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ドロー・ポーカー(Draw Poker)

2023/5/25 赤桐

ドロー・ポーカーとは各プレイヤーに手札が配られ、それを1回または数回交換できるというルールのポーカーです。 共有のカードも表向きになるカードもありません。

ポーカーの最も最初の種類のゲームですが、現在でもよくプレイされています。

現在のカジノでは通常ディーラーの左隣がスモールブラインドになり、その左隣がビッグブラインドになります。 フィックス・リミットなら、最初のラウンドのリミット額を1とすると、スモールブラインドが0.5をベットし、ビッグブラインドが1をベットします。 家庭でも同様にすることも多いですが、その代わりにアンティを使うこともよくあります。 特に記していない場合は、このようにすると考えてください。

なお、記している人数は一般的によくプレイされている人数であり、それ以上でもプレイできることがあります。


ファイブカード・ドロー(Five Card Draw/California Draw/Guts)

人数:2人~6人

ファイルカード・ドローはドロー・ポーカーと呼ばれる種類のポーカーの代表的なものです。 現在ではカジノではあまりプレイされていませんが、家庭ではよくプレイされています。

ジョーカーをワイルドカードとして使うこともあります。

アンティ

プレイの前に各プレイヤーは決められた額のアンティをポットに入れます。

ディールと最初のベット

ディーラーは1枚ずつ各プレイヤーに5枚のカードを配ります。 ディーラーの左のプレイヤーから順にベットを行います。 チェックを行うこともできます。

交換

ディーラーの左隣から時計回りの順で、各プレイヤーは手札から1枚~5枚のカードを裏向きに捨て札し、同じ枚数をディーラーから配ってもらいます。 あるいは、このような交換をしないこともできます。これをスタンディング・パット(Standing Pat)と呼びます。

交換のときに、配り残りのカードに十分なカードの枚数がないときは、まず配り残りのカードを全部配ってから、 今までにフォールドしたプレイヤーのカードと交換のための捨て札(交換中のプレイヤーの捨て札より前)をすべて集めてシャッフルしてカットしてもらった後、交換のためのカードとして使用します。

最後のベット

そのあと2回目の最後となるベットを行います。

2度目のベットは、最初のベットでオープニングベットを行ったプレイヤーから行います。 そのプレイヤーがフォールドしていたら、そのプレイヤーから時計回りに一番近いフォールドしていないプレイヤーからになります。 1回目に全員がチェックなら、ディーラーの左隣です。

このときフィックス・リミットなどのゲームでは、ベットの額が増えるのが普通です。

ショーダウン

フォールドしていないプレイヤーは手札を表向きにしてショーダウンを行います。 最も強いポーカーハンドのプレイヤーが勝ちます。

  1. カジノなどでは、ブラインドベッドを行います。 ブラインド・ベッドのルールはホールデンと同じです。 家庭ゲームでも、そのようにすることもよくあります。
  2. 2度目のベットは、1回目と同様にディーラーの左隣から行うというルールもあります。
  3. 交換するカードを捨て札から再利用するのを嫌う場合には、プレイヤーの人数を6人までにして交換の枚数を3枚までなどするなどします。
  4. 1回目のベットで全員がチェックを行うと配り直しになるというルールもあります。ディーラーは交替し、再びアンティを支払います。
  5. 2回目のベットでも全員がチェックした場合、配り直しになり、ディーラーは交替し、再びアンティを支払います。  
  6. リミットは例えばフックス・リミットでは、アンティ:1チップ、1回目のオープニングベットとレイズ:5チップ、2回目のオープニングベットとレイズ:10チップ、などです。

ジャック・ポット(Jack Pot/Five Card Daw Jack-or-Better)

人数:2人~6人

19世紀の終わりごろから20世紀中ごろまで盛んにプレイされていましたが、現在はほとんどプレイされていません。

ファイブカード・ドローと同じようにプレイします。

ブラインドベットではなく、必ずアンティでプレイします。 オープニングベットを行うためには、ジャックのペアかそれ以上の強さのポーカーハンドを持っていなければなりません。 オープニングベット以外では、それより弱い手札のプレイヤーでも、ベットを行うことができます。 2回目のベットではこの制限は適用されません。

オープニングベットを行ったプレイヤーはこの制限を満たしていたことを証明するために、フォールドしていても最後に手札を公開します。 また、ドローでジャックのペアより弱いハンドになる可能性のある捨て札をするときは、その捨て札は別のところに置いておきます。

