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フーラ(훌라/Hoola/hulla)

2022/6/4 赤桐

韓国でプレイされているラミー系のゲームです。日本のセブン・ブリッジの系統のようですが、さらに麻雀からの影響も受けています。 釜山のあたりから発祥したようです。

ルールは主にJohn McLeod氏のインターネットのサイト(http://www.pagat.com/)によりました。


プレイヤー

2人〜5人。6人、7人も特別なルールでプレイ可能。

カード

普通の52枚のカードを使います。

カードのランクは、10 … と循環して続きます。

は1点、10は数字の点数。は11点、は12点、は13点です。 ただし、はプレイ終了時に手札にあると14点になります。

メルド

特定の組み合わせの1組のカードのことです。ただし、このゲームでは表向きにテーブルに出さないとメルドとは認められません。 このゲームの主な目的はメルドを作っていくことです。

メルドには次の3種類があります。

シークエンス(sequence)

同じスートの3枚の続き札のことです。例えば、S10SSの3枚はシークエンスになっています。

----というようにも繋がります。

セット(set)

3枚の同じランクのカードです。例えば、HSCの3枚はグループになっています。

セブン(seven)

のカードは1枚だけでメルドになります。

は3枚のセットとしてメルドすることもできます。

レイオフ(付け札)

メルドにカードを加えていくことができます。これをレイオフ(付け札)と呼びます。 自分のメルドだけでなく、他のプレイヤーが作ったメルドにもレイオフできます。

シークエンス(sequence)

同じスートのカードを続けていくことができます。例えばS10SSSSなどと続けることができます。もちろん、下にも続けることができます。

セット(set)

4枚目の同じランクのカードを加えることができます。

セブン(seven)

同じスートの続き札を上にも下にも続けることができます。例えば、Hに対して、Hなどを付けられます。

セットののメルドには、を付けることはできません。

ディール

最初のディーラーは任意に決めます。次回からは、前回勝ったプレイヤーがディーラーになります。

各プレイヤーに1枚ずつ7枚のカードを配ます。

残ったカードは山札としてテーブル中央に裏向きに置きます。山札の一番上のカードは表にされて山札の横に置かれます。これが最初の捨て札となります。プレイ中の捨て札はこの上に置かれ、捨て札の山となります。

プレイ

ディーラーからプレイを始め、反時計回りの順にプレイを行います。

各プレイヤーのプレイは次のように行います。

  1. まず、山札の一番上のカードを1枚取って手札に加えます。これをドロー(Draw)といいます。
  2. 次に、手札でシークエンスまたはセットになっているカードやのカードを、テーブルの自分の近くに表向きに置き、メルドにすることができます。何組メルドしてもよく、まったく行わなくてもかまいません。
  3. また、自分または他のプレイヤーのメルドに対して、レイオフ(付け札)を行うことができます。レイオフはいくつ行ってもよく、まったく行わなくてもかまいません。 ただし、レイオフすることができるのは、1つ以上のメルドを行っているプレイヤーだけです(最初のメルドと同じ回にレイオフしてもかまいません)。
  4. 最後に、手札から1枚のカードを捨て札の山の上に表向きに捨て札します。

捨て札の取得

誰かが捨て札を行ったとき、次の順番のプレイヤーでも、そうでなくても、そのカードと手札の2枚を使ってメルドを作ることができれば、 その捨て札を取ることができます。そのためには「ありがとう(カムサハムニダ/감사합니다/thank you)」と宣言しなければなりません。

もし2人以上が「ありがとう」を宣言したら、先に宣言したほうが捨て札を取ります。

捨て札を取ったプレイヤーは、そのカードを使ってメルドするほかに、他のメルドやレイオフをすることもできます。 通常通り、捨て札を行ってプレイを終えます。

プレイの順番は、このプレイヤーの右隣に移ります。

なお、は1枚でメルドなのですが、万一が捨てられていてもそれを取って1枚のメルドとして使うことはできません。 をグループまたはセットの中の1枚として使うことは可能です。

プレイの終了

次のどれかの場合にプレイは終了します。

  1. ブラスト(blast): 自分の番でまだドローしていないときに、今までメルドを1つも行っていなくて、手札の合計点数が15点以下または83点以上のとき、それを宣言すると勝ちになります。 このとき、は7点として計算します。 15点以下をソパン(소빵/sopang/major blast)、83点以上をテッパン(대빵/daepang/major blast)と呼びます。
  2. ノック(knock/stop): 自分の番でまだドローしていないときに、手札の合計点数が10点以下ならば宣言できます。 全員が手札を公開して、自分の点数と同じかそれ以下の点数のプレイヤーがいなければ、勝ちになります。 そうでなければ、最も点数の少ないプレイヤーの勝ちになります。 このとき、は14点として計算します。
  3. 上り: メルド、レイオフ、捨て札などを行って、手札がなくなったとき。捨て札はしてもしなくてもかまいません。
  4. 4枚の: 手札に4枚のがある状態になれば、宣言して勝ちになります。次回の自分の番を待つ必要はありません。はメルドしていなくて、手札にある必要があります。
  5. 山札切れ: 最後の山札のカードを取ったプレイヤーが捨て札をしたときにプレイは終了します。この捨て札を取ることはできません。全員が手札の合計点数を数えて、最も少ないプレイヤーの勝ちになります。は14点として計算します。

