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ブラッコ(Burraco)

2004/1/10 赤桐
2015/8/16改定

  カナスタの類縁のラミーゲームです。1940年代に南米で生まれ現在でもプレイされていますが、1990年代からイタリアで盛んになったそうです。

 捨て札をいつでも取ることができるのが、このゲームの特徴になっています。また、カナスタのような最初のメルドを作る時の制限がありません。

 ルールはhttp://www.burraco.com/とhttp://www.pagat.comによります。


人数

 4人。向かい合った2人がパートナーを組みます。

カード

 52枚の通常のカードに2枚のジョーカーを加えた54枚のカードを2組使用します。合計108枚のカードを使うことになります。2組のカードは混ぜ合わされます。

カードの点数

 カードの点数は以下のようになります。後述するように、カードの組み合わせをうまく作ってテーブルに出せば、そのカードの点数が得点になります。また、ゲーム終了時に手札に残ったカードの点数はマイナス点(失点)になります。
ジョーカー 30点
20点
15点
10 10点
5点

ワイルドカード

 ジョーカーのカード全部はワイルドカード(代札)になります。ワイルドカードは、他のカードの代わりとして使うことができます。

  [JO][S2][H2][C2][D2]

 ワイルドカードでないカードを、ナチュラルカードと呼びます。

メルド

 メルドというのは、カードの特定の組み合わせをテーブル上に見えるように出して、得点を得ることです。メルドには次の2種類があります。

セット(Set=伊combinazioneコンビナチオーネ)

 同じランクのカードが3枚以上あれば、それをメルドすることができます。これをセットと呼びます。例えばのカード3枚とか、キングを5枚とかです。ただし、(ワイルドカード)のランクのセットを作ることはできません。

 セットを作るときにはワイルドカードを1枚だけ入れることができます。例えば--などです。

 同じランクのセットを1つのチームが2つ以上作ることはできません。

シークエンス(Sequence=伊sequenzeセクエンチェ)

 同じスートの続き札が3枚以上あるとそれをメルドすることもできます。これをシークエンスと呼びます。例えばH-H10-HJとか、S-S-S-Sとかです。のカードはワイルドカードとしても使えますが、このようにナチュラルカードとして使うこともできます。AKの上のカードとしても、の下のカードとしても使うことができます。つまり、CA-C2-CDQ-DK-DA、などとして使うことができます。ただし、SK-SA-S-Sというように使うことはできません。

 同じスートのシークエンスを2つ以上作ることはできますが、2つのシークエンスを後で1つにすることはできません。

  [h9][H10]HJ][HQ]

  [CA][C2][C3]

  [DQ][DK][DA]

  [S2][SK][SA]K-A-2のシークエンスは成立しませんが、2はワイルドなのでQ-K-Aというシークエンスになります。

 シークエンスの場合にもワイルドカードは1枚だけ入れることができますが、次のような注意点があります。

 1つのメルドのカードは重ねて置きますが、インデックスが見えるように縦にカードをずらします。チーム(パートナー2人)のメルドは区別する必要はありません。

レイオフ

 自分のチームのメルドに、カードを付け加えることもできます。これをレイオフ(Lay Off)と呼びます。

  [H8][h9][H10] ← HJ]

 ワイルドカードを含まないメルドにはワイルドカードを1枚だけレイオフすることができますが、ワイルドカードを含むメルドにはワイルドカードをレイオフすることはできません。

  [DQ][SQ][HQ] ← [JO]  OK

  [S8][JO][S10] ×← [D2]  これはできません

 のカードはークエンスのメルドではナチュラルカードとして使うことができますが、同位札のメルドではナチュラルカードにはなりません。つまり、のランクの同位札のメルドを作ることはできません。

