トップに戻る

共有カードポーカー(Community Card Poker/Flop Poker)

2023/5/25 赤桐

全プレイヤーが共通に使うカードが配られるポーカーを共有カードポーカーまたはフロップ・ポーカーと呼びます。 共通に使うカードのことを、共有カード(community card)またはフロップ(flop)と呼びます。


ホールデン(Hold’em)

人数:2人~10人

ホールデンは現在最もよくプレイされているポーカーゲームと言われています。 1970年頃からよくプレイされるようになりました。 テキサス・ホールデン(Texus Hold’em)とも呼ばれます。 まずこのゲームを詳しく説明します。

なお、ベットの制限はフィックス・リミットとして記述していますが、ノー・リミットなどでもよくプレイされます。 チップの額は「2/4」として、レイズの制限を4回としたときのルールを記述しています。

プレイの目的

各プレイヤーには2枚の裏向きのカードが配られ、テーブルには最終的に5枚の表向きのカードが配られます。 フォールドしていない各プレイヤーは自分のカードとテーブル上のカードから最も強いポーカーハンドになるように5枚のカードを選び、そのポーカーハンドが最も強いプレイヤーが勝者になります。

最初のディールとベット

ディーラーは右隣のプレイヤーにカードをカットしてもらいます。 そのあと左隣のプレイヤーから時計回りに1枚ずつ2枚のカードを配ります。 この2枚をホール(hole)と呼びます この2枚のカードはプレイヤーは見ることができますが、しっかり手に取るのではなく、裏向きのままカードを少し持ち上げてインデックスだけをこっそり見るようにします。 そのあと最初のベットラウンドが始まります。

まず、ディーラーの左隣のプレイヤーが1チップをベットします。 これはスモールブラインドになります。 これ以上ベットすることはできません。 次にこのプレイヤーの左隣のプレイヤーが2チップをビッグブラインドとして出します。 (フィックス・リミットの場合には普通はベットの固定額がビッグブラインドの額、その半分がスモールブラインドの額になります。)

その左隣のプレイヤーからは時計回りに自由にベットを行っていきます。 すでにオープニングベットが終わっているので、コール、レイズ、またはフォールドを行います。 チェックはできません。 レイズの額は2チップになります。また、レイズは4回までしか行えません。

ビッグブラインドをベットしたあと他の全員がコールまたはフォールドした場合、ビッグブラインドのプレイヤーはレイズを行うことができます。

2回目のディールとベット

ディーラーは、3枚のカードを表向きにテーブル中央に配ります。 この3枚はフロップ(Flop)と呼ばれ、共有カードになります。

各プレイヤーは再びベットを行います。 ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のベットを行います。 このプレイヤーがフォールドしている場合は、時計回りの順に最も近いプレイヤーが最初のベットを行います。 この回からは、ブラインドベットはなく、チェックを行うことができます。 オープニングベットとレイズの額は2チップです。

3回目のディールとベット

ディーラーは、4枚目の表向きのカードをテーブル中央に配ります。 これはターン(Turn)と呼ばれます。

各プレイヤーは2回目と同様にしてベットを行います。 ただし、オープニングベットとレイズの額は4チップです。

最後のディールとベット

ディーラーは、5枚目の表向きのカードを配ります。 これはリバー(River)と呼ばれます。

各プレイヤーは3回目と全く同じようにベットを行います。

ショーダウン(Showdown)

最後までフォールドしなかったプレイヤーは、ホール(裏向きに配られたカード)を表向きにして、誰が勝っているかを決めます。 これをショーダウンと呼びます。 ただし、負けを認めたプレイヤーは自分のカードを見せなくてもかまいません。

勝ったプレイヤーはポットつまり賭けられたチップをすべて獲得します。

最も強いハンドのプレイヤーが2人以上いる場合は、ポットを均等に分けます。 割り切れずに余ったチップは、ディーラーの左隣から時計回りの順で、勝ったプレイヤーが1チップずつ受け取ります。

一人以外の全員がフォールドした場合

1人を除く全員がフォールドした場合は、フォールドしていないプレイヤーが賭けられたチップを全部獲得して、プレイ終了となります。 このプレイヤーはホールのカードを見せる必要はありません。

カジノのゲーム

カジノなどでは専属のディーラーがカードを配ります。 配り始めやベット開始の位置を決めるためにディーラー・ボタン(Dealer Button)と呼ぶプレートをディーラーの位置にあたるプレイヤーの前に置きます。

カジノでは、2回目以降のディールの前に、1枚ずつカードを裏向きに捨て札します。 これをバーン(Burn)と呼びます。 配り残りのカードの一番上に目印になるようなものがついていても、それを知っているプレイヤーが有利にならないようにするためです。

カジノではポットからレーキ(Rake)と呼ばれる場所代を取るか、時間当たりの場所代を取ります。

オマハ・ハイ(Omaha High)

人数:2人~10人

最初に4枚のホールのカードを各プレイヤーに裏向きに配り、最初のベットを行います。 後はホールデンと同じように、共有カードを3枚配りベットしたあと、共有カードを1枚配ってベットを行い、最後にもう一度共有カードを1枚配ってベットをします。

必ずホールのカードから2枚と共有カードから3枚を使用してポーカーハンドを作らなければなりません。

オマハ・ハイロー・エイト(Omaha Hi-Low 8-or-Better)

人数:2人~10人

オマハ・ハイと同じようにプレイを行いますが、ハイロー・スプリットのゲームです。 ホールデンに次ぐくらいの人気を持っています。

各プレイヤーはホール2枚と共有カード3枚を使って、ハイボールとローボールのポーカーハンドを作ります。 ハイボールとローボールは別のカードを組み合わせて作ることができます。

