2009/3/7 赤桐
中国の山東省青島(チンタオ)でプレイされているトランプゲームです。漢字で「句」を左、「多」を右に書いた字(音読みはコウ、意味は「足りる」「届く」など)と"級"と書きます。大貧民ゲームの一種です。
ルールはJohn McLeod氏のインターネットのサイト(http://www.pagat.com/)によりました。
6人ゲーム。1人置きの3人ずつがチームになります。
あるプレイヤーの対角線上の敵プレイヤーつまり左右に3つ隣のプレイヤーのことを対面(トイメン)と呼びます。
普通のトランプと2枚のジョーカーを4組使います。全部で216枚になります。2枚のジョーカーは区別できなければなりません。1枚を赤ジョーカー、もう1枚を黒ジョーカーとします。
このゲームではスートは全く関係ありません。
カードの強さは、弱いものから、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、A、2、黒ジョーカー、赤ジョーカーになります。
まずカードをよくシャッフルします。最初のディールでは誰がシャッフルしてもかまいませんが、次回からは、前回のプレイで1位と2位になったプレイヤーがシャッフルします。
シャッフルしたカードはテーブル中央に裏向きに置かれます。あらかじめ横に倒して広げておくのが普通です。
そのあと、反時計回りに各プレイヤーが1枚ずつカードを取っていきます。手札が36枚になるとディール終了です。
手札が揃ったら、手札の中にジョーカーも2も1枚もない場合には、「革命」を宣言することができます。この場合、すべてのカードが配りなおしとなります。なお、「革命」の宣言のあと、同じチームの他のプレイヤーが革命をしないように説得することができます。宣言したプレイヤーは説得に応じて革命を撤回してもしなくてもかまいません。
最初のディールでは、シャッフルが終わったら、誰でもいいので1人がシャッフルしたカードの山の一番上から1枚のカードをドローして表に向けます。このプレイヤーを開牌(カイパイ)と呼びます。
2回目以降のディールでは、最初にプレイするプレイヤーの対面のプレイヤーが開牌となりますが、何も行いません。
ただし、革命の後や、前回のプレイで上位3人が同じチームであったときや、チームのメンバーが入れ替わったあとのディールでは、前回のカイパイの右隣のプレイヤーが開牌となり、シャッフルしたカードの山の一番上から1枚のカードをドローして表に向けます。
ディールの時に、誰からカードを取り始めるかということの決め方です。
最初のディールや、革命の後や、前回のプレイで上位3人が同じチームであったときや、チームのメンバーが入れ替わったあとのディールでは、開牌のプレイヤーが、シャッフルした後のカードの山の一番上から1枚のカードをドローして表向けます。
そのプレイヤーから1と数え始めて、反時計回りに数えていき、カードの数字と同じ所にあるプレイヤーが最初にカードを取るプレイヤーになります。例えば2のランクのカードを引いたら、引いたプレイヤーが1、右隣が2になるので、右隣のプレイヤーが最初にカードを取るプレイヤーになります。9のカードなら1周したあとの右2つ隣のプレイヤーとなります。Aは1、Jは11、Qは12、Kは13とします。ドローされたカードは、カードの山の中のほうに戻されます。
もしドローしたカードがジョーカーだったら、そのカードをカードの山の中に戻し、右隣のプレイヤーが新たに開牌となって一番上のカードをドローし、最初にカードを取るプレイヤーを決めます。
2回目以降の上記以外のディールでは、前回のプレイで6位(最下位)のプレイヤーが最初にカードを取るプレイヤーとなります。あるいは、そのプレイヤーは他の誰でも指名して、最初にカードを取るプレイヤーにすることができます。