得点

勝ったプレイヤー以外は、手札の合計点数で順位を付けます。

2位のプレイヤーは勝ったプレイヤーに1点支払い、3位のプレイヤーは勝ったプレイヤーに2点支払い、4位のプレイヤーは勝ったプレイヤーに3点支払い…というようになります。

同点のときは、その全員が低いほうの順位に揃えられます。 例えば4人でプレイしていて、負けた3人全員が同点ならば、全員4位と考えて、3点ずつ支払います。

勝ったプレイヤーが2人以上いた場合には、支払われた点数を等分に分けます。 なお、例えば2人が勝った時は、その2人以外で最も点数の少ないプレイヤーは3位となります。 (勝ったプレイヤーが2人以上いるのは、山札切れのときやノックしてノックしたプレイヤーより点数の少ないプレイヤーが2人以上いた場合に起こりえます)。

特別な最下位

以下の場合には、点数に関係なく順位が最下位になります。

支払いが2倍以上になる場合

あてはまるものは、すべて適用されます。

1人払い

次の場合には、他のプレイヤーの分も1人で払います。

例えば、4人プレイでAの捨て札をBが取って上がった時、Cが手札に7を持っていて、Cの合計点20点、Dの合計点8点なら、 Aの1人払いで、A=3点(最下位)、C=2点(2位)x2=4点、D=1点(1位)の合計8点をAがCに支払います。

2人プレイのときは、1人払いの効果はないので、その代わり、2倍を支払います。

6人・7人プレイ

全員にカードが配られたら、ディーラーの右隣から反時計回りの順に、出る(プレイに参加する)か降りる(プレイを行わない)かを宣言していきます。

ただし、かならずディーラーおよびディーラーを含めて5人がプレイしなければならないので、 自分の意思にかかわりなく出なければならないプレイヤーか降りなければならないプレイヤーが出てきます。

意思にかかわりなく降りなければならなかったプレイヤーは、のカード1枚およびシークセンスまたはセットになった3枚1組について1/4点ずつを、 ディーラーを除く4人のプレイヤーから受け取ります。(受け取る点数はプレイ前の取り決めによって変わります。)

降りたプレイヤーのカードは、ディーラーが配り残りのカードとともにシャッフルし、山札とします。


注1

本文の「ありがとう」のルールは、現代では普通のルールですが、元々はバトル・フーラ(Battle Hoola)と呼ばれていたバリエーションでした。

それ以前のルールでは、順番が次のプレイヤーだけが捨て札を取ることができました。

なお、現在の「ありがとう」のルールでも、「ありがとう」を最初に言ったプレイヤーでなく、次の順番のプレイヤーを最も優先し、そこから反時計回りに優先度が下がっていくルールもあります。

注2

ロパンのことをローカデー(로우카드/ローカード)、テッパンのことをハイカデー(하이카드/ハイカード)とも呼びます。 テッパンは80点以上のこともあります。

注3

The Rummy Rulebookでは、次のような違いがあります。

  1. 手札の点数を計算するとき、4枚同位札があったら、その点数は計算しない。
  2. を手札に持っているプレイヤーが2倍になるルールに、1回もプレイしていないときを除くという規定がない(書き落としただけかもしれませんが)。
  3. フーラが有効なのは他の全員が1回以上プレイしている場合だけ。
  4. 捨て札を取って上がられたとき1人払いになるのはフーラのときだけ。
  5. 必ず捨て札をしなければ上がれない。

注4

Pagat.comでは、次のようなバリエーションが紹介されています。

  1. フーラのとき、点数が4倍でなく2倍。
  2. フーラのとき、次回のディールの点数が2倍となる。そのディールでもフーラがあれば、さらに2倍となる。
  3. 7が手札にあれば最下位となる(1回もプレイしていなくても)。
  4. 手札にあった場合でも7は7点。
  5. 7が4枚手札揃っても、次の自分の番まで宣言できない。(古いルール)
  6. がついていない7については、それらと手札のを合わせて3枚以上になるなら、それらをまとめてセットのメルドにすることもできる。(古いルール)
  7. を4枚メルドしたら、手札の4枚のと同様の勝ちとなる。(古いルール)
  8. 2人プレイのときは、上りまたは山札切れでしかプレイは終了しない。
  9. ノックの点数制限のバリエーション
  10. ジョーカーを使用することがある。ジョーカーはどのカードの代わりにでも使えるワイルドカード(ただし単独の7の代わりには使えない)。メルド1つにはジョーカーは1枚しか使用できない。
  11. ジョーカーを使用したときの点数。
  12. 時計回りにプレイされることもある。

注5

The Rummy Rulebookでは、次のようなバリエーションも紹介されています。

  1. は10点とする。テッパンは手札7枚がすべてのとき。
  2. は続かない(はシークエンスにならない)。
  3. ノックをして同点以下のプレイヤーがいたとき、ノックをしたプレイヤーは既定の点数(5点など)を他の各プレイヤーに支払う。

2022年6月4日、なかよし村でプレイしました。

結構派手で面白いゲームでした。結局運のゲームだという気もしますが、楽しめます。