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バナキル(Banakil)

2017/7/1 赤桐

ヨルダンやパレスチナでプレイされています。 ラミーの系統で、メルドがプラス点、手札がマイナス点になるゲームですが、 独特のルールがあります。

ルールはPagat.comによります。


人数

2人〜4人。4人のときは向かい合った2人がパートナーになります。

カード

52枚の通常のカード2組に2枚のジョーカーを加えた106枚のカードを使用します。

メルド(meld)

このゲームの目的は、特定の組み合わせのカードを手札からテーブルに出すことです。 これをメルドと言います。

メルドにはシークエンス(sequence)とセット(set/group)の2種類があります。

シークエンス

3枚以上の同じスートの続き札です。 たとえば、H-H-H などです。

ジョーカーとはワイルドカードとなり、ほかのどのカードの代わりにでも使えます。 ただし、1つのシークエンスのメルドにはジョーカーとはそれぞれ1枚しか使うことができません (ジョーカー1枚とが1枚の計2枚を使うことは可能です)。

は本来の位置では使うことができないので、--とはつながりません。 カードの続き順は次のようになります。

  10

セット

このゲームでは、が3枚または4枚、および、が3枚または4枚のときだけセットのメルドとなります。 同じスートのカードは1枚しか使うことはできません。

ジョーカーはワイルドカードとして1枚だけ使うことがきますが、はワイルドカードとはなりません。

レイオフ(lay Off)

手札は、メルドにするだけでなく、自分やパートナーのメルドに付け加えることもできます。 これをレイオフ(付け札)と呼びます。 レイオフできるのは、メルドに加えたときに、上記のメルドとしての条件を満たす場合だけです。 ワイルドカードをレイオフすることもできます。

シークエンスでワイルドカードが端の位置にある場合には、逆の端に位置を変えてからレイオフすることができます。 例えば、H-C-Cのとき、 C-C-Hとしてから、 C10をレイオフすることができます。

3枚のセットでジョーカーが1枚含まれている場合には、このセットの他の2枚のカードのスート以外のスートであれば、レイオフできます。 (つまり、ジョーカーにはスートは指定されていません)。

交換

シーケンスにジョーカーが含まれる場合、 そのジョーカーが代わりをしているカードが手札にあれば、 その手札とジョーカーを交換することができます。 交換したジョーカーはそのメルドや他のメルドへレイオフすることもできますが、 手札に入れてもかまいません。 セットのジョーカーは、このような交換はできません。 も交換できません。

シークエンスでワイルドカードが端の位置にある場合には、逆の端に位置を変えてからジョーカーと手札の交換をすることができます。 例えばJoker-S-Sのとき、 S-S-Jokerとしてから、 JokerSを交換することができます。

シークエンスにジョーカーがあれば、その2枚の位置を入れ替えてから交換することもできます。 また、それらをまとめて逆の端に持っていくこともできます。 したがって、極端な場合では、D-C-Joker(5-6-7)を Joker-C-D(3-4-5)として、 手札のDJokerを交換することもできます。

ディール

最初のディーラーは任意に決めます。次回からは反時計回りに交替します。

ディーラーは右隣のプレイヤーから反時計回りの順に1枚ずつ18枚のカードを配ります。

このあと、1枚のカードをテーブルに表向きに置きます。 これは捨て札の山の最初のカードとして扱われます。 残ったカードは山札(stock)としてテーブルに裏向きに置きます。

プレイ

ディーラーの右隣から反時計回りの順に次のようなプレイを行います。

.山札または捨て札の山からカードを取ります。

山札から取るときは一番上のカードを1枚取ります。

捨て札の山から取るときは、何枚でも取ることが出きますが、必ず一番上のカードとそれより下に連続するカードを取らなければなりません。 言い換えれば、下のほうにほしいカードがあった時には、それより上のカードもすべて取らなければなりません。

他のラミーゲームと違い、捨て札を取る条件は上記のほかにはありません。

.次に、メルド(meld)およびレイオフ(lay Off)をすることができます。

メルドまたはレイオフは、両方または片方を、いくつ行ってもかまいませんし、全く行わなくてもかまいません。

メルドを1つもしていないプレイヤーはレイオフできません。 レイオフは自分またはパートナーのメルドにだけすることができます。

.最後に、自分の手札から1枚のカードを捨て札します。

捨て札するときには、捨て札の山の上に表向きに置きますが、下の全部のカードのインデックスが見えるように、少しずつずらしながら置きます。

山札または捨て札の山から取ったカードをそのまま捨て札してもかまいません。 ただし、もし、捨て札の山の一番上のカードを1枚取り、メルドもレイオフも行わないで、そのカードを捨て札する、というプレイを全員が連続して行ったら、 そのディールは無効になり、配り直しとなります。

プレーの終わり

次のいずれかが起こったら、プレイは終了します。

  1. 誰かのプレイヤーの手札がなくなったとき、そのプレイヤーの上がりでプレイは終了します。 捨て札をして手札を0にしても、メルドやレイオフの段階で手札が0になっても、どちらでもかまいません。
  2. 山札がなくなったとき、最後に山札を取ったプレイヤーのプレイが終われば、上がりでなくてもプレイ終了となります。

得点

各カードは次のような点数をもっています。

カード 点数
,,, 0.5点
,,,10,,, 1.0点
1.5点
2.0点
ジョーカー 4.0点

プレイが終わると、自分のメルドの点数の合計から、手札の点数の合計を引いたものが、各プレイヤーの得点になります(マイナス点になることもあります)。 自分のメルドの点数には、パートナーがレイオフしたカードの点数も含みます。

パートナー戦のときには、次のように得点します。

得点計算の最後に、得点は1の位に丸められます。+0.5点は1点。-0.5点は0点となります。

ゲームの終わり

誰か(どちらかのチーム)の累計点がゲームのはじめに決めていた得点に達したら、ゲーム終了です。 累計点の多いプレイヤー(チーム)の勝ちになります。

ゲーム終了の点数は、次のようにすることが多いようです。


注1

パートナー戦のとき、各チームは単にパートナー2人の得点を合計するというルールもあります。

注2

jawakar.comというオンラインゲームのサイトのルールは本文と以下のように違います。 (パートナー戦のルールです)。

  1. ディーラーが最初の捨て札を置くことはありません。 最初にプレイするプレイヤーには1枚多く配られます。 そのプレイーヤーは、カードを取らないでプレイします。
  2. ----のシークエンスが可能です。 (--は不可)。 この場合のはワイルドカードではありません。
  3. レイオフや交換のためにワイルドカードの位置を変えることはできません。
  4. メルドされたワイルドカードのを交換することもできます。 ただし交換したは手札に入れることはできず、必ずシークエンスの低位につなげなければなりません。
  5. の点数は1.5点でなく1点。
  6. 最初のメルドで上がりになったときは、相手チームが1つもメルドしていなければ101点。そうでなければ51点。 相手チームは0点。カードによる得点はない。
  7. ゲーム終了の点数は222点。