2019/10/5 赤桐
シャーフコップの仲間のトリックテイキングゲームですが、 ポーランドのビエルコポルスカ地方でプレイされています。
ルールはPagat.comによります。
4人。
通常の52枚のカードから、 各スートのA、Q、J、10だけを抜き出した、16枚のカードを使います。 現地でも普通のスートのトランプを使っています。
切札は固定されていて、そのカードと強さの順位は強いものから順に:
A、10、Q、Q、Q、Q、J、J、J、J、A、10
切札以外のスートはクラブとスペードだけですが、その各スートのカードと強さの順位は強いものから順に:
A、10
カードにはそれぞれ次のような点数があります。
カード | 点数 |
---|---|
A | 11点 |
10 | 10点 |
Q | 3点 |
J | 2点 |
全カードの合計点数は104点です。
普通は2人ずつパートナーになりますが、プレイの目的は、パートナーで過半数の点数つまり53点以上または52点以上を取ることです。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。 ディーラーはシャッフルしてから、右隣のプレイヤーがカットします。
ディーラーは、各プレイヤーに1枚ずつ4枚を配ります。
普通は、Qを持っているプレイヤーとQを持っているプレイヤーパートナーになり、 2人の合計点数で53点以上取ることを目指します。他の2人もパートナーになり、これを阻止しようとします(52点以上取ろうとします)。 ただし、パートナーどうしは、口に出したりして相談することはできません。
QとQのことを老クイーン(Old Queen)と呼びます。
老クイーンの両方を1人で持っているときや、後述するビッドにより1人だけで53点を取ることを目指すこともあります。 このときは、残りの3人がパートナーになります。
ディールが終わると、プレイの前に、各プレイヤーはビッドを行うことができます。
公式のゲームでは、ディーラーの左隣から時計回りの順に1人ずつ行い、3人が続けてパスをしたら終了します。 普通は自由な順序でビッドし、最初にプレイするディーラーの左隣のプレイヤーがもうビッドがないことを確認し、プレイを始めます。
ビッドできるのは次のどれかです。 数字の大きい方が強いビッドです。 だれかのビッドがあれば、それと同じビッドやそれより弱いビッドを行うことはできません。
上記とは別に、ビッドの時に各プレイヤーは「コントラ」を宣言することができます。 コントラの宣言があるとゲーム点(プレイの結果の得失点)が2倍になります。
コントラの宣言があったあとには、他のプレイヤーは「レ(re/rej)」を宣言できます。 レのビッドのあとには「ボック(bok)」が、ボックのあとには「スウップ(słup)」を宣言できます。 これらはそれぞれゲーム点をさらに2倍にします。つまり4倍、8倍、16倍となります。
公式の試合では、スウップ(słup)よりあとの2倍にするピッドはできませんが、 私的なゲームでは、さらに2倍にするビッドができます。 これらはドゥパ・レニナ(dupa Lenina)やドゥパ・ビエルタ(dupa Bierut)など様々な名前で呼ばれます。
次の制限があります:
ベセレ、ゾロ、ゾロ・ドゥのビッドがないときは、既に述べたように、 老クイーン(QとQ)のそれぞれを手札に持っているプレイヤーがパートナーになります。 老クイーンを持っているパートナーを老人チーム(the old ones)、そうでないパートナーを若者チーム(the young ones)と呼びます。
老クイーンが1人の手札にあったときは、そのプレイヤーは1人で53点取ることを目指すことになります。 これを「チーハ(cicha)」と呼びます。他の3人はパートナーになります。
べセレのビッドの時は、べセレを宣言したプレイヤーが持っているジャック以外で最も強いジャックを持っているプレイヤーがパートナーになります。 このカードが何かは宣言しないので、ジャックを持っていてもプレイが進まないと自分がパートナーかどうか分からないこともあります。