最初のディールや、革命の後や、前回のプレイで上位3人が同じチームであったときや、チームのメンバーが入れ替わったあとのディールでは、各プレイヤーがカードを取っていく間に3のランクの同じスートのカードが2枚手札に揃ったら宣言することができます。例えばクラブの3が2枚とかです。最初にこれを宣言した人は、このカードを見せて、最初にプレイを行うプレイヤーとなることができます。もし誰もこれを宣言しなければ、最初にカードを取ったプレイヤーが、最初にプレイを行うプレイヤーとなります。
それ以外のディールでは、前回のプレイで6位のプレイヤーが最初にプレイを行うプレイヤーとなります。これは、ほかのプレイヤーに譲るわけにはいきません。
2回目以降のディールではプレイの前にカードの交換を行います。
前回6位のプレイヤーは1位のプレイヤーに最も強い2枚のカードを誰にも見せないで渡します。1位のプレイヤーはそれを自分の手札に入れたあと、どのカードでも自由に2枚のカードを6位のプレイヤーに渡します。
前回5位のプレイヤーは2位のプレイヤーに最も強い1枚のカードを誰にも見せないで渡し、2位のプレイヤーはそれを自分の手札に入れたあと自由に1枚のカードを5位のプレイヤーに渡します。
同じチームどうしで交換を行うことになった場合は、話し合いで、交換を行わないことにしてもかまいません。
5位と6位のプレイヤーが同じチームだった場合は、話し合って、5位のプレイヤーが1位のプレイヤーと2枚交換し6位のプレイヤーが2位のプレイヤーと1枚交換することにしてもかまいません。
上位3位まで同じチームだった場合は対面のプレイヤーどうしが交換します。 下位プレイヤーは上位のプレイヤーに最も強い1枚のカードを誰にも見せないで渡し、上位のプレイヤーはそれを自分の手札に入れたあと自由に1枚のカードを下位のプレイヤーに渡します。
強いカードを交換で渡さなければならない順位のプレイヤーでも、手札に4枚の赤ジョーカーを配られたら、交換を拒否することができます。これを「解放」と呼びます。
プレイは反時計回りに1人ずつ行います。
最初にプレイするプレイヤーは、手札から1枚のカードまたは同じランクの2枚以上のカードを出します。
それ以降のプレイヤーは、同じ枚数で今までに出ているものより強いランクのカードを出さなければなりません(同じ強さではだめです)。出せないときや出したくないときはパスをします。一度パスをしたら、そのプレイが続いている間はパスをし続けなくてはなりません。
最後にプレイしたプレイヤー以外の全員がパスをしたら、出されたカードは片づけられてもうプレイには使用しません。最後にプレイしたプレイヤーは、自由に1枚または同じランクの2枚以上のカードを出して、同様にプレイを続けます。
こうしてプレイを続けていくうちに、手札がなくなったプレイヤーはプレイから抜けていきます。これを「上がる」といいます。最初に上がったプレイヤーが1位、次に上がったプレイヤーが2位というようになります。
1人を除いて全員の手札がなくなったらプレイ終了です。
なお、全員が続けてパスをしたときに、最後にプレイしたプレイヤーの手札がなくなっていた場合には、その右隣のプレイヤーが最初のプレイを行います。このような状態になるのを期待して、手札のなくなったプレイヤーの右隣のプレイヤーが味方のプレイヤーにパスをするように頼むこともできますが、それに応ずる義務はありません。
対面のプレイヤーが10枚以下のカードしか持っていないように見えるときは、そのプレイヤーに、何枚のカードを持っているか聞くことができます。そのプレイヤーは正確に答えなければなりません。そのプレイヤーの対面のプレイヤーがすでに上がっている場合は、相手チームの他のプレイヤーが聞いてもかまいません。
数枚のカードしか手札にないときには、それを全員が見えるように広げて見せて、味方プレイヤーのアドバイスを聞きながらプレイすることができます。これを行った場合は、ディールの最後まで見せておかなければなりません。
手札が10枚以下になった場合には、手札の内容を同じチームのプレイヤーにこっそり見せることができます。ただし、上記のように公開しない限り、アドバイスを聞くことはできません。
