1998/9/5,2010/6/6 赤桐
オランダのドミノゲームです。 ただ、現在プレイされているかどうかは定かではありません。
基本的には、ドミノをつなげていき、手のドミノを早くなくすことを目的とするゲームですが、 親がゲームのルールを選択できるのが特徴です(前回負けたプレイヤーが親になります)。 また、おもしろい点数のやりとりもあります。
3人〜5人
普通の28枚のドミノ(ダブルシックス)を用います。
ゲームの始めに各プレイヤーは500点のチップをもらいます。
プレイの前に、ドミノをすべて裏返してよくかき混ぜます。 これをシャッフルと呼びます。最初のプレイでは誰がシャッフルしてもかまいません。 次に、各プレイヤーは、3人プレイの時には5枚のドミノを、4人プレイの時には4枚のドミノを、5人プレイのときには3枚のドミノを取り、手のドミノとします。 なお、ドミノを場から取ることをドローと呼びます。
最も高いランクのダブルのドミノを手に持っていたプレイヤーが最初の「親」になります。 親と言うのは最初にプレイする人のことです。 ダブルとは2つの目が同じドミノのことで、ランクは6-6が最高で、0-0(0は空白)が最低です。 誰もダブルをドローしなかった場合には、手のドミノを場に戻し、もう1度シャッフルしなおして、ドローします。
2回目のプレイからは、後述するように、前回のプレイが終わったときに、手のドミノの目を足して、最も多くの目を持っていたプレイヤーが親になります。 2回目からは、親の右隣のプレイヤーがシャッフルします。
最初のドローのあと残ったドミノはまとめて1ヶ所に置いておきます。これを「タロン」と呼ぶことにします。
親は手から1枚のドミノを選び、それをテーブルに出します。 この親の最初のプレイをセットと呼びます。 親がダブルを持っている場合、セットで使うことのできるドミノはダブルだけです。
親がダブルを持っていない場合には、タロンから1枚ドミノをドローし、そのドミノがダブルであってもなくてもそれをプレイします。
ダブルのドミノを出した親は、出したドミノの片方の目の数と同じ点数を各プレイヤーからもらいます。0-0を出した場合は、7点ずつもらいます。
親がタロンからドローしてセットした場合、ダブルをドローしたときには上記の2倍の点数を各プレイヤーからもらいます。 ダブル以外をドローした場合には、出したドミノの両方の目の合計の点数を、各プレイヤーに払います(0の目は0点として数えます)。
最初のプレイのあと、親はその回に行うゲームの種類を宣言します。ゲームの種類は17種類あり、さらに細かいルール設定の可能性もあります。
いずれのゲームの場合にも、プレイの目的は自分のドミノを早く出してしまって、上がることです。
ゲームの種類の宣言のあと、どのプレイヤーでも、下記の数以上のダブルを手札に持っていれば、 宣言して、対応した点数を各プレイヤーからもらうことができます(宣言しなくてもかまいませんが、もちろん点数はもらえません)。
3人プレイ (5枚持ち) |
4人プレイ (4枚持ち) |
5人プレイ (3枚持ち) |
|
ダブル3枚 | - | 25点 | 30点 |
ダブル4枚 | 200点 | 250点 | - |
ダブル5枚 | 500点 | - | - |
宣言を行ったプレイヤーは、宣言した数だけのダブルを表にしてテーブルに置きます。このドミノはプレイされるまで、そのまま表向きに置かれます。
親がシングルのドミノをセットした場合、次のプレイヤーがプレイする前に、 セットのドミノにダブルをつなぐことのできるプレイヤーは誰でもそれをプレイすることができます。 このプレイヤーは、ダブルの片方の目の数だけの点数を親かららうことができます(0-0ならば7点)。 この場合、1巡目のこのプレイヤーの番の時には、かならずパスをして、2巡目からは普通にプレイします。
2人のプレイヤーがこのようなプレイができる場合、両方のプレイヤーがプレイできます。 1人が両方のダブルを出せるときはそうしてもかまいません。このプレイヤーはまず2回パスをします。
ゲームの種類によっては、親がダブルを出した後にも、それにつなげてダブルを出すことができることがあります。 そのような場合にも、同じようににダブルを出して、親から点数をもらうことができます。
プレイは親の左隣から時計回りの順で続けます。 普通のドミノゲームと同じように、1枚出してつないでいきます。
自分の番のとき、出すことのできるドミノがあれば必ず出さなければなりません。 なければ、出すことのできるドミノを持って来るまで、タロンから1枚ずつドローしていきます。 ただし、タロンに残った最後の2枚のドミノはドローできません。 ドローできなければ、パスを宣言して、次のプレイヤーの番になります。
