1997/8/29 赤桐
2015/8/16修正
花札のように、場にあるカードを手札で合わせて取っていくゲームです。この種のゲームのことを、カシノ系のゲームとか、フィッシングゲームとか呼びます。
カシノ系のゲームはたくさんあるのですが、英語圏でプレイされているのはほとんどこのゲームだけです。
2人用ゲームのベストゲームの1つと言われていますが、3人用や4人用としても優れています。
2人〜4人。まず、2人ゲームを紹介します。
通常の52枚のカードを使います。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、順番に交代します。
ディーラーはまず2枚のカードを相手に配り、2枚のカードをテーブル中央に表向きに置き、2枚のカードを自分に配ります。次に、この配りかたをもう一度行います。各プレイヤーの手札は4枚、テーブル中央にも4枚となります。
残ったカードは裏向きのままテーブルに置いておきます。
全プレイヤーが手札を使い切ったら、最初と同じディーラーが、残ったカードから各プレイヤーに4枚のカードを配ります。相手に2枚、自分に2枚、相手に2枚、自分に2枚というようにです。このときテーブル上にはカードは配りません。
テーブル上に表向きに置かれたカードを場札と呼び、場札の置かれているところを、場と呼ぶことにします。
プレイは、手札から1枚のカードを場に置くことで行われます。
うまくプレイできれば、場札を取ることができます。この場合、プレイしたカードと取った場札をまとめて、プレイヤーの近くに裏向けに置きます。これらを取ったカードと呼ぶことにします。取ったカードはこれ以降プレイには使用しません。
プレイしても場札を取ることができない場合には、プレイしたカードはそのまま場に置かれて場札になります。これを捨て札(する)と呼ぶことにします。
場札の取り方は次の通りです:
プレイされたカードと場札が同じランクだった場合に、取ることができます。
例えば、6をプレイすると、場にある6を取ることができます。またKをだすと、場のKを取ることができます。
←
同じランクのカードが場に何枚かある場合には、その全部を取ることができます。
← (この場合、KとKの両方を取ることができます)
場札のカードの数字を合計して、プレイしたカードの数字と同じになる場合には、その場札を全部とることができます。スートは関係ありません。
カードの数字とはAは1、2から10のカードはその表示通りの数字です。絵札(J、Q、K)は数字を持たないので、このような取り方をすることはできません。
例えば、場にA、A、3、5があり、10をプレイした場合には、1(A)+1(A)+3+5=10なので、この場札全部を取ることができます。
←
プレイしたカードの数字と同じ合計になるカードの組が場に何組もある場合、その全部を取ることができます。例えば、場に2、3、3、4がある場合、2+4=6, 3+3=6となるので、6をプレイすると、このすべてのカードを取ることができます。
+=+ ← 全部取れます
ただし、同じカードを重複して2つの組に使うことはできません。例えば、場のカードが3、3、5だった場合、8を出すと、3の1枚と5は取ることができますが、もう1枚の3は場に残ります。5をもう1度3と組み合わすことはできないからです。
← この場合は全部は取れません。
例えば、場に2、3、5があり、5を出した場合には、場の全部のカードを取ることができます。
← 全部取れます
場札を取るか、捨て札をするほかに、ビルド(付け札、予約)というプレイも可能です。
ビルドの場合も必ず手札から1枚だけを場に出します。出したカードは場札の1つに重ねておきます。(この重ねたカードをビルドのカードと呼ぶことにします。)
ビルドというのは、この重ねたカードを後で取るという宣言のことです。従って、ビルドのカードを取ることのできるカードが手札になければ、ビルドを行うことはできません。なお、他のプレイヤーも、ビルドのカードをその宣言にしたがって取ることはできます。
ビルドには次の種類があります:
場にあるカードに、手札から同じランクのカードを重ねて、そのランクのビルドを宣言します。そうするとその2枚のカードは、一緒に、ペアでしか取ることができなくなります。
例えば、場に4があれば、手札から4を出して、「4のビルド」と宣言します。こうすると、これ以降は、4をプレイしてこの2枚のカードを取ることしかができなくなります。場に2のカードがあっても、4+2=6のカードでこの中の1枚を取ることはできません。また4+4=8として、8のカードで取ることもできません。
←4のビルド ←後で取る
ただし、宣言したプレイヤーだけでなく、他のプレイヤーも、4のカードをプレイすれば、それを取ることができます。
ペアによるビルドを行うためには、同じランクのカードをもう1枚手札に持っていなければなりません。そうでないと、ビルドした本人もビルドのカードを取ることができないからです。
例えば、上記の例では、プレイした4の他に、手札にも4を持っていなければなりません。
場にあるカードの1枚に、手札からカードを1枚重ねて、合計した数字のビルドを宣言します。そうするとその2枚のカードは、一緒に、その合計した数字でしか取ることができなくなります。
例えば、場に3があれば、4をそれに重ねて、「7のビルド」を宣言します。それ以降は、この2枚のカードは1枚の7のカードのように扱います。したがって、3や4を出して1枚を取ることができなくなります。もちろん、7を出せば取ることができます。また、例えば他に場に2のカードがあれば、7と2を足して9で取るようなことも可能です。
←7のビルド ←後で取る
場に4があり、4を重ねて、8のビルドにするようなことも可能です。
←8のビルド ←後で取る
なお、必ず場の1枚に手札の1枚を重ねることが必要です。例えば、場札に2と3があっても、それに4を重ねて9のビルドを作ることはできません。
合計のビルドを行う場合には、合計した数字のカードが手札になければなりません。そうでないと必ずしも取ることができないからです。
