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ブロット・コントレ(Belote Contrée)

2017/8/12 赤桐

フランスでプレイされているゲームで、ブロットの一種です。ブロットはヤスの系統のトリックテイキングゲームです。

ブロット・クワンシェと呼ばれるゲームと非常に似通ったルールです。

ルールはフランス語Wikipediaなどによりました。


人数

4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

スート10の32枚。

カードのランクと点数

切札の場合 ランク 10
点数 20 14 11 10 4 3 0 0
切札以外 ランク   10  
点数 11 10 4 3 2 0 0 0

全カードの合計点は152点です。 最後のトリックを取ったチームに10点が与えられるので、それを加えると162点になります。

ブロット(belote)

切札のキングクイーンを手札に持っていれば20点が与えられます。

ディール

ドローして最も低いカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーになります。 ドローの時のカードのランクは、上から10です。 次回からのディーラーは、時計回りに交代します。

カードはシャッフルしません。

ディーラーは、カードを集め、右隣にカットしてもらった後、 左隣のプレイヤーから、時計回りにカードを配ります。 まず各プレイヤーに3枚ずつまとめて配り、次に2枚ずつまとめて配り、最後に3枚ずつまとめて配ります。 (3-3-2や2-3-3で配ってもかまいません。)

手札の点数(すべて切札以外と考えて上記の表の点数)の合計が10点以下の時は、宣言して配り直しをすることができます。 このとき、ディーラーは交代しません。

ビッド

ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順にビッドを行います。 ビッドでは取れると思う点数を10単位で宣言し、さらに切札も宣言します。 例えば「80スペード」とか、「100ハート」とか言うわけです。最低のビッドは80です。 切札のスートにランクはありません。 ビッドしたくなければパスをします。

ビッドがあったら、それ以降のプレイヤーは以前のビッドよりも高い数字のビッドしかすることができません。 10きざみですがどれだけ高いビッドをしてもかまいません。 パスをしたあとにビッドに加わることもできます。 3人が続けてパスをするとビッドが決まります。

このほかに、最も強いビッドとしてカポ(Capot)があります。 これは全トリックを取るというビッドです。 カポの時も切札のスートを宣言します。 例えば「カポのハート」などど言います。

誰かのビッドがあった後で、相手チームのプレイヤーは自分の番のときにコントレ(Contrer)を宣言することができます。 これは、そのビッドを認めるが、プレイの結果の点数を2倍にするという宣言です。 コントレがあると、その相手チームのプレイヤーは、自分の番のとき、シュールコントレ(Surcontrer)の宣言をすることができます これは点数を4倍にします。

コントレまたはシュールコントレのあと3人のパスが続けば、それで決定します。 通常のビッドが入れば、コントレやシュールコントレの宣言は無効になります。

カポのビッドに対しても、コントレやシュールコントレの宣言をすることができます。

全員パスなら、ディーラーが交替して配り直しです。

プレイ

ディーラの左隣のプレイヤーが最初のリードを行い、 トリックテイキングのプレイを行います。

切札がリードされたときのフォローの規則は次の通りです。

)今までに出た切札よりも強い切り札を持っている場合、強い切札を出さなければなりません。 強い切札が2枚以上あれば、そのうちどれを出してもかまいません。 (パートナーが今までで最も強い切札を出している場合でも、それより強い切札を持っていれば出さなければなりません)。

)弱い切札しかない場合、弱い切札を出さなければなりません。 弱い切札が2枚以上あれば、そのうちどれを出してもかまいません。

)切札を持っていない場合、どのカードを出してもかまいません。

切札以外がリードされた場合は次のようになります。

)リードされたスートを持ってる場合、リードされたスートのカードを出さなければなりません。(強いカードを出す必要はありません。)

)リードされたスートがない場合

i)パートナーが今までで最も強いカードを既に出しているとき(切り札を出した場合もそうでない場合も): 切札でも切札以外でも、どのカードを出してもかまいません。

ii)それ以外の場合で切札が場に出ていないとき: 切札があれば出すさなければなりません(2枚以上あればどれを出してもかまいません)。 切札がなければ、どのカードをだしてもかまいません。

iii)それ以外の場合で切札が場に出ているとき: 今までの最も強い切札より強い切札があれば、出さなければなりません(2枚以上あればどれを出してもかまいません)。 強い切札がなくても弱い切札があれば、出さなければなりません(2枚以上あればどれを出してもかまいません)。 切札がなければ、どのカードをだしてもかまいません。

トリックに勝つのは、切札が出ている場合には最も強い切札を出したプレイヤー、 切札が出ていない場合にはリードされたスートで最も強いカードを出したプレイヤーです。

トリックに勝ったプレイヤーが、次のリードを行います。リードするカードに制限はありません。

最後のトリックに勝ったチームには10点が与えられます(dix de der)。

ブロットを持っているプレイヤーは、そのキングかクイーンのうちの1枚を最初にプレイするときに、「ブロット」と言います。 さらに、2枚目をプレイするときに「ルブロット(rebelote)」と宣言しなければなりません。

