2025/12/6赤桐
韓国でプレイされている花札(花闘/화투/ファトゥ)を使ったゲームです。 花札が日本から入ってくる前から韓国で行われていた「闘銭(トゥジョン)」というカードを使ったゲームが基になっているようです。 ラミー系というか、麻雀の祖先から分かれたゲームです。
2人~6人(3人~5人推奨)
花札を使います。 現地では花闘(ファトゥ)と呼ばれ、日本のものとは文字などに少し違いはあり、プラスチック製が主ですが、基本的に同じものです。
花札は以下のように1月から12月まで4枚ずつ計48枚のカードがあります。 各月には同じ植物が描かれていて、他のゲームでは絵柄ごとに点数がついていますが、このゲームでは同じ月のカードはすべて同じとして扱われ、点数は月数と同じです。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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※韓国の花札では日本のものと11月と12月のカードが逆になります。
このゲームの目的は、プレイによって手札の枚数と手札に含まれる点数を少なくすることです。 プレイ終了時に手札が残っていれば、手札の点数合計が罰点となります。 (ただし、同じ月が3枚あれば、その3枚の罰点は0点となります)。
最初の親はパミルナッチャンなど任意の方法で決めます。
パミルナッチャンとは、カードを裏向きに広げ、引いたカードの月数で親を決める方法です。 夜プレイするときは月数が最も大きいプレイヤー、昼間のプレイでは月数の最も小さいプレイヤーが親になります。 同じ月ならばそのプレイヤーたちで引き直します。 パミルナッチャンでは、カードを引く代わりに、カードをカットすることもあります。
2回目のプレイからは、前回のプレイで勝ったプレイヤー、つまり最も罰点が少なかったプレイヤーが親になります。
親は、左隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、右隣のプレイヤーから反時計回りに、各プレイヤーに3枚ずつカードを配ります。 そのあと、2枚ずつもう一度配ります。 ただし、親自身には3枚のカードを配ります。 各プレイヤーの手札は5枚(親だけは6枚)になります。
左隣のプレイヤーはカットしたくない場合は、カードの上を指で軽くたたきます。 これをトゥンと呼びます。 この場合は、そのままカードを配りますが、手札は5枚(親だけは6枚)ずつまとめて配ります。
配った残りは山札として、テーブル中央に裏向きのまま置きます。 このとき、取りやすいように、山を倒してカードをずらして置きます。 (このようにしても、山札からカードを取るときは一番上のカードだけです)。
親からプレイを始め、反時計回りの順にプレイします。 手番のときに、次のプレイを行います。
捨て札はテーブルの上に、他の捨て札とあまり重ならないように、適当にばらして表向きに置きます。 また、捨てるカードの月数を宣言します。
山札のカードがなくなったときは、最後の捨て札に対して後述するポンのプレイをポンを誰もポンを言わないようになるまで行ったあと、捨て札のカードをすべてシャッフルして、再び山札とします。 しかし、2回目に山札がなくなったときは、最後の捨て札に対するポンのプレイを最後まで行った後、プレイ終了となります。
捨て札が行われたあと、次のプレイヤーが山札からカードを取る前に、どのプレイヤーでも、手札に捨て札と同じ月のカードが2枚あったら、ポンと宣言することができます(次の番のプレイヤーもポンできます)。
ポンを宣言したプレイヤーはその同じ月のカード2枚を捨て札します。つまり捨てられていたカードと合わせて3枚が捨て札されることになります。 (同じ月のカードを3枚持っていたとしても、2枚しか捨て札できません。) ポンのときの捨て札はポンの対象となった捨て札のところに、少し重なるように置きます。
ポンのあとまだ手札があったら、さらに1枚を捨て札します。 そのあと、ポンをしたプレイヤーの右隣のプレイヤーから反時計回りにプレイを続けます。
もしポンで2枚捨て札したときに手札がなくなっていたら、プレイは終了します。 手札が同じ月のカード3枚になった場合もプレイ終了です。
ポンの対象になる捨て札をしたプレイヤーは30点の追加の罰点があります。 これをポンパガジと呼びます。
手札が2枚になり、カードの月数の合計が5点以下のときは、ストップを宣言できます。 ただし、プレイをしたあとでこれを宣言することはできず、次回以降の自分の手番のときに何もプレイを行わないで宣言しなければなりません。
ストップが宣言されると直ちにプレイは終了します。 全員が自分の手札の月数を合計します。
もし合計月数がストップ宣言者と同じかそれより少ないプレイヤーがいる場合は、ストップ宣言者は合計月数に加えて30点の罰点をもらうことになります。 これをストップパガジと呼びます。
山札からカードを引いたとき、手札6枚が次のような状態になっていたら、プレイを終了することができます。 このとき手札の点数は0になり、役の点数だけになります。
他のプレイヤーの捨て札によって上がることはできません。
同じ月のカードが2枚ずつ3組ある場合です。罰点は0点です。
同じ月のカードが3枚ずつ2組ある場合です。罰点は0点です。
この役は、同月札3枚を2組捨て札して終わったと考えても同じことになります。
同じ月のカードが4枚と同じ月のカードが2枚ある場合です。罰点は0点です。
すべてのカードの月数がすべて異なっていて、すべてのカードの月数が連続している場合です。 月数の合計がマイナスの罰点となります。
この場合は2+3+4+5+6+7=マイナス27点の罰点になります。
月数の合計が10点かそれより少ない場合です。マイナス100点の罰点になります。
月数の合計が66点かそれより多い場合です。マイナス100点の罰点になります。
以下の点数の合計が罰点となります。
手札に残っているカードの月数の合計が罰点になります。 ただし、3枚の同月札は0点と数えます。(4枚同月札は3枚分は0点、残り1枚はその月の点数)。
役を宣言して終了したときは0点です(手札に役があっても宣言しないとだめです)。
役により罰点がマイナスになることがあります。
捨て札をだれかにポンされてプレイが終了したときは、ポンバガジとして、月数合計に加えて30点の罰点となります。
ストップを宣言して月数合計が自分と同じかもっと少ないプレイヤーがいたときは、ストップパガジとして、月数合計に加えて30点の罰点となります。
プレイ前に決めていた回数をプレイしたらゲーム終了です。
最も罰点の少ないプレイヤーが勝者となります。
韓国語の資料はDeepLの翻訳で読みました。
花闘の画像はWIKIMEDIA COMMONSのVG Hwatuのページ(https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:SVG_Hwatu) から取得させていただきました (Creative Commons Attribution-Share Alike 4.0 International license)。 Spenĉjo さん、ありがとうございます。
2025年12月6日、なかよし村でプレイしました。
少ない枚数で行うラミー系統のゲームなので、運の要素はとても強いのですが、判断力も要求される、とても面白いゲームでした。
プレイの勝ち方が色々あって楽しめます。 また、ポンで上がられないような捨て札を考えたり、大きい月のものを早く捨てたりして、大きく負けないようにする必要もあります。
韓国でもゴーストップなどに比べるとプレイされることの少なくなったゲームですが、このゲームの基になった闘銭が単なる賭博札でなかったことを示す上でも、重要なゲームだと思われます。