トップに戻る

チチェラ(Cicera)

1996/10/3 赤桐

 イタリアのブレッシャ(Brescia)地方でプレイされているカシノの系統のゲームです。普通のイタリアンパックのカードは40枚ですが、この地方ではこのゲームのために52枚のパックが使われています。

 得点の種類がいささか多いのですが、たいへん分かりやすいルールです。カシノ系のゲームでは私の最も好きなゲームの1つです。

 John MaLeod氏のWWW(http://www.netlink.co.uk/users/pagat/)からの情報です。


プレイヤー

 4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 ブレッシャ地方では、各スートが、(Re),カバロ(Cavallo),ファンテ(Fante),10,,,,,,,,,からなるカードを使います。スートは、ソード(剣)、バトン(棍棒)、カップ(聖杯)、コイン(貨幣)です。

 通常の52枚のカードを使ってプレイすることができます。このときは、つぎのように対応させてください。

キング
カバロクイーン
ファンテジャック
ソードスペード
バトンクラブ
カップハート
コインダイアモンド

ディール

 最初のディーラー任意の方法で決めます。各ディール毎にディーラーは反時計回りに交代します。

 ディールはディーラーの右隣から始めて、反時計回りに行います。まず、各プレイヤーに1度にまとめて12枚ずつ配った後、テーブル中央に4枚を表向きに重ねないで配ります。(このようにテーブルに置かれたカードを「場札」と呼ぶことにします。また、場のカードが置かれる場所を、「」と呼ぶことにします。)

 なお、12枚ずつまとめて配る代わりに、1枚ずつ配ったり、2枚ずつ配ったり、3枚ずつ配ったりするやり方もあります。

プレイ

 ディーラーの右隣から反時計回りの順にプレイを行います。

 プレイは、手札から自由に1枚を場に出すことで行われます。出したカードで場札を取ることができたら、その場札と出したカードをまとめて、プレイヤーの前に裏向きに置きます。これを、取ったカードと呼ぶことにします。取ったカードは、もうプレイには使われません。

 カードを1枚出しても場札を取ることができなかった場合には、出したカードはそのままテーブルに置かれて、場札となります。

 いずれにしても、手札から1枚プレイすると、そのプレイヤーの番は終わります。

 場札の取り方は以下の通りです:

 )出したカードと同じランクのカードが場にあれば、そのカードを取ることができます。

 同じランクのカードが何枚か場にあった場合には、そのうち1枚だけを取ることができます。

 )何枚かの場札の点数の合計が、出したカードの点数に等しくなれば、それらの場札を取ることができます。(は1点、10のカードはその数字と同じ点数を持っています。それ以外の絵札には点数がないので、このような取り方はできません。)

 )いくつかの取り方が可能な場合には、そのうち1種類の取り方だけを選んで取ることができます。

 例えば、場に,,,,,があり、をプレイした場合には、を取ってもよいし、(の1枚)を取ってもよいし、を取ってもかまいません。

 )出したカードで取ることができても、取らないで、カードを場札に加えるだけにしてもかまいません。

プレイの終わり

 全プレイヤーが手札をすべて使いきったら、プレイは終了です。

 残った場札は、最後に場札を取ったプレイヤーのものになります。

プレイ中の得点

 プレイ中に次の得点があります。

 スクア(Scua): 1点

 場札を全部取ったときに得点します。

 ピカダ(Picada): 1点

 直前のプレイヤーが場札を取らなかった場合、そのプレイヤーが出したカードと同じランクのカードを出して、そのカードを取った場合に得点。

 シミリ(Simili): 1点

 プレイしたカードと取った場札が全部同じスートであった場合に得点します。(例えば、コインのを出して,コインのを取った場合。)

 カドリリア(Quadriglia): 1点

 3枚以上の場札を1度に取った場合に得点します。

 一度のプレイで、上記の2つ以上の項目に当てはまるときには、すべて得点します。

 伝統的には、プレイ中の得点があったときには、得点の分の枚数だけ、取ったカードを表向きに置いておきます。プレイが終わってから、プレイ後の得点とともに、点数を数えます。

プレイ後の得点

 プレイのあと、取ったカードにより、次の得点がつきます。なお、パートナー2人のカードはいっしょにします。

 カード: 2点カードの枚数をたくさん取ったチームが得点します。同じ枚数ならば、どちらも得点しません。

 ソード:1点

 ソード(剣=スペード)のスートのカードの枚数をたくさん取ったチームが得点します。

 ナプラ(Napula)

 片方のチームがソード(スペード)のを全部取った場合に得点します。点数は、からつながるシークエンスの枚数と同じです。例えば、ソードのを取っていて、がない場合には、5点の得点となります。

 ラ・マタ(La Mata): 1点

 ソード(スペード)のを取ったチームが得点します。

 コインの10: 1点

 コイン(ダイアモンド)の10を取ったチームが得点します。

 カップのファンテ: 1点

 カップ(ハート)のファンテジャック)を取ったチームが得点します。

ゲームの終わり

 プレイが終わって、得点の累計が51点以上になっているチームがあったら、そのチームがゲームの勝者になります。どちらも51点以上の場合は、点数の多い方が勝ちます。

 同点ならば、点数の差がでるまでディールを続けます。

バリエーション

 各プレイヤーに12枚ずつ配らないで、6枚ずつ配るやりかたもあります。全プレイヤーが手札を使い切ったら、再び6枚ずつ配ります。