1995/9/13 赤桐
ロシアのゲームです。Hubert Phillips氏によって"Challenge"という名前で紹介されています。英国ではケンブリッジ大学でプレイされているということです。ただし1953年頃の話です。
完全情報ゲームであり、カードが配られることによる運の要素も排除されています。原理的にはチェスのように完全に読み切ることのできるゲームです。
プレイはわりあい簡単ですが、カードの配り方がちょっと面倒です。プレイはすぐに終わることもありますが、長く続くこともあります。
2人
32枚。カードの強さのランクは、A、K、Q、J、10、9、8、7の順です。ただし、各スートの長さが同じならば、それ以外の枚数でもかまいません。
トリックテイキングに似たプレイを行い、手札をなくすことです。
各プレイヤーは、「自分のスート」を2つ決めておきます。同じスートを両方のプレイヤーが自分のスートにすることはできません。例えば、1人がスペードとクラブ、もう1人がハートとダイアモンドというようにです。
自分のスートのうちの1つを、「自分の切札のスート」とします。例えば、スペードとクラブが自分のスートの人は、スペードかクラブのどちらかを自分の切札とするわけです。
以後の例では、ディーラーのスートをスペードとクラブにして、切札をスペードにしておきます。ノンディーラーのスートはハートとダイアモンドとなりますが、切札はハートにしておきます。
ディーラーはシャッフルして自分に16枚の(つまり、全カードの枚数の半分の)カードを表向きに配ります。そのうち「自分のスート」以外のものは戻します。
上記の例では、ディーラーは16枚の中から、スペードとクラブだけを残して、残りのカードを戻します。例えば、スペードは8、9、J、Aが配られ、クラブは7、J、Kが配られたとすると、それ以外のカードは配り残しのカードのなかに戻します。
次に、ディーラーは、配られた自分の切札のカードと同じランクの、相手の切札のカードを残りのカードから探し、相手に配ります。
例では、8、9、J、Aに対応する相手の切札の8、9、J、Aを配り残しのカードから選び、相手に配ります。
また、切札以外の自分のスートと同じランクの、切札以外の相手のスートのカードも、相手に配ります。
例では、7、J、Kに対応する、7、J、Kを相手に配ります。
そのあと、配り残りのカードから、相手のスートのカードを自分に配り、自分のスートのカードを相手に配ります。
例では、配り残りのカードから、ハートとダイアモンドのカード全部を自分に配り、スペードとクラブのカード全部を相手に配ります。
こうすると、2人が同等の価値の手札を持つことになります。
例では、ディーラーの手札は8、9、J、A、7、J、K、7、10、Q、K、8、9、10、Q、Aとなり、ノンディーラーの手札は8、9、J、A、7、J、K、7、10、Q、K、8、9、10、Q、Aとなります。
なお、切札以外の自分のスートは、プレイでは特別な価値はありません。
ノンディーラーが手札から場に1枚出して、最初のリードを行います。
リードされた側は、リードしたカードと同じスートで、それより強いランクのカードがあれば、それを出すことができます。リードされたスートが自分の切札でなければ、自分の切札のどれか1枚を出すこともできます。(リードされたスートのカードを持っていても、切札を出すこともできます。)
このようにリードに対してカードを出した場合は、こんどはリードされたほうのプレイヤーがリードを行います。
リードに対してカードを出すことができない場合や、出したくない場合は、それまでに場に出ていたカードをすべて取って自分の手札にして、プレイを終わります。
この場合、リードしたプレイヤーが、再び次のリードを行います。
リードしたとき、またはリードに対してカードを出したときに、手札が1枚もなくなったら、そのプレイヤーが勝ちとなります。
David Parlett氏によれば、プレイヤーが眠ったときのルールを定めておく必要があるということです(^^;。眠ったほうのプレイヤーは負けになります。両方が眠った場合は引き分けです。