得点

ビッドに成功していたチームをデクレアラーチーム、その相手チームをディフェンダーチームと呼ぶことにします。

各チームは、トリックに勝って取ったカードの点数と、最後のトリックの点数(勝ったほうに10点)と、ブロットの点数を加えたものを得点します。 ブロット以外の点数の合計は162点になるはずです。

デクレアラーチームは、ビッドの点数以上の点数を取らなければ、プレイ成功とはなりません。 カポのビッドのときは、全トリックを取らなければなりません。

デクレアラーチームがプレイに成功した場合、実際に取った得点にビッドの点数を加えたものを得点します。 例えば80のビッドで100点を取った場合には180点を得点します。 この場合、ディフェンダーチームは実際に取った点数だけを得点します。得点はすべて1の位を四捨五入します。

デクレアラーチームがプレイに失敗した場合には、そのチームの得点はありません。 ディフェンダーチームの得点は、160点+ビッドの点数です。 ブロットがあったときは、どちらのチームのブロットでも、ディフェンダーチームの得点に加えます (160点+20点+ビッドの点数となる。ただしこのルールは採用されないことも多い)。

カボのときは、ビッドの点数とプレイの点数はそれぞれ250点とみなします。 そのためデクレアラーチームが成功した時は全部で500点になります。 失敗した時はディフェンダーチームは160点+250点で410点を得点します。 どちらの場合も、ブロットがあれば20点加算されます。

コントレがあったときは、プレイが成功した場合にはデクレアラーチームの点数を2倍にします。 プレイが失敗した時は、ディフェンダーチームの点数を2倍にします。 シュールコントレの場合は、同様に4倍します。

ゲーム

何ディールか行って、得点計算の結果、累計点が予め決めていた点数(通常は3000点)以上になったチームがあれば、そのチームの勝ちとなります。 どちらのチームも同時に3000点以上になった場合には、点数の高いチームの勝ちです。 それも同じなら引き分けです。


別の得点方法

  1. ビッドに成功したチームがプレイに成功した場合、ビッドの点数を得点します。相手チームは0点です。
  2. ビッドに成功したチームがプレイに失敗した場合、このチームは0点で、相手チームがビッドの点数を得点します。
  3. したがって、ビッドに成功してチームの相手チームは、ブロットがあっても役に立ちません。
  4. カポの時はビットの点数は250点とみなします。

コンベンション

最初にビッドをするときに、次のようなビッドをすることによってパートナーに情報を伝えることができます。 これを使うかどうかはゲームの前に確認する必要があります。

  1. 80のビッド: 切札ののどちらか1枚を持っていて、他に切札を1枚以上持っていることを示す。切札があってもよい。 パートナーは切札のを持っているときだけ90に上げることができ、他の点数のカードを持っていれば、もっと上げることもできる。 それ以外はパスをするか、他の切札でビッドする。
  2. 90のビッド: 切札のの両方を持っていて、他に切札を1枚以上持っていることを示す。 パートナーは点数のカードがあればその分上げることができる。
  3. 100のビッド: 切札と切札の他に、切札を2枚と他のスートのを持っていることを示す。 あるいは、切札、切札、切札1枚、2枚でもよい。 パートナーは点数のカードがあればその分上げることができる。
  4. 110のビッド: 切札と切札の他に、切札を2枚と少なくとも2枚の他のスートのを持っていることを示す。 パートナーは点数のカードがあればその分上げることができる。
  5. 120のビッド: 手札に2つのスートしかないことを示す。ビッドしたスートには切札と切札が必要。 パートナーはビッドしたスート以外に3枚のを持っているときだけ、10上げることができる。
  6. 130以上のビッド: カポができるかもしれないが確実でないことを示す。

あるいは、次のようなオ・アース(aux as)と呼ばれるエース中心のビッドを行うこともできます。

  1. 80のビッド: が2枚以上あることを示す。 単にエースの数を示すだけの流儀と、実際に80点取れることを予想してビッドする流儀の2つがある。
  2. 90のビッド: 切札と他の切札2枚、または切札との切札3枚を持っていて、切札以外のも持っていることを示す。 プチ・ジュ(petit jeu)と呼ばれる。 パートナーは切札のを持っていて、他にそれほど良いカードがなければ、10上げる。 パートナーが切札と切札をを持っていたら20上げる。 ビッドの2巡めには、1枚につき、10上げてもよい。 3巡目には、切札3枚やブロットがあれば、10上げてもよい。
  3. 100のビッド: 切札と切札と切札ともう1枚の切札があることを示す。 メトル・ア・ラトゥ(Maîtr à l'atout)と呼ばれる。 パートナーは、及び同じスートのそれに続くカード1枚につき10上げることができる。 (例えば同じスートの10があれば30。)
  4. 110のビッド: 切札と切札と切札ともう1枚の切札があり、1つのスートのカードを持っていないことを示す。 パートナーは2枚以上のを持っていなければ上げてはならない。
  5. 120のビッド: 切札と切札と切札ともう1枚の切札があり、2種類のスートのカードしか持っていないことを示す。 パートナーはほとんどの場合、上げることはできない。