2021/10/1 赤桐
ハンガリーで19世紀末から20世紀の初めにかけて流行したゲームです。 オーストリアでもほぼ同じゲームがタルトル(tartl)の名前でプレイされたことがあります。 トリックテイキングゲームですが、手役による点数も大きな比重を占めます。
ゲームの系統としては違いますが、ピケットと同じような感じのゲームです。
ルールはPagat.comによります。
2人
32枚の固有のトランプを使います。
スートはどんぐり(makk)、葉っぱ(zöld)、ハート(piros)、ひょうたん(tök)です。
各スートのカードは、次のようになります。
A:エース (ász)、K:キング(király) 、O:オーバー=上士官=クイーン(felső)、U:ウンター=下士官=ジャック(alsó) 、10、9、8、7
カードの強さなどのランクと点数は次のようになります。
切札の場合 | ランク | O | 9 | A | 10 | K | U | 8 | 7 |
点数 | 20 | 14 | 11 | 10 | 4 | 2 | 0 | 0 | |
切札以外 | ランク | A | 10 | K | O | U | 9 | 8 | 7 |
点数 | 11 | 10 | 4 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | シークエンスの並び順 | ランク | A | K | O | U | 10 | 9 | 8 | 7 |
手札に次の3種類のどれかの組み合わせのカードがあれば、点数になる可能性があります。
3枚以上の同じスートの続き札です。続き方は上記の表のシークエンスのところを見てください。 Aと7は続きません。
名前 | 枚数 | 点数 |
---|---|---|
テルツ(Terc) | 3枚 | 20点 |
クバルト(Kvart ) | 4枚 | 50点 |
クビント(Kvint) | 5枚 | 100点 |
セクスト(Szext) | 6枚 | 100点 |
セプト(Szept) | 7枚 | 100点 |
オクト(Okt) | 8枚 | 100点 |
4枚の同じランクのカードです。 ただし、8や7の4枚はセットにはなりません。 ランクによって点数が変わります。
ランク | 点数 |
---|---|
U、K、10、A | 100点 |
9 | 150点 |
O | 200点 |
切り札のKとOです。40点になります。
シークエンスとセットについては、1トリックプレイするごとに、強いものを持っているプレイヤーしか得点できません。 強さの順は次のようになります
最初のディーラーは任意に決めます。 例えば、各プレイヤーがカードをドローして、低いランクのカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーになります。 次回からはディールごとに交替します。
カードは3枚ずつまとめて3回配ります。 各プレイヤーの手札は9枚になります。
残りの14枚のカードの一番上のカードは表向きにしてテーブルに置きます。 このカードのスートが切札になります。 このカードを切札表示カードと呼びます。
残りのカードは裏向きに切札表示カードの上の置きますが、 切札表示カードのインデックスが見えるように交差して置きます。 これがタロン(山札)となります。
ディーラーでないプレイヤーが最初のリードを行い、 トリックテイキングゲームのプレイを行います。
切札がプレイされたときは最も強い切札をプレイしたプレイヤーがトリックを取り、そうでないときはリードされたスートで最も強いカードを持っているプレイヤーがトリックを取ります。 トリックを取ったプレイヤーが、手札から自由に1枚を出して、次のリードを行います。
最初の7トリックのプレイの直後(タロンがあるとき)、 勝ったプレイヤーが次のリードの前にタロンの一番上のカードを取り、 負けたプレイヤーもタロンの一番上のカードを取り、手札に入れます。 なお、切札表示カードもタロンとして扱います。
最初の7トリック(タロンが残っているとき)には、何がリードされても、自由にカードを出すことができますが、 そのあとは、リードされたスートがあれば、そのスートのカードを出さなければなりません。 リードされたスートがなければ、どのカードを出してもかまいません。
