2011/5/7赤桐
正式にはランタールー(Lanterloo)と呼びます。17世紀ごろフランスから英国に伝わったゲームです。ランタールーというのは子守唄における意味のない繰り返し言葉だということです。19世紀ごろまで盛んにプレイされました。
いろいろなルールがありますが、ここではDavid Parlett氏のホームページ(http://www.davidparlett.co.uk/)にあるルールを紹介します。
2人〜17人。5人〜7人がベスト。
普通の52枚のトランプを使用します。ジョーカーは使いません。各スートのカードの強さは次の通りです:
(強い)A、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2(弱い)
最も低いカード(Aが最も低い)をドローしたプレイヤーが最初のディーラーになります。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。ゲームの前に、各プレイヤーにポーカーチップなどを配分します。
ディールを行う前に、ディーラーは3チップをポット(テーブル中央)に置きます。
ディーラーはシャッフルして右隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、左隣のプレイヤーから時計回りの順に、1枚ずつ3枚のカードを各プレイヤーに裏向きに配ります。ただし、もう1人分のカードも配っておきます。これをミス(Miss)と呼びます。
そのあと、1枚のカードを表向きにテーブルに置き、切札表示カードとします。このカードはプレイでは使われませんが、これと同じスートのカードはすべて切札となります。
ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、各プレイヤーはプレイする(出る)か、降りるかを宣言していきます。
降りた場合は、そのあとのプレイに参加することはできません。チップを獲得することはできませんが、支払いも発生しません。
プレイを宣言した場合は、ミスのカードと手札を取り換えることができます(取り換える前にミスのカードを見ることはできません)。ただし、これを行えるの1人だけです。
プレイするプレイヤーが1人だけの場合は、そのプレイヤーがポットにあるチップをすべて獲得して、このディールは終了します。次のディールに移ります。
ディーラー以外の1人だけがプレイを宣言して、そのプレイヤーがミスとの交換を行わなかった場合、ディーラーは降りることはできません。普通にプレイを行う(このとき交換を行っても行わなくても良い)か、ミスのカードを手札にして、「ディフェンド・ミス(defend Miss)」のプレイを行います。
ディフェンド・ミスの場合、ディーラーは勝ってもチップを受け取ることはできませんが、1トリックも取れなくても支払いはありません。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。このプレイヤーが降りている場合には、そのプレイヤーから時計回りの順に、降りていない最初のプレイヤーが行います。リードするカードには次の制限があります:
プレーはトリックテイキングゲームのルールに従います。ただし、フォローの規則は次のようになります:
各プレイヤーは取った1トリックごとにポットの1/3ずつをもらいます。
1トリックも取ることができなかったプレイヤーはルーと呼ばれます。ルーのプレイヤーは、トリックを取ったプレイヤーがポットからチップを取った後に、3チップをポットに入れます(次のディールの賞金となります)。
ルーのプレイヤーが3チップ(ずつ)ポットに入れた後でも、次のディールの前には必ずディーラーが3チップをポットに入れます。このようにしてポットの額が増えている状態をダブル(double)と呼びます。そうでない状態をシングル(single)と呼びます。
5人〜10人。
普通の52枚のトランプを使用します。ジョーカーは使いません。各スートのカードの強さは次の通りです:
(強い)A、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2(弱い)
ただし、Jはパン(Pam)と呼ばれ、常にもっとも強い切札になります。
最も低いカード(Aが最も低い)をドローしたプレイヤーが最初のディーラーになります。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。
ディールを行う前に、ディーラーは5チップをポット(テーブル中央)に置きます。
ディーラーはシャッフルして右隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、左隣のプレイヤーから時計回りの順に、3枚ずつ各プレイヤーに裏向きに配り、そのあと2枚ずつ配ります(先に2枚、次に3枚配ってもかまいません)。各プレイヤーの手札は5枚になります。
そのあと、1枚のカードを表向きにテーブルに置き、切札表示カードとします。このカードはプレイでは使われませんが、これと同じスートのカードはすべて切札となります。
ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、各プレイヤーはプレイする(出る)か、パスをする(降りる)かを宣言していきます。
パスをした場合は、そのあとのプレイに参加することはできません。チップを獲得することはできませんが、支払いも発生しません。
プレイを宣言した場合は、そのときに手札を何枚か裏向きに捨て、その分のカードをディーラーから裏向きにもらうことができます(配り残りのカードからもらいます)。手札の5枚全部をこのようにして交換することもできますが、1枚も交換しなくてもかまいません。
もし配り残りのカードが足りなくなったら、捨て札のカードをシャッフルして使います。切札表示カードは使いません。
プレイするプレイヤーが1人だけの場合は、そのプレイヤーがポットにあるチップをすべて獲得して、このディールは終了します。次のディールに移ります。
交換の前でも後でも、手札がすべて同じスートであるか、4枚の同じスートとパンから成っている場合には、フラッシュを宣言すれば、このプレイヤーの勝ちになります。
だだし、このとき他のプレイヤーもフラッシュであったら、次の順序で強さを決め、最も強いフラッシュを持っているプレイヤーが勝ちます。
同じカテゴリーならば、最も強いカードのランクが高いほうが勝ちます。
勝ったプレイヤーは、ポットのチップを獲得します。そのあと、降りていたプレイヤーも含めた他のプレイヤーは、ルーのときの額のチップ(後述)をポットに払わなければなりません。ただし、パンを持っているプレイヤーとフラッシュになっているプレイヤーはこれを支払わなくてもかまいません。
フラッシュがあったときは、プレイは行わないで、次のディールに移ります。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。このプレイヤーが降りている場合には、そのプレイヤーから時計回りの順に、降りていない最初のプレイヤーが行います。どのカードをリードしてもかまいません。
最初にリードするプレイヤーが、切札Aをリードして、「パンは市民(Pam be civil)」と宣言した場合、パンを持っているプレイヤーはそのトリックでパンを出すことはできません(ただし、他に切札を持っていなければ、パンを出します)。
プレーはトリックテイキングゲームのルールに従います。ただし、フォローの規則は次のようになります:
各プレイヤーは取った1トリックごとにポットの1/5ずつをもらいます。
1トリックも取ることができなかったプレイヤーはルーと呼ばれます。ルーのプレイヤーは、トリックを取ったプレイヤーがポットからチップを取った後に、決められたチップ(例えば5チップ)をポットに入れます(次のディールの賞金となります)。
ルーのプレイヤーがポットに入れた後でも、次のディールの前には必ずディーラーが5チップをポットに入れます。このようにしてポットの額が増えている状態をダブル(double)と呼びます。そうでない状態をシングル(single)と呼びます。
各プレイヤーが同じ回数ディーラーをやるように、ディールの回数を決めておきます。
もし、最後のディールでルーのプレイヤーがいたら、ルーのプレイヤーがいなくなるまで、ディールを続けます。
草場純氏のルール(「夢中になるトランプの本」主婦の友社)は5枚ルーですが、次の点がこのルールと異なります。
Walter B. Gibson氏の"Hoyle's Modern Encyclopedia of Card Games"では3枚ルーを紹介していますが、切札表示カードは最初に開けないで、誰かがリードされたスートがなくて他のスートのカードを出したときに開けることになっています。
なかよし村で2011年7月6日にプレイしました。(草場氏のルールでは、今まで何度もやっていると思います。)