ローボールでは、は最も弱いカードで、ストレートとフラッシュは役になりません。

最強のハイボールのプレイヤーと、最強のローボールのハンドのプレイヤーは、それぞれポットを半分ずつもらいます。 割り切れないときは端数はハイボールで勝ったプレイヤーのものになります。

ただし、「を最も強いカードにしたハイカード」かそれ以上のローボールのハンドを持っているプレイヤーがいない場合には、ハイボールで最強のプレイヤーがポットを全部取ります。

ファイブカード・オマハ(Five Card Omaha)、シックスカード・オマハ(Six Card Omaha)

人数:2人~8人、2人~7人

オマハと同じようにプレイしますがホールの枚数が、5枚や6枚のものです。 オマハと同様に、必ずホールのカードから2枚と共有カードから3枚を使用してポーカーハンドを作らなければなりません。

ハイボールとしても、ハイロー・スプリットとしてもプレイできます。

ホール5枚のハイロー・スプリット(ファイブカード・オマハ・ハイロー・エイト/Five Card Omaha Hi-Lo 8 or Better)のことをビッグ・オー(Big-O)とも呼びます。

クールシュベル(Courchevel)

人数:2人~10人

フランスで人気のあるゲームでしたが、現在は他の地域でもプレイされています。

最初に4枚のカード(ホール)を各プレイヤーに裏向きに配り、表向きに1枚の共有カード(フロップの前半)を配った後、最初のベットを行います。 その後は、2枚の共有カード(フロップの後半)を配りベットしたあと、共有カード(ターン)を1枚配ってベットを行い、最後にもう一度共有カード(リバー)を1枚配ってベットをします。

オマハと同様に、必ずホールのカードから2枚と共有カードから3枚を使用してポーカーハンドを作らなければなりません。

通常ハイボールでプレイされます。

パイナップル(Pineapple)

人数:2人~10人

家庭ポーカーで人気のあるゲームですですが、カジノでもプレイされます。

ホールデンとの違いは次の2点です:

  1. ホールが3枚配られる。
  2. 最初のベットが終わってフロップが配られる前に、ホールから1枚を捨て札する。

ハイボールとしても、ハイロー・スプリットとしてもプレイできます。 ハイロー・スプリットのときには、通常はオマハ・ハイロー・エイトのように、を最も強いカードにしたハイカードかそれ以上のローボールのハンドを持っているプレイヤーがいない場合には、ハイボールで最強のプレイヤーがポットを全部取るというルールで行われます。

クレージー・パイナップル(Crazy Pineapple)

パイナップルと同様ですが、ホールから1枚を捨て札するのは、フロップが配られた後(2回目のベットの前)です。

なお、Pagat.comの記述では、パイナップルはホールのカードを配られたあと(1回目のベットの前)に捨て札し、クレージー・パイナップルでは2回目のベットの後(ターンを配られる前)に捨て札するとなっています。

ダブルボード・ホールデン(Double Board Hold’em)

人数:2人~10人

ホールデンと同様ですが、共有カードが2列配られます。 つまり、各プレイヤーに2枚のホールを配ったあと、共有カードが3枚ずつ2列配られ、各列に1枚ずつ共有カードが2回追加されます。 ベットは通常のホールデンと同じように4回です。

ホールと各列のカードを使って2組のポーカーハンドを作ります(ホールは各列に重複して使ってもかまいません)。

ショーダウンでは、各列について勝者を決め、それぞれポットの半分ずつを獲得します。 もちろん、一人のプレイヤーが両方勝てば、全部獲得できます。

どちらかの列を使った最も強いポーカーハンドのプレイヤー1人だけがポットを全部獲得するというルールもあります。

ダブルボード・オマハ(Double Board Omaha)

人数:2人~10人

オマハと同様ですが、ダブルフロップ・ホールデンのように共有カードが2列配られます。

ホール2枚と各列のカード3枚を使って2組のポーカーハンドを作ります(ホールは各列に重複して使ってもかまいません)。

ショーダウンでは、各列について勝者を決め、それぞれポットの半分ずつを獲得します。

ホールを5枚配るやりかたもあります(使用できるのは2枚です)。

ショートデッキ・ホールデン(Short Deck Hold’em/6+ Hold’em)

人数:2人~10人

2014年ごろにマカオから発祥したゲームです。

各スートのを除いた36枚のカードを使います。 フラッシュはフルハウスより強い役になります。

また、----はストレートとなります(最弱ですが)。

その他のルールはホールデンと同じです。

クリスクロス(Criss Cross)

人数:2人~10人

プレイ前に各プレイヤーはアンティを支払います。 各プレイヤーに4枚のカードが配られた後、共有カードを裏返しに5枚テーブルに配ります。 5枚のカードは十字架のように縦に3枚、横に3枚になるようにします。

最初は共有カードが表になっていない状態でベットラウンドがあり、そのあと1枚共有カードを表向きにするごとにベットラウンドがあるので、計6回のベットラウンドとなります。 ベットは常にディーラーの左隣から開始します。 ブラインドベットはありません。

共有カードは一番上のカードから初めて反時計回りに表向きにしていきます。 最後に中央のカードを表向きにします。

各プレイヤーは共有カードの縦または横の3枚のどちらかを選び、手札4枚と合わせた中からポーカーハンドを作ります。 最も強いポーカーハンドが勝者です。

ハイロー・スプリットでプレイすることもあります。 また、共有カードの中央のカードおよびそれと同じランクのカードをワイルドカードとすることもあります。