最初のベットで全員がチェックした場合には、プレイは終了します。 アンティは次のディールに持ち越されますが、プレイの前に各プレイヤーは通常のアンティを出してポットを増やします。 ディーラーは交替します。

これ以外のルールはファイブカード・ドローと同じです。

ガーデナ・ジャックポット(Gardena jackpots/Jacks to open/Jackpots)

人数:2人~6人

カリフォルニア州ガーデナ市が名前の由来です。1930年代から1970年代にかけて盛んにプレイされました。 (当時はカリフォルニアではスタッド・ポーカーや共有カードポーカーは違法だったようです)。

ジョーカーが1枚加えられバグ(Bug)と呼ばれます。 ストレートかフラッシュを作るときにどのカードの代わりにも使えます。 それ以外の場合にはとして使うことができます。

普通のジャック・ポットと同様にプレイします。

勝つためにはスリーカードかそれ以上のハンドでなければなりません。 だれもそうならなければ、ポットは次のディールに持ち越されます。

カリフォルニア・ローボール(California Lowball/A-5 Single Draw)

人数:2人~6人

1970年代にカリフォルニアで盛んだったゲームです。 現在でもプレイされています。 ドローポーカーのローボールとして標準的なゲームです。

ファイブカード・ドローと同様にプレイを行いますが、最も弱いポーカーハンドのプレイヤーが勝ちます。 ストレートとフラッシュの役は無効では最も低いランクとなります。 ----が最も弱いハンドになります。

ジョーカー1枚がワイルドカードとして使用されることが多いです。 ジョーカーは手札にないランクの最も弱いカードとして使うことができます。

ディーラーがスモールブラインドベットを行い、その左隣がビッグブラインドベットを行います。 (アンティで行うこともまれにあります)。 ビッグブラインドベットを行ったプレイヤーは、その巡で他のプレイヤー全員がコールした場合でもレイズすることができます。

2回目のベットはディーラーの左隣から行います。 (アンティの場合は、1回目にオープニングベットを行ったプレイヤーから行います)。 フィックスリミットのとき、2回目のベットは1回目の2倍になることも、同じであることもあります。

次のルールを追加することもあります。

カンザスシティ・ローボール(Kansas City lowball/2-7 Single Draw/Billy Baxter Lowball)

ストレートとフラッシュの役は有効です。 は最も強いランクとなり、--とは続きません。

従って、フラッシュでない----が最も良いハンドとなります。 ----はストレートになりませんが、強いがあるのであまり良いハンドではありません。

カリフォルニア・ローボールと同じようにプレイしますが、2回目のベットのときのチェックに対する制限・罰則はありません。

デュース・ツ・セブン・トリプル・ドロー(2-7 Triple Draw)

人数:2人~6人

現在人気のあるゲームです。

最も弱いポーカーハンドのプレイヤーが勝ちます。 カンザスシティ・ローボールと同様に、ストレートとフラッシュの役は有効で、 は最も強いランクとなり、--とは続きません。

通常ディーラーの左隣がスモールブラインドのベットを行い、その次のプレイヤーがビッグブラインドのベットを行います。 ビッグブラインドベットを行ったプレイヤーは、その巡で他のプレイヤー全員がコールした場合でもレイズすることができます。 3人目からはディーラーの左隣から普通にベットを行います。 (フィックス・リミットの場合には普通はベットの固定額がビッグブラインドの額、その半分がスモールブラインドの額になります。)

ドローの機会は3回あり、それぞれ0枚~5枚の交換を行うことができます。 ドローの間にもベットがあるので、ベットは4回行われます。 ドローもベットも、ディーラーの左隣から順に行います。

フィックス・リミットなどでは、3回目と4回目のベットの額を増やします。 (例えば、スモールブラインド5チップ、ビッグブラインド10チップ、1回目と2回目のオープニングベットとレイズ:10チップ、3回目と4回目のオープニングベットとレイズ:20チップ、などです。)

エース・ツ・ファイブ・トリプル・ドロー(A-5 Triple Draw)

人数:2人~6人

デュース・ツ・セブン・トリプル・ドローと同じようにプレイしますが、ストレートとフラッシュの役は無効では最も低いランクとなります。

ハイ・ロー・デクレア(High Low Declare)