  [H2][H3][H4] この場合のはナチュラルカード

  × [C2][H2][S2] これはメルドにはなりません

 ワイルドカードのカードを含むメルドの場合、ワイルドカードが代替している本来のカードをレイオフとして加え、ワイルドカードをそのメルドの別の位置に移すこともできます。例えば、-10-ジョーカー-QのときにJをレイオフして、ジョーカーをの隣に移動し、の代替カードとすることができます。のカードの場合、今までワイルドカードとして使っていたものをナチュラルカードとして使うようにすることもできます。例えば、--のメルドの場合、をレイオフして、---のメルド(はナチュラル)とすることができます。

  [h9][H10][JO][HQ]  ← HJ]

                    ↓

  [JO][h9][H10]HJ][HQ]

  [S3][S2][S5] ← [S4]

                  ↓

  [S2][S3][S4][S5] 

 

 シークエンスの小さいところに使っていたワイルドカードを大きいところに移動することもできます。

  [JO][C10][CJ] ← [CK]

    ↓

  [C10][CJ][JO][CK]

 

 ワイルドカードとして使用していない2のカードをワイルドカードとして使用するために移動することもできます。

  [D2][D3][D4][D5]    ←[D7]

    ↓

  [D3][D4][D5] [D2][D7]  

 ただし、一度使ったワイルドカードを手札に戻したり、別のメルドに移動することはできません。

ブラッコ(Burraco)

 7枚以上のカードのメルドを特にブラッコと呼びます。

 ワイルドカードを含まないものをブラッコ・プリト(Burraco Pulito=クリーン・ブラッコ)、含むものをブラッコ・スポルコ(Burraco Sporco=ダーティー・ブラッコ)と呼びます。

ブラッコ・プリトの例

[DJ][DJ][SJ][SJ]HJ]HJ][CJ][CJ]

[SA][S2][S3][S4][S5][S6][S7]

ブラッコ・スポルコの例

[SA][SA][HA][CA][CA][DA][H2]

[H7][H8][JO][H10]HJ][HQ][HK]

 ブラッコ・スポルコの列の一番下の1枚のカードは普通のカードの向きとは90度向きを変えて置きます。ブラッコ・プリトの場合には、一番下の2枚の向きを変えます。

    

ディール

 最初のディーラーはドローして最も低いカードを引いたプレイヤーが務めます。この時のランクは、ジョーカーAKQJ10の順になります。同じランクの時はスペード、ハート、ダイアモンド、クラブの順になります。ジョーカーどうしやランクもスートも同じなら、引きなおしです。次のディールからは、時計回りにディーラーが交代します。

 なお、パートナーもドローで決めるときには、このときドローした上位2人がパートナーになり、残り2人もパートナーになります。

 シャッフルのあとディーラーは右隣のプレイヤーにカットしてもらいます(カードの山を上からおよそ3分の1のところで2つに分けてもらいます)。ディーラーは2つの半分の山のうち最初下にあったほうの山から、各プレイヤーに11枚ずつ配ります(左隣のプレイヤーから順に時計回りに1枚ずつ配ります)。

 ディーラーの右隣のプレイヤーは、最初上にあった山から、11枚のカードを裏向きのままテーブルの隅に重ねて置きます。更に11枚のカードを重ねますがこれは前の11枚と90度ずらして置きます。この11枚のカードをポット(Pot=伊Pozzettiポチェッティ)と呼びます。

 残りのカードは山札(Stock)としてテーブル中央に置きます。まずディーラーの右隣のプレイヤーが残りのカードを置き、その上にディーラーが残りのカードを置きます。山札の一番上のカードは表向きにして、山札の横に置きます。これは最初の捨て札としての扱いを受けます。プレイ中の捨て札はこの上に置かれ、「捨て札の山(Discard Pile)」となります。

プレイ

 ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りにプレイを行います。各プレイヤーは、自分の番の時に、次の1〜3のプレイを行います(2は行わなくてもかまいません)。

  1. 山札の一番上のカード1枚を取る(ドロー)、または捨て札の山の全部を手に取る。
  2. メルドやレイオフを行う。あるいは、しなくてもよい。
  3. 手札から1枚のカードを捨てる。

