2017/11/4 赤桐
南アフリカ共和国でインド系の人々がプレイしているゲームです。 オランダからインドに伝わったヤスの系統です。 トリックテイキングゲームです。 Thuniと綴られたりTaniと呼ばれることもあります。
ルールは主にCats At Cards(http://www.catsatcards.com)に基づきます。
4人のパートナー戦。パートナーは向い合って座ります。(2人ゲームや 6人ゲームもあるようです)
普通の52枚のカードから、各スートの2、3、4、5、6、7、8を除いた24枚のカード を使用します。
各スートのカードの強さの順位と点数は次のようになります。
強さの順 | J | 9 | A | 10 | K | Q |
---|---|---|---|---|---|---|
点数 | 30点 | 20点 | 11点 | 10点 | 3点 | 2点 |
点数の合計は304点になります
最初のディーラーは任意のやり方で決めます。 例えば、カードをシャッフルして各プレイヤーに表向きに1枚ずつ配っていき、 最初に黒いジャック(スペードまたはクラブのジャック)を配られたプレイヤーが最初のディーラーになります。
ディーラーは左隣のプレイヤーにカットをしてもらいます。 カットするプレイヤーは、カットを断ってもかまいません。その場合はカットなしで配ります。
ディーラーは、右隣のプレイヤーから反時計回りに1枚ずつ、4枚のカードを配ります。
配られたカードの合計点数が10点かそれ以下だったとき、配りなおしを要求できます。 このとき、同じディーラーが配りなおしを行います。
ディーラーの右隣のプレイヤーが切札のスートを決める権利を持っています。
これに対して、相手チームのプレイヤーは、「10」とコール(calling)して、切札を決める権利を奪うことができます。 さらに、これに対してその相手のチームのプレイヤーが「20」とコールして権利を奪い返すこともできます。
このように、各チームのプレイヤーは相手チームのコールに対して、10点ずつ大きいコールをすることができます。 (10点より大きくコールすることはできません。) ただし、「100」のコールに対しては、「104」のコールを行うことになり、それでコールは終了します。 通常は、相手チームのコールがなければ、コールの終了となります。 最後にコールしたプレイヤーが切札を決めることになります。
コールを行うのはチームの2人のプレイヤーのどちらでもかまいません。 もし、2人が同時にコールしたら、どちらのプレイヤーが切札を決めるかは、相手チームのプレイヤーが指定します。
切札を決めるプレイヤーは、自分の手札から1枚のカードを裏向きにテーブルの中央近くに置きます。 このカードのスートが切札になります。
切札を決めるプレイヤーのチームは「切札チーム」と呼ばれ、 その相手チームは「計算チーム(counting team)」と呼ばれます。
通常、プレイのあとに計算チームの点数だけを計算しますが、その点数が104点かそれ以下なら、切札チームの勝ちとなります。 ただし、コールがあった場合には、コールの点数だけ計算チームが既に得点しているものとします。 例えば、「30」のコールのときは、計算チームの点数はプレイ前に30点となり、そのあとカードの点数が加えられます。
切札決めが終わったら、ディーラーは各プレイヤーに1枚ずつ2枚のカードを配ります。 最初の4枚と合わせた6枚のカードが手札になります。
切札を決めたプレイヤーの右隣のプレイヤーが最初のリードを行います。 この直後に、切札決めの裏向きのカードが表向きにされ、全員が見たあと、手札に戻します。
プレイは反時計回りに行われ、トリックテイキングゲームのルールに従います。 フォローの規則は次のようになります。
最後のトリックに勝ったチームには10点が与えられます。 また、相手チームの点数から10点差し引かれます。
手札に次のカードがあったとき、宣言すれば点数がもらえます。これをジョディーと呼びます。 切札チームのプレイヤーでも計算チームのプレイヤーでも宣言できます。
カード | 点数 |
---|---|
切札のK、Q、J | 50点 |
切札のK、Q | 40点 |
切札以外の同じスートのK、Q、J | 30点 |
切札以外の同じスートのK、Q | 20点 |
この点数は、自分のチームの点数に加えるだけでなく、相手チームの点数を減らします。
この宣言を行うのは、第1トリックか第3トリックに自分のチームが勝ったときだけです。 その直後にしか宣言できません。 その時点でまだ手札にあるカードについてだけしか宣言できません。
チームの両方のプレイヤーが宣言してもよく、いくつ宣言しても構いません。
どのプレイヤーでも、プレイの前に、 1人ですべてのトリックを取るという宣言を行うことができます。 これをサニーと言います。 この宣言を行ったプレイヤーは、切札のスートを決めることができます。 切札決めをしていたプレイヤーはテーブルに出していたカードを手札に戻します。
この宣言は、最初のトリックのプレイが始まる前なら、いつでも宣言できます。 通常は最後の2枚が配られた後に宣言しますが、 コールの時にも宣言できます。 この宣言があるとコールは終了します。
通常の場合とは異なり、 サニーを宣言したプレイヤーが最初のリードを行います。 リードしたカードのスートが切札になります。
サニーを宣言したプレイヤーのパートナーが勝っても、この宣言は失敗します。 1トリックでもサニー宣言者以外が勝ったら、プレイは終了します。
この宣言があると、他の宣言(ジュディーや以下に述べるダブル、カナック)はできなくなります。
最初の5トリックに全部勝ったチームは、最後のトリックをリードする前に、ダブルを宣言できます。 ダブルを宣言できるのはリードするプレイヤーだけです。
最後のトリックを取ることができればボーナス点をもらえ、失敗すると相手チームにボーナス点がつきます。
計算チームがダブルをかけたら、バックサイド・ダブル(Backside Double)と呼ばれます
相手チームの合計点数が0点未満になるという宣言です。 合計点数とは、取ったカードの点数を、最後のトリック、ジュディー、およびコールの点数で修正したものです。 コールの点数は計算チームはプラス、切札チームはマイナスとして計算します。
カナックが成功するには、これに加え、最後のトリックを宣言したプレイヤーが取ること、および、 相手チームが1トリック以上取っているという条件があります。
カナックは、最後のトリックで自分のプレイを行う直前に宣言しなければなりません。
計算チームのカナックは、バックサイド・カナック(Backside Khanuck)と呼ばれます
プレイ中に、計算チームが切札を1枚も持っていないことが明らかになったら、 プレイは無効となり、配りなおしになります。
プレイや宣言の成功・失敗により、次のゲーム点が各チームにつきます。 サニーのときには、通常のプレイのゲーム点はつきません。
成功 | 失敗 | |
---|---|---|
通常プレイ | 切札チームが1点 | 計算チームが1点 |
サニー | 切札チームが4点 | 計算チームが4点(サニー宣言者のパートナーが勝ったときは8点) |
ダブル | 宣言したチームが追加点2点 | 宣言したチームの相手チームが追加点2点 |
カナック | 宣言したチームが追加点3点(計算チームなら追加点4点) | 宣言したチームの相手チームが追加点4点 |
ディーラーのチームの累計ゲーム点が、相手チームの累計ゲーム点と同じかそれ以上のときは、 ディーラーは右隣のプレイヤーに交代します。
そうでないときは、同じディーラーがディールを続けます。
ゲーム点が12点に達したチームの勝ちとなります。
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2017年11月5日、なかよし村でプレイしました。
ビッドのシステムが独特で、非常に興味深いゲームです。 カードの枚数は少ないですが、戦略的なゲームを楽しめます。 手札6枚のうち4枚しか配られない段階でビッドしなければならないので、あとの2枚による運・不運はあります。