1997/7/31 赤桐
Sid Sackson氏が作ったゲームです。
株式売買をテーマにしたゲームで、ボードゲームの「ブローカー」などの系統に属するものだと思われます。
通常のトランプ以外にあまり用具を必要としないようにうまく作ってあります。
2人〜6人。
52枚の通常のカードを2組と、2枚のジョーカー。(このゲームではエースは1として使います。J、Q、Kを絵札と呼びます。ジョーカーはゲームの途中から使用します。)
ポーカーチップ。
ポーカーチップ | 枚数 |
白チップ($1) | 40〜60枚 |
赤チップ($5) | 20〜30枚 |
青チップ($10) | 20〜30枚 |
その他の色のチップ($50) | 40〜60枚 |
以下のように書いた紙片。
最大3 ↑ up ダイアモンド ↓ down 最大2 |
最大4 ↑ up スペード ↓ down 最大3 |
最大5 ↑ up ハート ↓ down 最大4 |
最大6 ↑ up クラブ ↓ down 最大5 |
各プレイヤーにポーカーチップを以下のように配ります。
白チップ($1) | 5枚 | |
赤チップ($5) | 3枚 | |
青チップ($10) | 3枚 | |
その他の色のチップ($50) | 3枚 | (合計$200) |
残ったポーカーチップは銀行のものとなります。銀行はプレイヤーの1人が管理するようにします。
紙片をテーブル中央に置きます。ジョーカーを入れない52枚のカードを用意します。
カードをシャッフルして、1枚ずつめくっていきます。そのカードが1(A)〜10のカードであった場合には、紙片のそのカードのスートのところの下の方に重ねないで置きます。絵札や同じスートの2枚目以降のカードは、脇にどけておきます。こうして、紙片の4つのスートの下にカードが1枚ずつ並べば、テーブルの準備は完了です。
例えば、以下のようになります。
最大3 ↑ up ダイアモンド ↓ down 最大2 |
最大4 ↑ up スペード ↓ down 最大3 |
最大5 ↑ up ハート ↓ down 最大4 |
最大6 ↑ up クラブ ↓ down 最大5 |
各スート(ダイアモンド、スペード、ハート、クラブ)は株式の種類、つまり「会社」を表わします。ですから、これ以降の記述では、スートのことを「会社」と表現することがあります。
紙片の下の方に置かれたカードは1株の値段を表わす株価表示カードとなります。上記の例では、ダイアモンドは1株が$8、スペードは1株が$1です。
次に、株価表示カード以外の全部のカードを集めてシャッフルをやり直し、各プレイヤーに2枚ずつ、4回配ります。つまり、手札は8枚になります。残ったカードは山札としてテーブル中央に置きます。(このときもジョーカーは加えません。)
各プレイヤーは、時計回りの順にプレイを行います。プレイは次の2つのフェイズから成ります。
2つのフェイズは、どの順序で行ってもかまいません。つまり、株式の売買のあとに株価を操作してもよいし、株価を操作してから株式の売買を行ってもかまいません。
しかし、1度行ったフェイズを再び行うことはできません。つまり、株式売買→株価操作→株式売買とか、株価操作→株式売買→株価操作とかはできません。
株式の売買や株価の操作は全く行わなくてもかまいません。
株式の売買も株価の操作も行わなかった場合は、手札から1枚〜4枚のカードを捨て札することができます。(捨て札の場所に、表向きに捨てます。)
いずれにしても、自分の番が終わる前に、手札が8枚より少なければ、8枚になるように山札から引いてきます。
カードを買うときには、手札からカードを自分の前のテーブルに出します。そのカードの会社(スート)の株式を、そのカードで表わされる株数だけ買うことができます。
1(A)〜10の数字のカードは、その数字の株数になります。絵札(J〜K)は、5株になります。
買うことができるのは、その株数ちょうどだけです。それより多くも少なくも買うことはできません。
買うときの金額は、その会社の株価表示のカードが示す金額に、株数を掛けたものです。例えば、Kを出して買うときに、株価表示カードが6ならば、$6 x5株 = $30 になります。その金額は、銀行に払います。払うだけのチップを持っていなければ、もちろん買うことはできません。
買うときに出したカードは、株券となり、そのままプレイヤーの前に置かれます。
1回のプレイで買うことができるは、カード(株券)として1枚か2枚です。
1つの会社の株を12株より多く持つことはできません。
手持ちの株券は、その時の株価で銀行に売ることができます。
売った株券は捨て札の場所に表向きに置かれます。銀行からもらえる金額は、その会社の株価表示カードが示す金額に、株券が表わす株数を掛けたものです。
1回のプレイで、手持ちの株券は何枚でも売ることができます。
株式の買いと売りは、1回のプレイで、上記の制限内で自由に行うことができます。
手札から1枚のカードを株価表示カードの上に重ねて置くと、株価を変えることができます。もちろん、重ねるカードは株価表示カードと同じ会社(スート)のカードでなければなりません。
株価は、上に置かれたカードによって次のように決まります。
1(A)〜10 | その数字と同じ |
J | $11または$0 |
Q | $12または$0 |
K | $13または$0 |
ただし、重ねることができるのは、下記の株価変動幅の範囲にあるカードだけです。
ダイアモンド | -2 〜 +3 |
スペード | -3 〜 +4 |
ハート | -4 〜 +5 |
クラブ | -5 〜 +6 |
例えば、ハートの株価が$6であった場合には、重ねることのできるカードは、2($2)からJ($11)までです。1(A)やQ、K、あるいは$0としてのJ、Q、Kを重ねることはできません。
ただし、絵札(J、Q、K)が株価表示カードとなっている場合には、その上に絵札を重ねることはできません。絵札以外のカードならば、株価変動幅に関係なく重ねることができます。なお、これは絵札が$11〜$13を表わしている場合にも、$0を表わしている場合にも適用されます。
1回のプレイで株価操作のために出すことができるカードは2枚までです。2枚のカードを出すときには、同じ会社のカードを出しても、違う会社のカードを出してもかまいません。
絵札(J、Q、K)を$0として使用した場合、その会社は倒産したことになります。
すべてのプレイヤーは、その会社(スート)の株券を持ってれば、すべて捨て札しなければなりません(捨て札の場所に置きます)。
倒産した会社の株は、株価表示カードの上に絵札以外のカードが置かれるまでは買うことができません。
プレイヤーの番の終わりに手札を8枚に補充するとき、山札に十分な数のカードがない場合には、山札を1枚も取らないで、新しい山札を作ります。
新しい山札は、残った山札と、捨て札と、一番上のカードを除く株価表示カードにジョーカーを2枚加えたものです。
これらをよくシャッフルしてから、山札として、手札を補充します。
手札を8枚に補充するときに山札から引いてきたカードがジョーカーだった場合には、それを公表します。
その時点でゲームは終了します。
全プレイヤーは、株券を時価に換算し、手持ちのチップを加えて、財産を計算します。
最も財産の多いプレイヤーが勝者になります。同じ場合には引き分けです。
銀行のお金が不足した場合には、全プレイヤーが$100ずつ銀行に支払います。
もし、そのお金がないプレイヤーがいたら、そのプレイヤーはすべてのチップを銀行に払い、お金ができたときに、不足分を払います。
買った株券を、その回のプレイですぐに売ることができるかどうかは、SidSackson氏の著書には書かれていません。
もし、できるのであれば、実質的にそのカードを捨て札するのと同じになります(一時的にも、買うための資金が必要で、最大持ち株数の制限内でなければなりませんが)。
Sid Sackson, "Card Games Around the World",Dover Publications,Inc, New York, 1994