2019/12/7 赤桐
スカートから派生したゲームですが、点数を取らないほうが良いことが多いゲームです。 主にドイツでプレイされているようです。
ルールはPagat.comによります。
3人
通常の52枚のトランプから、各スートの2〜6を除いた、32枚のカードを使います。
ドイツ固有のカードを使うこともできます。 クラブ、スペード、ハート、ダイアモンドのスートの代わりに、 ドイツ固有のスートである、どんぐり、木の葉、ハート、鈴が使われます。 このカードでは、クイーンはオーバー(Ober)、ジャックはウンター(Unter)となります。
カードには次の点数があります。
カード | 点数 |
---|---|
A | 11点 |
10 | 10点 |
K | 4点 |
Q | 3点 |
J | 2点 |
その他のカード | 0点 |
合計で120点になります。普通はできるだけ点数を取らないようにプレイします。
このゲームでは、ジャック4枚だけが切札になります。 切札は、クラブ、スペード、ハート、ダイアモンドのスートとは別のスートになるので、5つのスートがあることになります。
切札では、次の強さの順位です(強いものから順)。
J、J、J、J
切札以外の各スートの強さの順位は次の通りです(強いものから順)。
A、10、K、Q、9、8、7
最初のディーラーは任意に決めます。 次回からは時計回りに交替します。 ただし、後述するグラン・ハントのプレイが行われたら、次回も同じディーラーがディールします。
カードはディーラーの左隣から時計回りに配ります。 まず各プレイヤーに3枚ずつまとめて配り、 次に2枚のカードをテーブルの上に裏向きに置きます。 次にまた、各プレイヤーに4枚ずつまとめて配り、最後に各プレイヤーに3枚ずつ配ります。
各プレイヤーの手札は10枚になります。 テーブルに置かれた2枚のカードはスカートと呼ばれます。
ディールが終わると、ディーラーの左隣のプレイヤーから順番に、後述するグラン・ハントのプレイを行うかどうかを宣言していきます。 誰かがグラン・ハントを行うと宣言したら、宣言は終わりになり、グラン・ハントのプレイを行います。
以下では、まず、グラン・ハント以外のゲームの説明を行います。
誰もグラン・ハントの宣言をしなければ、普通のプレイを行いますが、そのまえに交換のフェーズがあります。
まず、ディーラーの左隣のプレイヤーが、スカートの2枚のカードを手札に加え、手札から2枚を裏向きに捨て札します。 スカートにあったカードを捨て札してもかまいません。
次にディーラーの右隣のプレイヤーが、その捨て札の2枚をとり、同様に2枚を捨て札します。 最後ににディーラーも同じことを行います。
交換は行わないこともできます。 交換しない時は、スカートや捨て札を見ることはできません。
交換を行わなければ、プレイ後の得失点が2倍になります。 交換を行わないプレイヤーが2人いれば4倍になり、全員交換しなければ8倍になります。
交換が終わると、プレイが始まります。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。 つまり手札から自由に1枚をプレイします。
プレイは次のように普通のトリックテイキングゲームのルールに従います。
ジャック4枚が切札になり、1つの独立したスートになっていることにご注意ください。
最後のトリックを取ったプレヤーは、2枚の捨て札も取ります。
プレイが終わったら、各プレイヤーは取ったカードの点数を合計します。
1トリックも取らないプレイヤーがいない場合、最も合計点数の多いプレイヤーだけが罰点をもらいます。 合計点数が罰点になります。 最も合計点数の多いプレイヤーが同点で2人以上いた時は、その全員が罰点をもらいます。
1トリックも取らないプレイヤーが1人だけいた時も、同じように、最も合計点数の多いプレイヤーだけが罰点をもらいます。 罰点は合計点数を2倍したものになります。 合計点数が同点のときは、両方のプレイヤーがその罰点をもらいます。