自分の直前の番のプレイヤーが、パスをしないでドミノを置いたときに、 それにつなげてダブルのドミノをプレイしたときは、 ダブルのドミノの片方の目の数だけの点数を、直前の番のプレイヤーからもらいます。 0-0ならば7点もらいます。 ただし、直前のプレイヤーの手のドミノがなくなったときは、これをもらうことができません。 また請求を忘れたら、あとでもらうことはできません。
最初に自分のドミノを全部出してしまって上がったプレイヤーは、「ノス」を宣言して、各プレイヤーから5点ずつもらうことができます。
プレイは他のプレイヤーによって続けられますが、この後は手札がなくなっても、プレイから抜けるだけで、点数はもらえません。
プレイヤーは、ドミノを出してプレイを行った直後に、「ブロック」を宣言することができます。 ブロックと言うのは、自分を含めて誰も、これ以降出せるドミノがないであろうという宣言です。
プレイを進めてみて、実際に誰もドミノを出すことができなければ、そのプレイヤーは20点を各プレイヤーからもらいます。 プレイを進めるときに、タロンのドミノが3枚以上残っているときは、通常通り、プレイできるか2枚残りになるまでドローしなければなりません。
もし誰かがプレイできた場合には、逆に40点を各プレイヤーに払います。この場合は、プレイは続行されます。
上がったプレイヤーがいてプレイの人数が少なくなっている場合でも、ブロックの宣言はできます。 ただし、点数のやりとりを行うのは上がっていないプレイヤーだけです。
2人だけプレイヤーが残っているときに1人がブロックを宣言した場合、 タロンのドミノが3枚以上残っているときは、 もう1人のプレイヤーはタロンのカードをドローしないでブロックを認めてもかまいません。
次の場合にプレイは終了します。
プレイが終ったら、各プレイヤーは、自分の手のドミノの目の数を合計します。 0の目は0点ですが、0-0のドミノだけは14点として計算します。上がったプレイヤーはもちろん0点です。
各プレイヤーは、自分の目の数の合計より低い合計の各プレイヤーに対して、目の数の合計の差だけの点数を支払います。
2回目以降のプレイでは、最も多くの点数を手に残したプレイヤーが親になります。 同点の場合には、ドミノを裏向きにシャッフルしたあと1枚ずつドローし、引いたドミノの目の合計の大きいプレイヤーが親になります。 同じときは片方の目が大きい方が親です。
親が宣言することのできるゲームの種類は次の通りです。
ドミノは、他の一般的なドミノゲームと同じように、同じ目どうしをつないでいきます(これをノーマルルールと呼ぶことにします)。
ドミノは一直線に伸びるだけで枝別れはしません。つなぐことのできるのは常に2ヶ所だけです。ダブルは縦に置かれますが、特に意味はありません。
ノーマルルールでプレイします。
親の最初のプレイ(セット)はダブルでなければなりません。
プレイでは、まず、ダブルの4辺に1枚ずつドミノをつながなければなりません。それが終って初めて、ノーマルドミノと同じように直線状に4方向に伸ばしていきます。2番目以降のダブルも縦に置かれますが、枝別れはしません。
ノーマルルールでプレイします。
ノーマルクロスドミノと同じようにプレイを始めます。ダブルの4辺に1枚ずつドミノをつないだあと、その先の4ヶ所にはまずダブルをつながなければなりません。ダブルをつないだら、その先はノーマルクロスドミノと同じように伸ばしていきます(枝別れはしません)。4ヶ所のダブルを全部置き終るまで待たずに、その先を伸ばすことができます。
つなぎかたの規則が、今まで説明したものと違います。つなぐことができるのは、足して7になる目だけです。例えば4-4のセットのあとのプレイでは、3の目のドミノをつなぐことができます。
6-1、5-2、4-3、0-0の4枚のドミノは、マタドールと呼ばれます。マタドールは、どのドミノにでもつなぐことができます。 しかし、マタドールのあとにつなぐことができるのは、足して7になる目のドミノだけです。
0の目につなぐことができるのはマタドールだけです。 (マタドールに0の目をつなぐことはできません)。
ダブルもマタドールも、他のドミノと同じように、横向きに置かれます。
マタドールを置くときにはどちらの目をどこに置くかを選択できます。例えば、6-5、2-3、4-5とドミノがつながっているとき、3-4のマタドールをつなぐならば、端の6の目にマタドールの3をつないでもマタドールの4をつないでもかまいません。もちろんもう一端の5の目にマタドールの3でも4でもつなぐこともできます。