2人以上が上がって残りが4人以下になったら、各チームのプレイヤーは相談して、味方チームのプレイの順番を交換することができます。プレイの順番は1まわりごとに変えることができます。相手チームと味方チームのプレイの順番を変えることはできません。
赤ジョーカーや黒ジョーカーや2は、それだけをまとめて出すことができるほか、2枚以上出すときにワイルドカードとして他のランクのカードの代わりに使うこともできます。
2をワイルドカードとして使った場合、強さは本来のカードを使った場合と同じです。
黒ジョーカーをワイルドカードとして使っている場合は、後で出すことができるのは、次のような条件を両方満たすカードの組だけです。
赤ジョーカーをワイルドカードとして使っている場合は、後のプレイヤーはカードを出すことができません。
なお、ジョーカーをワイルドカードとして使う場合でも、出すことができるのは、それが表わしているランクが今までに出ているランクより強いときだけです。
したがって、5とジョーカーの組み合わせのあとに6の2枚を出すことはできないですが、6の2枚のあとに5とジョーカーを出すこともできません。
プレイしたカードが次の条件のいずれかを満たす場合、ゴウジーの状態になります。(最初に出したカードでなくてもかまいません)。
ゴウジーになると、次にプレイするのは対面のプレイヤーとなり、これ以降、どちらかがパスをするまで、対面とこのプレイヤーだけがプレイします。(相手チームのプレイの順番が変わっていても、実際の対面の相手とプレイします)。対面はゴウジーの前にパスをしていてもプレイすることができます。
ゴウジーが始まってからどちらかのプレイヤーが上がった場合(ゴウジーを始めたときに手札がなくなった場合も)は、残ったプレイヤーがプレイをするかパスをするかして終わります。プレイをした場合は、カードを片づけて新しくプレイできます。パスをした場合は、上がったプレイヤーの右隣が新しくプレイを始めます。
自分の対面が既に上がっている場合は、ゴウジーにはなりません。
ゴウジーを始めたプレイヤーの相手チームのプレイヤーは、それに対して出すことのできるカードを手札に持っていて、それ以外には同じランクのカードとして一度に出して上がることのできるカードしか持っていなければ、シャオパイを宣言して対面のプレイヤーの代わりにプレイすることができます。
このプレイのあとは、反時計回りに今までパスをしていないプレイヤーなら誰でもプレイできます。全員がパスをしたら、手札の残りをプレイして上がることができます。誰かがプレイしたらそのプレイヤーがゴウジーを始めることになります。
同じランクとして1度に出すことのできるカードの代わりに、それぞれが赤または黒のジョーカーを含むいくつかのランクのカードだけを持っている場合でもシャオパイを宣言できます。この場合は最初に全員がパスをしても必ず上がれるとは限りません。
自分がプレイして、次の2人がパスをして対面がプレイした場合、自分の左2つ隣の味方のプレイヤーに、シエンランラン(先譲譲)と言ってパスをするように頼むことができます。頼まれたプレイヤーのそれに応じてパスをすることも、プレイすることもできます。
各チームはプレイヤーの順位により次の点数を合計して得点します。
1位 | プラス4点 |
2位 | プラス2点 |
3位 | 0点 |
4位 | 0点 |
5位 | マイナス2点 |
6位 | マイナス4点 |
いつゲームを終えるかというルールは特にないようです。
2009年3月7日、なかよし村でプレイしました。
ディールのルールの説明がちょっと大変でした。1枚ずつ36枚取っていくのも結構時間がかかります。ただ、手札は多いですが、プレイしにくいわけではありません。
基本的なルールは簡単です。シークエンス(階段)で出すことはできません。このため、手札の処理は結構大変です。例えば、リードが3枚の場合、4枚同位札をくずして出すと、1枚残ったカードの処理に困ります。
ゴウジーのルールによって、スピーディーなゲーム展開になり、作戦も立てやすくなるようです。
あまり何度もプレイできませんでしたが、やりこめば面白いかもしれません。