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マリッジ・ラミー(Marriage)

2022/12/3 赤桐

ネパール(主にカトマンズ)やブータンでプレイされているゲームです。当地では単にマリッジと呼ばれますが、他のゲームと区別するため、この名前で紹介します。

英語のウィキペディアなどネット上にはいくつかルールが載っていますが、ここでは主にPagat.comのルールに拠ります。


プレイヤー

2人~5人。

カード

52枚のトランプ3組(156枚)を使います。ジョーカーは使用しません。 ただし、このゲームではワイルドカード(代札)として使うことのできるカードをジョーカーと呼びます。

カードの並び順は10です。

カウンター

ゲームの前に、各プレイヤーに同数のポーカーチップなどのカウンターを配っておきます。

ジョーカー(ワイルドカード)

プレイの途中でどのカードの代わりにでも使えるカードが決まります。 このゲームではそれをジョーカーと呼ぶことが多いようです。 (このあとは、実際に他のカードの代わりに使うのをワイルドカードと呼び、そのように使用可能なカードをジョーカーと呼ぶことにします)。

1枚のカードを引いて次のようにジョーカーを決めます。ジョーカーにも種類があります。

  1. 引いたカードと同スート同ランクのカード2枚(Hをめくったら、H)。これをティプル(tiplu)と呼びます。
  2. ティプルと同じスートの1つランクの上のカード3枚(ティプルがHなら、H)。これをポプル(poplu)と呼びます。
  3. ティプルと同じスートの1つランクの下のカード3枚(ティプルがHなら、H)。これをジプル(jhiplu)と呼びます。
  4. ティプルと同ランクで別スートのカード9枚(ティプルがHなら、DCS)。これは普通のジョーカーと呼ばれます。

の1つ下のランクはです。 の1つ上のランクはです。 引いたカードそれ自体はプレイに使用されないので、ジョーカーは全部で17枚です。

カードの組み合わせ(セット)

手札から3枚カードの組み合わせ(セット)を作ることがプレイの目的となります。(3枚より多い枚数のセットはありません)。

ツネラ(tunnela/tanella)

3枚の同スート同ランクのカードです。 例:C-C-C

ジョーカーであっても同スート同ランクのカードでなければなりません(ワイルドカードとしては使えません)。

シークエンス(sequence)

3枚の同スートの続き札です。 例:D-D10-D。 エースは----として使えますが、--と中に入れることはできません。

ジョーカーを1枚だけワイルドカードとして使えます。 例えばSがジョーカーなら、H-S-Hもシークエンスになります。

ジョーカーは本来のカードとして使うこともできます。 例えばSがティプルなら、Sもジョーカーですが、 S-S-Sというシークエンスにすることは可能です。 あるいは、1枚をワイルドカードとして使って、S-S-Sなどとすることも可能です。

ジョーカーをすべて本来のカードとして使い、シークエンスになったとき、マリッジ(marriage)と呼ばれ、高得点になります。 上記の例のようにSがティプルなら、S-S-Sがマリッジになります。

トリプレット(triplet)

3枚の異なったスートで同ランクのカードです。 例:S-D-C。 しかし、S-S-Cは同スートのものを含むのでトリプレットになりません。

ジョーカーを1枚だけワイルドカードとして使えます。 例えばSがジョーカーなら、H-S-Sもトリプレットになります。 (ジョーカーのスートは無関係です)。

また、シークエンスの場合と同様に、ジョーカーを本来のカードとして使うこともできます。

なお、トリプレットには同じスートのものを含むことができず、ツネラにはワイルドカードが使えないので、例えば、Sがジョーカーでも、H-H-Sはトリプレットにもツネラにもなりません。

ディール

最初のディーラー任意の方法で決めます。 次回からは時計回りに交替します。

ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに1枚ずつ、各プレイヤーに21枚のカードを配ります。 残りのカードは山札としてテーブル中央に置きます。

山札の一番上のカードは表にして山札の横に置きます。これが最初の捨て札となります。プレイ中の捨て札はこの上に置かれ、捨て札の山となります。

配られたカードにツネラがあったプレイヤーは、それを自分の前に出して公開すれば、あとで得点できます。 何人でも何セットでも公開できます。 公開できるのにしなくても構いませんが、得点にはなりません。

プレイ

最初にディーラーの左隣のプレイヤーがプレイし、そのあと時計回りに1人ずつプレイします。

各プレイヤーの自分の番のとき次のようにプレイを行います。

  1. まず、山札または捨て札の一番上のカード1枚取って手札に加えます(ドロー)。
  2. そのあと、後で述べるように、手札のセットになっているカードを表向きにしてテーブルに出すことがあります。
  3. 最後に、手札から1枚のカードを捨て札の山に捨て札します。

