2018/11/3 赤桐
カーネフェルは現在でもスイスなどの一部地域でKaiserspielまたはKaiserJassという名前でプレイされています。 ここで紹介するルールはMichael Dummett氏が『The Game of Tarot』で記述している19世紀スイスでのルールです。
このゲームにおける切札は複雑なもので、現在の切札とは少し違います。
4人または6人。4人ゲームでは向かい合った2人がパートナーになり、6人ゲームでは1人おきの3人がチームになります。
スイス・パックのタイプのカードを使用します。 どんぐり(Eichel)、花(Rose)、楯(Schilte)、鈴 (Schelle)、の4つのスートからなっています。 便宜的に、どんぐり=クラブ、花=ハート、楯=スペード、鈴=ダイアモンドと考えてよいでしょう。
各スートは、強いものから順に、ケーニッヒ(Könich=キングに対応)、オーバー(Ober=クイーンに対応)、ウンター(Unter=ジャックに対応)、バナー(Banner=旗/10に対応)、9、8、7、6、5、4、3、2からなります(このゲームではAは使いません)。
ディーラーは各プレイヤーの手札が5枚になるように、ディーラーの右隣から反時計回りに1枚ずつカードを配ります。最初に各プレイヤーに配る1枚は表向きにして配り、それ以降は裏向きにします。
表向けに配られたカードの中で、最もランクの低いカードのスートが切札になります。この時のランクはケーニッヒが最高で、2が最低の普通のランクです。最低ランクのカードが2枚以上あった場合には、先に配られたカードのスートが切札になります。
プレイが始まる前に、バナー(10)のカードを持っているプレイヤーがどのバナーを持っているかを宣言すれば、そのカードはカイザー(皇帝)と呼ばれる切札になります。カイザーが1つ宣言されるごとに、そのディールの勝敗の点数が多くなります(1ディールの勝者の得点は、カイザーがない時に1ポイントだとしたら、カイザーが1つ宣言されれば2ポイント、2つ宣言されれば3ポイントなどと決めておくとよいでしょう)。
バナーを1人で2つ以上宣言することもできます。バナーを持っている時、宣言しなくてもかまいません。
ディーラーの右隣のプレイヤーが自由に1枚のカードを場に出して、最初のリードを行います。リードが行われたら、反時計回りの順に1枚ずつカードを出していきます。リードされたカードに対してフォローの義務はありませんので、どのカードを出してもかまいません。
トリックに勝ったプレイヤーは、出されたカードを集めて裏向きに置き、次回のリードを行います。
どちらかの側が3トリック取ったら終了します。
プレイ中にプレイの話し合いをすることや、味方に指示を出すことは禁止されていません。
プレイにおけるカードの強さの順位は次の通りです。バナーは宣言があった時だけカイザーとして有効です。宣言のないバナーは、トリックに勝つことができないカードになります。宣言のないバナーがリードされた時は、次にプレイするプレイヤーが出したカードを、リードしたカードとみなします。
元々のカーネフェルのルールには、上記のようにバナーを切札(皇帝)にするというルールはなかったようです。古いルールでは切札の2が皇帝と呼ばれ、切札の6が教皇、切札の7が悪魔と呼ばれました。