ゾロ、ゾロ・ドゥの場合は、それをビッドしたプレイヤーと他の3人の戦いになります。
老クイーンを2枚配られたプレイヤーはチーハ、べゼレ、ゾロ、ゾロ・ドゥの選択肢があることになります。
誰がパートナーかということは、ビッドで明らかでない場合は、プレイで関連カードが出るまで明らかになりません。 パートナーであることを話すことは禁止です。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。時計回りにトリックテイキングゲームのプレイを行います。
トリックテイキングゲームのルールに従いますが、次の規則があります。
このゲームでは、切札、クラブ、スペードの3つのスートしかありません。
プレイが終わると、各パートナーは取ったカードの点数を合計します。 老人チーム(ベセレ、ゾロ、ゾロ・ドゥのビッドがあったときはビッドした側)が53点以上取ったときには、 そのパートナー/プレイヤーの勝ちとなり、そうでないときは、若者チームなどの勝ちとなります。
2対2の戦いのときには、計算したゲーム点を、負けたチームの各プレイヤーが勝ったチームの1人のプレイヤーに支払います。 1対3のときには、1人のプレイヤーが3人それぞれから計算したゲーム点をもらうか、あるいは、支払います。
ゲーム点の基本点は1点ですが、次にあてはまるものをすべて掛けます。ベセレは基本点のままです。
種類 | 倍数 | 説明 |
---|---|---|
チーハ | 4倍 | |
ゾロ | 5倍 | |
ゾロ・ドゥ | 10倍 | このとき下記のベズ・ビエスチアとベズ・ビトキは適用されない |
コントラ | 2倍 | |
レ | 2倍 | |
ボック | 2倍 | |
スウップ | 2倍 | |
ベズ・ビエスチア(bez wyjścia) | 2倍 | 負けた側が25点以下のとき |
ベズ・ビトキ(bez bitki) | 3倍 | 負けた側が1トリックも取れなかったとき(このときベズ・ビエスチアの2倍は適用されない) |
ゲーム終了条件は決められていません。
1)次のような新しい切札のカードとその強さの順序もあります。
A、10、10、10、Q、Q、Q、Q、J、J、J、J、A、10
切札以外は、AとAだけです。
2)自分のベセレにコントラを宣言できるというルールもあります。
3)ベセレのとき、自分の持っていない最も強いジャックを持っているプレイヤーがパートナーになりますが、 その持っていないジャックを宣言するというルールもあります。 例えば「ハートのジャック」などと宣言します。
ポーランドのチャスフビア(Cashubia)地方でプレイされています。
コップとの違いだけを記述します。
2つのビッドが追加されます。
ビッドは、時計回りの順に1人ずつ行います。強さの順位は弱いものから順にベセレ、グラン、ゾロ、グラン・ドゥ、ゾロ・ドゥ、バシュカです。
得点は次のようになります。
種類 | 倍数 | 説明 |
---|---|---|
チーハ | 4倍 | |
グラン | 5倍 | |
ゾロ | 5倍 | |
グラン・ドゥ | 10倍 | このとき下記のベズ・ビエスチアとベズ・ビトキは適用されない |
ゾロ・ドゥ | 10倍 このとき下記のベズ・ビエスチアとベズ・ビトキは適用されない | |
バスカ | 10倍 | |
コントラ | 2倍 | |
レコントラ(rekontora) | 2倍 | レに相当 |
ボック | 2倍 | |
ヒルスフ(hirsh) | 2倍 | スウップに相当 |
ベズ・ビエスチア(bez wyjścia) | 2倍 | 負けた側が25点以下のとき |
ベズ・ビトキ(bez bitki) | 3倍 | 負けた側が1トリックも取れなかったとき(このときベズ・ビエスチアの2倍は適用されない) |
老人チームおよびベセレ、グラン、ソロなどのビッドに成功した側が負けた時は、さらにゲーム点は2倍になります。
2019年10月5日になかよし村でプレイしました。
枚数が少ないので進行は早いですが、考える要素はかなりあり、楽しめました。
手札4枚なのに、案外プレイが難しかったです。