ドローと捨て札

各プレイヤーのプレイの最初に必ず山札または捨て札の山の最も上のカードを1枚取り、手札に加えます。

捨て札するときは、前のカードと少しずらして置き、今までに捨てたカードのインデックスが見えるようにします。 しかし、捨て札を取るときは、一番上のカードだけしか取ることができません。

最初の3セット

各プレイヤーは、まず3セットのツネラまたはシークエンスを作ることを目指します。 3セットであれば、ツネラとシークエンスのどのような組み合わせでもかまいません。

ジョーカーが何になるかは明らかになっていないので、ジョーカーをワイルドカードとして使うことはできません。

なお、配られたときにツネラを公開している場合は、そのツネラもこの3セットに含めることができます。

ドローのあと、最初にこの3セットができたプレイヤーは、そのセットをすべて自分の前のテーブルに公開します。 そのあと、山札の中からどれでも1枚を取り、自分だけで見ます。 このカードがティプル(ジョーカーの中心のカード)となります。 このカードは山札の一番下に裏向きに返します。 最後に捨て札を行って、そのプレイヤーの番が終わります。

最初に3セットができたプレイヤー以外も、ドローして自分の手札で3セットができたプレイヤーは、同様にそれを公開します。 そのあと、ティブルのカードを選ぶ代わりに、山札の一番下のカードを見てジョーカーが何であるかを知ります。 捨て札を行って番を終わります。

なお、各プレイヤーは、最初の3セットを作った後は、直前にプレイするプレイヤーがまだジョーカーを知らなくて(3セット作っていなくて)ジョーカーを捨て札した場合には、 そのジョーカーを取ることはできません。

上り

最初の3セットを公開したプレイヤーは、あと4つのセットを手札の中に作ったら、それを公開してプレイを終了することができます。 ドローのあと、公開を行い、捨て札を行って終了です。 これを上りといいます。

この4セットはジョーカーをワイルドカードとして使うことができ、どの種類のセットでもかまいません。

最初の3セットを作ったときに、そこで知ったジョーカーをワイルドカードとして使用して(使用しなくてもかまいませんが)あと4セットができたら、その番で上がることもできます。

ダブリー

同スート同ランクのカードのペア(2枚)を8組揃えても、上がることができます。 それをダブリー(dublee)と呼びます。 組として使われていないカードが5枚手札に残りますが、かまいません。 ジョーカーをワイルドカードとして使うことはできません。

ペアを7組作ったときに、公開して、ジョーカーを見ることもできます。 (見たあともワイルドカードを使うことはできませんが)。

ジョーカーを見た後は、上がれる場合でなければ、捨て札を取ることができません。 (上がれる場合でも、前のプレイヤーがまだジョーカーを見ていなくて、ジョーカーを捨てたときには、取ることができません)。

山札がなくなった場合

誰かのプレイのあとで、山札がティプルのカード1枚だけになったときは、一番上の捨て札以外のすべての捨て札をシャッフルし、ティプルのカードの上に置いて山札とします。

得点

上がったプレイヤーに、他の各プレイヤーは次の単位のチップを払います。

  1. ジョーカーを見ていたプレイヤーは3単位を払います。
  2. ジョーカーをまだ見ていなかったプレイヤーは10単位を払います。
  3. ダブリーでの上がりのときは、それぞれ5単位を追加して払います。(8単位または15単位の支払いになります)。

それ以外に、各プレイヤーは、上がったプレイヤーかどうに関わりなく、ディール直後に公開したツネラと、 手札とメルドしたカードを合わせたカードの中の特定のカードや組み合わせに対して、次の点数がつきます。 各プレイヤーは他の全プレイヤーそれぞれとの間で、プレイヤーの持っている点数の差1点つについて1単位のチップをやり取りします。

  1. ディール直後に公開したツネラ(1組につき):ジョーカー以外は5点。普通のジョーカーは10点。ポプルまたはジブルは20点。
  2. マリッジ:1組で10点。2組で20点。
  3. ティプル:1枚で3点。2枚で7点。
  4. ポプル:1枚で2点。2枚で5点。3枚で10点。
  5. ジプル:1枚で2点。2枚で5点。3枚で10点。

ティプル、ポプル、ジプルはマール(maal)と総称します。これらはセットの中にあっても、そうでなくてもかまいません。 マリッジもセットとして公開されている必要はありません。 マリッジに使われたマールは、単独としては点数になりません。 例えば、ティプル1枚、ポプル1枚、ジプル3枚あれば、マリッジ10点とジプル2枚の5点がつきます。

ジョーカーを見ていないプレイヤーの手札でも、マールやマリッジの点数はつきます。 なお、ティプルは2枚しかプレイには使われません。 マリッジも2組が最高です。

ゲーム終了

ゲーム終了についての規則はないようです。


2022年12月3日、なかよし村でプレイしました。

手札が21枚と多く、カードの総枚数も156枚と麻雀より多くて大変でしたが、独特の感覚があり、面白く遊べました。