ドロー

 ドローは、山札の一番上のカードを、手札に加えることです。

捨て札を取る

 捨て札を取る場合には、一番上のカードだけでなく、捨て札の山の全部のカードを取らなければなりません。

 このゲームでは捨て札を取るための条件は何もありません。いつでも捨て札を取ることができます。

 ただし、捨て札の山が1枚だけの時、捨て札から取って、取ったカードをまた捨て札することは禁止されています。(捨て札と同スートで同ランクのカードや別のジョーカーであっても、取った捨て札とは別のカードであれば、それを元の手札から捨て札することはできます。)

メルドとレイオフ

 一度にいくつメルドをしても、レイオフしてもかまいません。

 メルドしたカードを、手札に戻したり、他のメルドに移すことはできません。

捨て札

 捨て札は、捨て札の山の上に表向きに行います。下のカードが見えないように重ねます。捨て札の下のカードを見ることは禁止されています。捨て札をしてはいけないカードはありません。ワイルドカードも捨て札できます。

ポットを取る

 パートナーのうち最初に手札がなくなったプレイヤーが、ポットの11枚のカード(2組あれば上のほうの組)を取って手札にします。次の2つの場合があります。

捨て札をして手札がなくなった場合

 メルドやレイオフをした後、捨て札をして手札が1枚もなくなった場合には、ポットの11枚のカードを取りますが、自分の番は終了しているので、次回の自分の番までそれを使うことはできません。また、自分のパートナーの次の番が終わるまでは、そのカードを見ることもできません。

メルドやレイオフをして手札がなくなった場合(In flight)

 メルドやレイオフをして、捨て札をする前に手札が1枚もなくなった場合には、ポットの11枚のカードを取って手札にして、自分の番のプレイを続けることができます。最後に捨て札をして自分の番のプレイを終了します。

上がり(Close)

 次の2つの条件にあてはまった場合、メルドを作ったりレイオフをして、手の内のカードがなくなれば上がりになり、そのディールは終了します。

 上がるときには必ず捨て札をしなければなりません。捨て札をする前に手札を0枚にすることはできません。また、上がれる条件がないのに、捨て札をしたときに手札が0枚になってはいけません。

 また、上がるときの最後の捨て札はワイルドカードであってはいけません。

山札が少なくなったとき

 山札からドローした結果、残りの山札が2枚になった場合には、そのプレイヤーのプレイが終了したらそのディールも終わりになり、得点の計算を始めます。

ステイルメイト

 捨て札の山に1枚しかカードがないとき、4人のプレイヤーが連続して、捨て札の山からカードを取ってプレイしたら、ステイル・メイトになります。

 4人目のプレイヤーが捨て札したら、プレイは終了して得点の計算を行います。

得点の計算

 プレイが終わった後、次のように得点を計算して合計します(得点から罰点を引きます)。

ブラッコの得点

 ブラッコには次の点数がつきます(作ったブラッコ全部の点数を合計します)。

ブラッコ・スポルコ

 100点

ブラッコ・プリト  200点

上がりのボーナス

 上がったチームには100点のボーナスがつきます。

メルドやブラッコに使われたカードに対しての得点

 メルドされている(ブラッコを含む)カードについて、そのカードの点数の合計が得点となります。

ポットを取らなかった事への罰点

 ポットを取っていないチームがあれば、そのチームには100点の罰点(マイナス点)がつきます。ポットの中のカードの点数は数えません。

 ポットを取っていて、まだそれを見ることができない状態であったチームは、マイナス100点でなく、実際のカードの点数をマイナス点とします。

手札に残っているカードに対しての罰点

 プレイ終了時に手札にあるカードの点数の合計点が罰点(マイナス点)になります。

ゲームの終了

 プレイ終了後の得点計算で、累計点が2005点に到達したチームがあればゲーム終了となります。もちろん点数の多い方が勝者となります。同点ならば、引き分けです。