1人が全トリックを取って、他の2人が1トリックも取らなければ、 全トリックを取ったプレイヤーがマイナス120点の罰点になります つまり、全トリックを取るとそのプレイヤーの有利になります。
交換を行わないプレイヤーがいたら、上記の点数を2倍(または、4倍、8倍)します。
最後に、この点数を10で割り、小数点以下を切り捨てたあと、各プレイヤーのスコアシートに記入します。
グラン・ハントの宣言をしたら、スカートのグラン・ハント(グランド・ハンド)と同様のプレイと得点計算を行います。
宣言を行ったプレイヤーはソロイストとなり、61点以上の点数を取ることを目指します。 他のプレイヤーはディフェンダーとなり、協力してこれを阻止しようとします。
グラン・ハントでは、スカートのカードは使用せず、誰も見ることができませんが、 プレイのあとソロイストのものになります。
プレイの前に、ディフェンダーの1人はコントラ(Kontra)を宣言して、得失点を2倍にすることができます。 コントラがあったら、ソロイストはレコントラ(Rekontra)を宣言して、さらに2倍、つまり4倍にすることができます。
プレイは通常通りに行います。最初のリードも通常通りディーラーの左隣です。
ソロイストがプレイで取った点数の合計(スカートを含む)が61点かそれ以上になっていたら、 プレイ成功となり、ソロイストはマイナスの罰点を得ます。 そうでなければ、プラスの罰点になります。
プレイの成功/失敗にかかわりなく得失点の額(罰点の絶対値)は次のようになります。
基本点は24点です。これに次の点数の合計(達成点)を掛けたものが得失点になります。
ウィズというのは、手札とスカートのカードを合わせて、一番強い切札(J)から連続して、何枚の切札があったかという枚数です。 Jがなければ、ウィズは0です。
例えば、Jがあるけれど、次に強いJはない場合、ウィズは1です。 ジャックすべてがあれば、ウィズは4です。
ウィズアウトというのは、手札とスカートのカードを合わせて、一番強い切札(J)から連続して、 何枚の切札が欠けていたかという枚数です。Jがあれば、ウィズアウトは0です。
例えば、Jがなく、Jもなくて、Jがある場合には、ウィズアウトは2になります。 ジャックが1枚もなければ、ウィスアウトは4です。
「ウィズまたはウィズアウト」の点数は、ウィズまたはウィズアウトのうち、0でない方の数がそのまま点数になりますから、少なくとも1点はあります。
コントラ、レコントラがあれば、上記の点数を2倍、4倍します。
最後に、この点数を10で割り、通常のゲームと同様に小数点以下を切り捨てます。 (切り捨ては0に向かって行います。つまり例えばマイナス9.5点ならマイナス9点になります)。
JとJがありJがないプレイヤーがグラン・ハントのソロイストになり、 コントラがあったが、65点を取ったとき。
達成点はウィズ2点+ゲーム1点+ハント1点の合計で4点。 基本点24点にこの4点をかけて96点。 これをコントラで2倍にして192点。 これを10で割ったものがマイナスの罰点になるので、マイナス19点の罰点となります。
交換のとき、切札を捨て札してはいけないというルールは、ドイツでは一般的です。
グラン・ハントでない普通のゲームでも、コントラができるというルールもあります。 各プレイヤーはコントラを1度ずつ宣言でき、そのたびに得失点が2倍になります。
捨て札の点数は、最後のトリックを取ったプレイヤーでなく、最も多くの点数を取ったプレイヤーに与えられるというルールもあります。
2019年12月7日に、なかよし村でプレイしました。
手札が悪いとき(普通のゲームでは良いとき)にどうするかの判断が難しいゲームです。 失点覚悟でグラン・ハントにするという手もありますが、 じっと我慢して運良く切り抜けられるのを祈ったほうがよいかもしれません。
手札を交換しないで得失点を2倍にしたり、コントラを掛けるかどうかも、大きな要素になります。