1995/10/21・2016/10/1 赤桐
ロシアのゲームで、ロシア人ならだれでも知っているようなゲームだということです。正確にはポドキドノイ・デュラック(Podkidnoy Durak)と呼びます。運の要素も強いのですが、なかなか難しいゲームです。
David Parlett氏のルールを紹介していましたが、Pagato.comなどからもっと詳しいルールが得られましたので書き直しました。
1つのディールはいくつかの「勝負」からなりますが、目的は勝負にたくさん勝つことではなく、手札をなくすことです。
プレイは1人を除く全員の手札がなくなるまで続けます。最後まで手札が残っていたプレイヤーが敗者になります。このゲームは敗者を決めることが目的です。
チーム戦の時には、1つのチームの全員の手札がなくなったら終わりになります。もう1つのチームが敗者です。
2人~6人。4人の時は向かい合った2人がチームを組みます。6人の時は1人おきの3人がチームを組みます。そのようにしないで個人戦にしてもかまいません。
通常の52枚のカードから各スートの2〜5を除いた、36枚のカードを使います。カードの強さのランクは、A、K、Q、J、10、9、8、7、6の順です。
最初のディーラーは誰がなってもかまいません。2回目のディールからは前回の敗者がディーラーになります。チーム戦のときには、負けたチームの1人がディーラーになります。これは話し合って決めますが、負けたチームのプレイヤーならだれでもかまいません。たとえ前回手札をすべてなくしていたプレイヤーでもかまいません。
ディーラーは各プレイヤーに6枚ずつカードを配ります。残りは山札となりますが、1番上の山札は表向きにして、他の山札の1番下に、インデックスだけが出るように置きます。このカードのスートが切札になります。
ディールの前にカットは行いません。カットしようとして(あるいはそうでなくても)カードに手を触れたプレイヤーはディーラーになります。カットさせるようなふりをして罠にかけてもかまいません。これを「馬鹿から帽子を取ろうとするな」と言います。
1つの勝負には攻撃側と防御側のプレイヤーが決まっています。最初のディールでは、最も弱い切札を配られたプレイヤーが攻撃をすることになります。2回目以降のディールではディーラーの左隣が最初に攻撃をするプレイヤーになります。攻撃プレイヤーの左隣のプレイヤーが防御するプレイヤーになります。
まず、攻撃プレイヤーが1枚のカードを手札からリードします。それに対して防御プレイヤーも1枚のカードを出します。これを、手札がなくなるか、次の制限の範囲で出せるカードがなくなるまで繰り返します。その制限とは:
1)防御プレイヤーは、リードされたカードと同じスートで、もっと強いランクのカードを出さなければなりません。ただし、リードされたカードが切札でない場合には、切札を出すこともできます。(リードされたカードが切札の場合は、もっと強いランクの切札を出さなければなりません。)
2)2回目以降も攻撃側が先にカードを出しますが、そのカードは、その勝負で、自分または相手がそれまでに出したカードのいずれかと同じランクのカードでなければなりません。(同じスートではありません。ランクです。)
最初の攻撃は攻撃の番のプレイヤーが行いますが、2回目以降の攻撃は同じチームの他のプレイヤーも行うことができます。防御プレイヤーは1人だけです。
次のどれかの場合に、防御プレイヤーの成功で攻撃が終了します。
防御プレイヤーが成功したときは、攻撃と防御に使われたカードは捨て札されてもうプレイには使われません。防御したプレイヤーが攻撃側となって、左隣のプレイヤーに攻撃します。
防御プレイヤーがルールに従って出せるカードがないときや出したくないときは、防御プレイヤーの失敗となります。防御プレイヤーはその勝負で攻撃と防御に使われたカードをすべて取って手札に入れなければありません。また、そのあとの攻撃はできず、攻撃の番は防御プレイヤーの左隣のプレイヤーに移ります。
どのように勝負が終わった場合でも、次の勝負を始める前に、各プレイヤーは手札が6枚になるように山札からドローして手札を補充します。まず、攻撃の番のプレイヤーが補充し、そのあと他に攻撃に参加したプレイヤーが時計回りに補充します。最後に防御プレイヤーが補充を行います。もちろん、山札がなくなればこの補充は十分にはできないことがあります。なお、切札を表示しているカードも山札の1番下のカードとして扱います。
山札がなくなったあとはそのあとは補充を行いません。山札がなくて補充が行えない状態で手札がなくなったら、そのプレイヤーはプレイから抜けます。
個人戦では単に抜けたプレイヤーを飛ばしてプレイを行います。
チーム戦では必ず相手チームに攻撃を行う必要があります。抜けたプレイヤーがいても、攻撃や防御をするときの各チームでのプレイの順は変えないようにします。その結果、攻撃プレイヤーが左隣でないプレイヤーに攻撃したり、攻撃と防御のチームが入れ替わった時に、時計回りでない方向のプレイヤーが攻撃側になることがあります。