人数:2人~6人

現在でもプレイされているかどうか良くわかりませんが、家庭でプレイされているゲームです。

下記以外のルールはファイブカード・ドローと同じになります。

ショーダウンの前に、全員が0個~2個のチップを手に握って、一斉に開きます。

2個のチップを握っていたプレイヤーは、ハイボールとローボールの両方で最も良いポーカーハンドを持っていたらポットを全部もらいます。 片方でも最も良いハンドでない場合(引き分けの場合も含む)は失格です。

1個のチップを握っていたプレイヤーはハイボールをプレイすることになります。 最も強いポーカーハンドのプレイヤーがポットの半分をもらいます。

チップを握っていなかったプレイヤーはローボールです。 最も弱いポーカーハンドのプレイヤーがポットの半分をもらいます。 通常ストレートとフラッシュの役は無効でAは最も低いランクとなります。

ローボールまたはハイボールのプレイヤーがいなかったときは、勝ったプレイヤーがポット全部を獲得します。

アーチー(Archie)

人数:2人~6人

3回ドロー(4回ベット)を行うドローポーカーで、現在少し人気があります。

宣言なしでショーダウンして、ハイボールで最も強いハンドのプレイヤーと、ローボールで最も強いハンドのプレイヤーが、ポットを半分ずつ分け合います。 ローボールの時は、は最も弱いカードで、ストレートとフラッシュは役になりません。

ただし、ハイボールではのワンペアかそれ以上のハンド、ローボールではが最も高いランクのハイカードかそれ以上のハンドでなければポットを得る資格はありません。

ハイボールでポットを得る資格が誰もなければ、ローボールの最も追いハンドでポットを得る資格のあるプレイヤーがポットを全部獲得します。 その逆もあります。

ハイボールもローボールも誰もポットを得る資格がなければ、フォールドしていないプレイヤー全員でポットを分け合います。 1人を除いて全員がフォールドした場合は、資格がなくてもそのプレイヤーがポットを全部得ることになるわけです。

バデューギ(Badugi)

人数:2人~8人

1980年代ころから知られていましたが、2000年代になってから良くプレイされるようになったゲームです。 名前は韓国語で白黒ぶちの犬などを指す言葉のようですが、韓国から発祥したかどうかは分かりません。

ドロー・ポーカーと同じようにプレイを行いますが、4枚しか配りません。 デュース・ツ・セブン・トリプル・ドローと同様にプレイは進行します(交換は3回、ベットは4回)。

ポーカーハンドの代わりに、4枚のカードを使ってハンドを作ります。ハンドの強さは次のようになります。

  1. まず4枚のうちから、同じランクや同じスートのカードがないようにカードを除きます(このうちどれを除くかは自由です)。
  2. 除かれずに残った枚数が多い方が強いハンドになります。
  3. 同じ枚数なら、残ったカードでポーカーのハイカードと同様にして比べますが、ローボールと同じように低いランクのほうが強いハンドになります。は最も低いランクになります。

したがって、すべて違うスートのが最も強いハンドになります。

ハイ・デューギ(Hi-Dugi)

人数:2人~8人

バドゥギのバリエーションですが、ハイボールです。 バドゥギと違って、同じランクのカードは除きません。

最強のハンドは各スートのが4枚そろったものです。

バデューシー(Baducy)

人数:2人~6人

バテューギとデュース・ツ・セブン・トリプル・ドローを組み合わせたゲームです。

手札は5枚で、デュース・ツ・セブン・トリプル・ドローと同様に進行します(交換は3回、ベットは4回)。

ショーダウンのときは、5枚の手札をバテューギ(は最低ランク)とロー・ボール(は最高ランク、フラッシュ・ストレート有り)で評価して、 それぞれ最も良いハンドのプレイヤーがポットを分けあいます。

バデイシー(Badacy)

人数:2人~6人

バテューギとエース・ツ・ファイブ・トリプル・ドローを組み合わせたゲームです。

手札は5枚で、エース・ツ・ファイブ・トリプル・ドローと同様に進行します(交換は3回、ベットは4回)。

ショーダウンのときは、5枚の手札をバテューギ(は最低ランク)とロー・ボール(は最低ランク、フラッシュ・ストレートなし)で評価して、 それぞれ最も良いハンドのプレイヤーがポットを分けあいます。