タロンに切札表示カードが残っていて、手札に切札の7があれば、プレイでリードを行う前に、切札表示カードと切札の7を交換することができます。 リードされたカードに対してプレイするときでなく、リードするときでなければなりません。
次に述べるメルドの宣言を行うときには、メルドの宣言の前に行わなければなりません。 (もちろん、交換をわざと行わないで、メルドの宣言をしてもかまいません。)
1回目から8回目までの各トリックで、各プレイヤーはメルドを宣言することができます。
まず、リードを行うプレイヤーが、宣言をします(もちろん、しなくてもかまいません)。 このときシークエンスの種類(つまり枚数)を宣言するか、「セット」とだけ宣言します。 そのあと、カードをリードします。
次に、もう1人のプレイヤーは、それより強い可能性のあるシークエンスの種類(つまり同枚数以上のシークエンス)、またはセットを宣言することができます。
同じ枚数シークエンスの場合は、まずリードを行うプレイヤーが最高位のランクを「キング」などと宣言し、もう1人が「それより低い(good)」「それより高い(higher her)」または「同じ」と宣言します(同じランクで切札の場合は、「それより高い」と宣言できます)。同じならば、リードを行うプレイヤーが切札かどうかを宣言します。
セットの場合は、まずリードを行うプレイヤーがランクを「オーバー」などと宣言し、もう1人が「それより低い(good)」「それより高い(higher her)」と宣言します。
そのあと、リードを行わなかったプレイヤーは、プレイを行います。
このあとに、強いメルドを持っていたプレイヤーは、自分の持っているすべてのメルドを得点します。 このとき、各メルドの種類(シークエンスなら枚数)とランクを宣言します。
このトリックでプレイに使用したカードは、メルドに含めることができます。
宣言したけれど弱かったので得点しなかったメルドは、あとのトリックで得点することができます。 シークエンスで得点したプレイヤーは、
宣言で得点しても、あとで、得点したメルドと違うスートのシークエンスや違うランクのセットで得点することができます。 同じスートのシークエンスであっても、次の条件のどれかにあてはまれば、得点することができます。
ベラについては、上記の宣言の機会にいつでも宣言することができ、必ず得点します。
プレイが終わると各プレイヤーは取ったカードの点数を合計します。 最後のトリックを取ったプレイヤーには10点が加算されます。 これらの点数の合計は161点です。
もし1人のプレイヤーが最後の9トリックを全部取ったら、上記の点数の代わりに161点を得点し、相手の得点は0点になります。
1人のプレイヤーが501点に達したら、1ゲームが終わります。 勝ったプレイヤーは1ブリ(buli)を得ます。 もし、もう1人の点数が250点以下なら、1ブリでなく、2ブリを得ます。
プレイの途中でも、宣言した手役や取ったカードの点数で、501点に達したと思ったプレイヤーは、それを宣言してゲームを終えることができます。 それが正しければ、そのプレイヤーの勝ちになります。 このとき、相手の点数は関係ありません。 もし501点に達していなければ、それでもゲームは終了し、相手の勝ちになります。 なお、最後の9トリックを全部取ろうとしていても(全部取ったあとでなければ)501点の宣言があったらそこで終わり、それまで取ったカードの点数が計算されます。
どちらも宣言しなくても、ディールが終わって501点に達したプレイヤーがいたら、そのプレイヤーの勝ちになります。 両方のプレイヤーが501点以上ならば、点数の多いプレイヤーが勝ちになります。 同点なら次のディールを開始し、最初に得点したプレイヤーの勝ちになります。
通常、何ゲームか行って、1人が5ブリまたは10ブリになったら終了し、ブリの差額を精算します。
2021年10月2日、プレイしました。
ランクや細かいルールは難しいですが、基本的には手役ありのトリックテイキングゲームということで、違和感なくプレイできました。
手役の改善を優先するか、トリックを取るのを優先するかで悩ましいのですが、とても面白くプレイできました。
2人用トリックテイキングゲームのベストゲームの1つだと思います。