前記の例の7のビルドでは、かならず手札に7のカードが必要です。場の2のカードに期待して、手札に9があればよいとういわけにはいきません。
ペアでビルドされたカードに対して、さらに同じランクのカードを重ねて置いて、ペアのビルドの追加をすることができます。ビルドされたカードを取ることができるのは、同じランクのカードだけです。
←Jのビルド ←Jのビルド ←取る
もちろんこの場合にも、ビルドしたプレイヤーは、ビルドのカードを取ることのできるカード、つまり同じランクのカードを持っていなければなりません。
合計でビルドされたカードに対して、さらに手札から1枚を重ねて、その合計数字のビルドとすることもできます。
例えば、3と4のカードが重なった7のビルドがあった場合、さらに手札から2を重ねて、9のビルドにすることができます。
←7のビルド ←9のビルド ←取る
もちろんこの場合にも、その合計数字と同じ数字のカードが手札になければなりません。
なお、最初のビルドを行う場合、追加を行う予定で、次回の自分の番に取ることのできないようなビルドをすることはできません。
ビルドの追加は、自分の作ったビルドに対しても、他のプレイヤーの作ったビルドに対しても行うことができます。
合計のビルドのカードは1枚のカードのように扱われます。従って、ビルドの追加の特殊な例として、合計のビルドに対して、その合計数と同じ数字のカードを重ねて、ペアのビルドとすることができます。
例えば、3と4が重なった7のビルドがあった場合、7のカードを手札から出して、7のペアのビルドを宣言することができます。この場合ももちろん手札にもう1枚7のカードが必要です。
←7のビルド ←7のビルド ←取る
なお、ペアのビルドに対して、カードを追加して合計のビルドにすることはできません。
スイープというのは、プレイで場札を全部取ってしまうことです。
後で得点になるので、記憶しておくために、プレイ中はスイープで取ったカードの中の1枚を表向きにしておきます。
全員の手札がなくなり、配り直すカードもなければ、プレイは終了します。
残った場札は、最後に場札を取ったプレイヤーのものとなります。
プレイが終わると次のような得点があります。
最もたくさんの枚数のカードを取ったプレイヤーに | 3点 |
10(ビッグカシノ)を取ると | 2点 |
2(リトルカシノ)を取ると | 1点 |
最もたくさんの枚数のスペードのカードを取ったプレイヤーに | 1点 |
取ったエース1枚につき | 1点 |
スイープ1回につき | 1点 |
最もたくさんの枚数のカードやスペードが同じ枚数の場合には、誰も得点しません。
得点計算の結果、どちらかのプレイヤーの累計点が21点かそれ以上になったら、そのプレイヤーの勝ちでゲームは終了します。どちらも21点以上のときは、点数の多い方が勝者です。同じ場合はもう1ディール行います(引き分けという取り決めにしてもかまいません)。
2人ゲームと同じように、最初に、場に4枚、各プレイヤーに4枚カードを配ります。配り直しのときも、各プレイヤーに4枚です。
ディールやプレイは時計回りに進行します。プレイはディーラーの左隣から始めます。
向かい合った2人がパートナーになります。パートナーどうしは取ったカードをいっしょにします。
4人ゲームでも、最初に、場に4枚、各プレイヤーに4枚カードを配ります。配り直しのときも、各プレイヤーに4枚です。
バリエーションを少し紹介します。
カードを取るときに、絵札に次のような数字を設定します(プレイ終了後の得点計算の点数ではありません。)
J:11、Q:12、K:13
これらの絵札は、数札と同じように、この数字で合計による取り方ができます(取ることも、取られることもできます)。また、合計によるビルドもできます。
カードを取るときに、Aを1としても14としても使えるというルールを採用することもあります。
得点計算において、A、J、2を2点、その他のスペードを1点とします。スペードの枚数をたくさん取った方に与えられる点数はありません。
ゲームは61点で終了にすることが多いようです。
ロイアルカシノとスペードカシノのルールを両方採用するゲームです。
2人ゲームのとき、スイープの点数を数えないことがあります。
絵札で絵札を2枚取ることを禁止することがあります(3枚はOKです)。
累計点が21点を超えるプレイヤーが2人以上あった場合、次の順序で最後のディールの得点を数え直し、最初に21点になったプレイヤーが勝ちとするルールもあります。
カードの枚数、スペードの枚数、ビッグカシノ、リトルカシノ、A、A、A、A、スイープ
あるいは、プレイ中に21点に達したと思ったプレイヤーが、終了を宣言できることもあります。それが正しければそのプレイヤーの勝ち、間違っていればそのプレイヤーの負けになります。この場合、終了宣言なしで得点計算して複数のプレイヤーが21点以上になっていたならば、上記の方法で勝者を決めます。
ゲームの終了点を、累計点が21点でなく11点になったときとするやり方もあります。
このとき、賭けてプレイしている場合には、勝ったプレイヤーの得点を2倍して(1ディールで終わった場合には2倍ではなく4倍して)、それから負けたプレイヤーの得点を引きます。この点数分を勝ったプライヤーがもらいます。
あるいは、各ディールを独立したゲームとすることもあります。とくに2人ゲームの場合、このやり方が多いようです。
このゲームの名前の英語の綴りは、本来カジノと同じCasinoという綴りであったものが、ルールブックの誤植によりCassinoとなったと言われています。
従って発音もカジノと同じなので、「カジノ」またはもっと原音に近い「カジーノ」の方が正しいのですが、日本では「カシノ」と言われてきたようなので、そのままにしました。
ビッグカシノ(Big Cassino = 10)のことを、グッドテン(GoodTen)とも呼びます。
リトルカシノ(Little Cassino = 2)のことを、グッドツー(Good Two)とも呼びます。
長い間、最もたくさんの枚数のカードを取ったプレイヤーに、「2点」としていましたが、「3点」の誤りでしたので修正しました(2015/8/14)。「2点」には何も根拠はありません。