに同じスートのキングとクイーンがでると大きな点数になるというのがこのゲームの興味深い点です。意外と簡単にこれが起こります。とは言え、カードの点数だけでも1トリックが20点以上になることは珍しくないので、これにあまりとらわれないほうが良いかもしれません。