以上説明したルールを、ロシアルールと呼ぶことにします。
ロシアドミノは、ロシアルールで、ノーマルドミノと同じように、枝別れしないで一直線につないでいきます。
ロシアルールでプレイします。
親の最初のプレイ(セット)はダブルでなければなりません。ただし、0-0であってはいけません。
ノーマルクロスドミノと同じようにプレイを進めます。
ロシアルールでプレイします。
親の最初のプレイ(セット)はダブルでなければなりません。ただし、0-0であってはいけません。
ノーマルダブルクロスドミノと同じようにプレイを進めます。
ただし、ダブルのあとの最初の4枚がプレイされたあとに置かれるドミノは、ダブルまたはマタドールになります。 ダブルもマタドールも他のドミノと同じように横に置きます。
最初の5枚のドミノはノーマルルールで、ノーマルクロスドミノと同様にプレイします。次からは、ロシアルールに従って、ロシアクロスと同様にプレイします。
最初の5枚のドミノはノーマルルールで、ノーマルクロスドミノと同様にプレイします。次からは、ロシアルールに従って、ロシアダブルクロスの規則でプレイします。
最初の5枚のドミノはロシアルールで、ロシアクロスと同様にプレイします。次からはノーマルルールに従って、ノーマルダブルクロスと同様にプレイします。
最初の5枚のドミノはロシアルールで、ロシアクロスと同様にプレイします。次からはノーマルルールで、ノーマルダブルクロスドミノの規則でプレイします。
従って、最初の4枚の枝のどれかがダブルの場合、そこにドミノをつなぐことはできません。
親の最初のプレイがダブルでないときに効果的な宣言ですが、ダブルのときに宣言してもかまいません。
ノーマルドミノまたはロシアドミノに次の条件を付加します。
a)最初の順序指定
セットのあとの最初のプレイでまずどちらの目につなぐかを指定します。つぎのプレイヤーはその目につながなければなりません。 その次のプレイヤーは、セットのドミノのもう1方につながなければなりません。
そのあとは自由に2方向につなぐことができます。
セット後の特別プレイとしてなら、どちらの側にでもダブルを置くことができます。
b)最初につなぐ目とそこからつなぐ枚数を指定
セットのあと、次のプレイやーからは、指定された枚数だけ、最初につなぐ目の方向にしかつなぐことができません。 それ以降は自由につなぐことができます。指定の枚数は4枚以下でなければなりません。
セット後の特別プレイとしてなら、指定されている側にも指定されていない側にもにもダブルを置くことができます。 ただし、指定されていない側にダブルを置いたときは、1回目のプレイの番のときは普通にプレイし、2回目の番のときにパスをします。
c)追加の条件として。上記aまたはbの条件を満たしたあと、ノーマルルールからロシアルールに、あるいはロシアルールからノーマルルールに、つなぐルールを変えるようにすることができます。
ボラプクでは、ノーマルドミノと同じように直線状にドミノを伸ばしますが、 親が最初に出したドミノから伸びる片方の側はノーマルルールでつなぎ、もう片方の側はロシアルールでつなぎます。 どちらをノーマル、どちらをロシアルールにするかは親が決めます。 セット後の特別プレイはありません。
ボラプクの場合、上記11のbの条件をつけることができます(つまり、最初につなぐ目とそこからつなぐ枚数を指定することができます)。
ボラプククロスやボラプクダブルクロスでは、親の最初のプレイ(セット)はダブルでなければなりません (0-0でも良い)。
最初のダブルから伸びる横の列(または縦の列)はノーマルルールでつなぎ、残る縦の列(または横の列)はロシアルールでつなぎます。 当然ながら、セット後の最初の4枚は、まず最初のダブルにつなげなければなりません。 ボラプクダブルクロスでは、そのあと、ノーマルルールのところにはダブルを、ロシアルールのところにはダブルかマタドールを置きます (これは全部揃わなくても他を伸ばすことができます)。
ロシアルールでプレイされます。
親の最初のプレイ(セット)は0-0でなければなりません。
まず、それに3つのマタドールをつながなければなりません。 そのあと、この3つのマタドールからつなげていきます。 これ以上枝別れはしません。
ロシアルールでプレイされます。
まず、トライアングルと同じようにプレイします。 3つのマタドールが0-0に接して置かれた後、それにつなげるのはダブルでなくてはなりません。 ダブルを3ヶ所全部に置く前に、ダブルから伸ばしていってもかまいません。
まず、トライアングルと同じようにプレイします。 3つのマタドールが0-0に接して置かれた後、ノーマルルールでつないでいきます。
まず、トライアングルと同じようにプレイします。
3つのマタドールが0-0に接して置かれた後、まず、0-0の1つ残った面にノーマルルールでドミノをつながなければなりません。 つまり0の目のあるドミノをつなぐわけです。
それが終ったあと、やはりノーマルールで、ノーマルクロスドミノのようにつないでいきます。
親の最初のプレイ(セット)はダブルでなければなりません。どのダブルでもかまいません。
次の2回のプレイは、最初のダブルに接して、ロシアルールでプレイします。
次の2回のプレイは、最初のダブルの残った辺に接して、ノーマルルールでプレイします。
次回からは、ノーマルルールで、ノーマルクロスまたはノーマルダブルクロスと同じようにプレイします。
ゲームの終了条件は特に決まってはいません。
ゲームが終了したら、自分のチップを20の倍数に切り捨てます。 例えば、652チップあれば、640チップになります。 切り捨てられたチップはプール(テーブル上の共有の場所)に置きます。
そのあと、このあと述べるビリトンネンのプレイをを行います。 プールのチップは、ビリトンネンの勝者のものになります。
手持ちのチップから500(最初にもらった額)を引いたものが、 各プレイヤーの最終得点になります。 賭けているときは、これを基に精算します。
ドミノをドローして目の合計の最大のプレイヤーが親(最初にプレイするプレイヤー)となります。 同点のときは、片方の目の大きいプレイヤーです。
各プレイヤーの最初のドローは、3人ゲームでは9枚、4人ゲームでは7枚、 5人ゲームでは最初にプレイする3人が6枚で残りの2人が5枚です。
手のドミノは見てはいけません。 裏向きのまま横一列に置いておきます。
プレイはノーマルドミノのルールで、一列につなぎます。
3人ゲームのときは、ドローされなかった1枚を表にして、それが最初のドミノになります。 4人ゲームのときは、親が自分の一番右のドミノを表にしてテーブルに置き、最初のドミノとします。
プレイは、自分の最も右のドミノを必ずプレイします。 プレイの前にドミノの列のどちら側につなぐかを決め、そのあたりで表にします。
表にしたドミノのどちらかの目がその側につなぐことができたら、 それを置きます。 そうでないときは、そのドミノはまた裏向きにして、自分の前の最も左に置きます。 ただし、ダブルのドミノは表向きに置きます。
つなぐことができなかったときは、それで番が終わりますが、 つなぐことができたときは、失敗するまで、右側からドミノを出し続けることができます。
なお、表にしたドミノが列のどちらでも置ける場合には、例外として、どちらに置いてもかまいません。 またそのときは、置く前に、次に出す自分の最も右のドミノを見てもかまいません。
最初に手のドミノがなくなったプレイヤーが勝ちます。
どうしても誰もドミノを置けない状態になった場合もプレイ終了です。 手のドミノの目の数の合計が最も低いプレイヤーが勝者になります。 同数の場合は、ドミノのドローで決めれば良いでしょう。
こうして勝ったプレイヤーが、プールのチップを全部もらいます。
このゲームのルールはPagat.com(http://www.pagat.com)と オランダのK.W.H.Leeflag氏著Irene Cumming Kleeberg氏訳の"Domino Games and Domino Puzzles" によりました。ただし、Leeflag氏の本ではこのゲームの名前はNossenとなっています。
Pagat.comの記述は主にIr. D.H.G Brethouwer氏著の"Domineren en Nossen"に基づいているようで、 Günther Senst氏とJohn McLeodが書いています。
1996年にPagat.comの最初の記述があり、私も1998年にそれに基づき書いてプレイしていましたが未公開でした。 2015年にPagat.comの記述の改訂があったようなので、今回私も改定しました。 基本的なルールは全く変わりませんが、細かいルールで不明確だったものが明らかになっています。
Leeflag氏の本では、手役の点数が次のように違います。
3人プレイ | 4人プレイ | 5人プレイ | |
ダブル3枚 | - | 25点 | 50点 |
ダブル4枚 | 200点 | 250点 | - |
ダブル5枚 | 250点 | - | - |
Leeflag氏の本では、2回目以降の親を誰にするかという記述がありません。 これはおそらく、他の多くのゲームと同じように、親が時計回りに交代していくということを意味していると思われます。